銀魂 −アインクラッド篇−
「そもそもあんた何?そんなにスマ○ラ参戦できたことが嬉しかったの?あんたがスマ○ラでるまで誰もあんたの存在知りませんでしたよ?しかもそのあと調子にのって新・光神話まで出しちゃってますけど、神話が新しくできることなんてあるの?そもそも神話ってそんな簡単にほいほいできちゃうの?」
「はいはいでましたよ〜ゲーマーとか自分で言っておきながら自分の知らない作品出てきたらマイナー扱いするやつ。いるんだよね〜やったこともないくせに偉そうにしやがって。そんな奴にパルテナ様を守護する価値無いわ。こんなやつに守られても逆にパルテナ様がヤラレチャッテしまうわ。そもそも何?イカロスの分際でなんでパルテナ様と二人で生活してるの?パルテナ様に失礼だと思わないの?」
「そもそもヤラレチャッテしまうの基本的にあんただけだから。イカロスはヤラレチャッテも無限に出現しますから。残機なしのあんたと一緒にされても困るから。第一、俺とパルテナ様はシステム上『結婚』しているから。あんたの出る幕そもそも最初から用意されてないから」
「『結婚』したから何?そこの腐れ天パーから話聞いたけど君たち結婚したんだって?アイテム関連が共有できちゃうだけで他に特典あったっけ?言っておくけどてめぇの見られたくないアイテムも全部共有しちゃうからね?いやらしいアイテムとかも全部パルテナ様に筒抜けだからね。それが原因でヤラレチャッテも知らないからね?」
「あの〜巻き込まないでくんない?嫌なんだけど」
「大丈夫よトシさん。私はすでにキリト君にヤラレチャッタからもう何も失う物はないわ」
「お前も何をさらりとカミングアウトしているんだ。全年齢対象作品なんですけど」
「何ッ!?キリト軍曹とアスナ司令官は恋仲だったいうのか!?許しません!お母さんの許可無しに同棲なんて許しません!そんなふしだらな行為するぐらいならお母さんも一緒に住みますからね!」
「とりあえず、てめぇら一旦座れ。話が全然進まねぇだろぉが」
珍しく銀時が場を収め、キリトと土方はバチバチと目から火花を散らすも、当初の話題であった今後の体制をどうするか検討を再開する。まず最初に口を開いたのは近藤だった。
「とりあえず俺たち『新撰組』は今後の迷宮区攻略において血盟騎士団に助太刀することを改めて約束しよう!本来であればラフィン・コフィン等といったPK行為を取り締まるためだけのギルドでもあるが状況が状況だ。一丸となって立ち向かわなければこれ以上の攻略に厳しさが増すばかりだろう」
「ありがとうございますゴリラさん、血盟騎士団を代表してお礼をさせて頂くわ。協力を感謝します」
「勘違いするな。俺たちはあくまで副団長様に協力するだけだ。あの男の指揮に入るつもりは一切ねぇ」
土方が言うあの男とは、聖騎士ヒースクリフを指しているのだろうとキリトは推測する。
実は新撰組と血盟騎士団の仲の悪さは昔から有名な話であった。
一時期、ラフィン・コフィンとの闘いで手を結んでいた時期があったのだが、ヒースクリフと土方の息が合わず、それ以来互いを毛嫌いし始めついに新撰組は迷宮区攻略に一切手を貸さない事態にまで発展してしまう。それが、まさかアスナの作ったマヨネーズのお陰で解消されてしまうとは・・・世の中、何が起こっても不思議ではないなとキリトは学んだ。
「俺も、引き続きキリト軍曹とアスナ司令官に協力をしよう。俺の活人剣がそうすべきだと訴えている。そうなると間接的に俺も新撰組に協力をするということとなるが、ゴリ=ラン、異論は無いな?」
「無論さ、ヅライデン。今はてめえの力も必要だ。現実の世界じゃ俺たちは犬と猿、間違っても絡み合っちゃぇいけねぇ立場だが今はそんな状況じゃねぇ」
「おい近藤さん!」
「トシ、俺たちの『今』の目的は一日も早くこのゲームをクリアすることだ。忘れたわけじゃねぇだろうな?今は互いに協力することが何より重要だ」
近藤のその言葉に土方は何も言い返せなかった。あまりにも正論だったからだ。
昨日に出会ったサムや配送先の人たちの現状を目の当たりにして、今はお縄にするとか言っていられる状況ではない。
「チッ・・・。この世界を出るまでだ。それまでは桂、お前とも協力をしよう」
「ふっ・・・相変わらず素直な男ではないな」
「あとイカロス!俺はまだてめぇを認めたわけじゃねぇ!副団長様に少しでも傷付けてみろ?指導不覚悟で切腹してもらうからな!!」
「な?言ったろキリト。ベ○ータにそっくりな奴だって。というかベ○ータそのものだろ?」
「あぁ。本当にベ○ータだ。いつの間にか仲間になっているパターンだ」
「よし、てめーら今すぐここで切腹しろ。すぐに腹切れ」
そんな中、一人だけやや置いてけぼりとなっていた人物がいた。
アスナは桂、近藤達の会話を聞いてどうしても疑問に残る点が多々あった。先ほどから犬と猿だの、切腹だの、どうも時代錯誤の感が否めない。それは初めて銀時と出会ったときと同じような感覚だった。確信を掴むべくアスナは重い口を開く。
「あの・・・ゴリラさんと桂さん、それにトシさんとギンさん」
「あ?どうした嬢ちゃん?」
「ねぇ、皆って一応知り合いなのよね?だけど、どうしても引っかかることがあるの。それは七十四層の迷宮区攻略中の時も感じたのだけど、ギンさんたちの暮らしていたという現実―リアル―って一体どういう世界だったの?私たちと同じ世界なの?」
「アスナ、お互いが現実の世界の事を聞くことは――」
「わかっているわ。だけど、気がかりなのよ。だって、ギンさん達の会話からどうしても普段では聞きなれない単語ばかり出てくるから何か腑に落ちないのよ」
アスナがそう感じて当然だ。
そもそも自分達はとある事故でこの世界に訪れただけであり、正規の方法でここに来た訳ではない。
そろそろ、話すべきだろうか?
自分達の『世界』の事を。
「万事屋、どうする?」
「別に隠す理由もねぇ。・・・いずれは二人に伝えようとしていたことさ」
「ギンさん・・・」
「キリト・・・それに、アスナ。聞いてくれ・・・
俺たちが元々いた『世界』の事をな――」
作品名:銀魂 −アインクラッド篇− 作家名:a-o-w



