二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

銀魂 −アインクラッド篇−

INDEX|34ページ/155ページ|

次のページ前のページ
 

・・・

『ソードアート・オンライン』
・アインクラッド 第七十四層 迷宮区へと続く森の小路・

「それにしても君、いっつも同じ格好だねぇ。ギンさんもそうだけど」
「あったりまえだ。そんなにほいほい格好を変えていたら作画班泣かせのアニメになるだろうが。人気のアニメっていうのは大体学園モノだろ?いちいち細かい私服の設定組まなくて楽だから、あ〜いうのは流行るんだよ。そんなに格好気をにするんだったら、どこぞのスクールアイドルにでもなりなさい」
「ギンさんこれアニメじゃないから、学園モノでもないから。あとそれ以上はその話題禁句な・・・というか、俺は別に服装とか興味ないし。服にかける金があったら少しでも旨いもの食べたいし」

今朝の不味い空気が嘘のようにほのぼのとした空間に包まれていた。3人は梢の隙間から差し込む光の柱をくぐり抜け、今回の目的地である迷宮区へと向かう。ちなみに、今朝アスナが遅れた理由は先日出会ったクラディールという人物がアスナの自宅前で待機しており、流石に頭にきたアスナは家の裏口からクラディールにバレないよう、隠密行動でここまできたという。しかし、転移門前でクラディールの取り巻きに発見され、慌ててキリトと銀時の待ち合わせ場所に転移してきたというのが話の顛末らしい。

「私は血盟騎士団である以上、この格好以外でそこらをうろちょろすることができないの。だからフリーである二人が羨ましいんだけどな〜。スクールアイドルは無理でも、もう朝8時半でカワルンルンしているし、アインクラッド内でも、もっと良い格好したいな」
「アスナ、やめろって言っているのがわからないの?わざわざその話題を掘り返す必要性が全くなかったよね?・・・ッ」

キリトはツッコミを入れながらいつもの癖で索敵スキャンを行う。モンスターの反応はないのだが、索敵可能範囲ぎりぎりにプレイヤーの反応があった。犯罪者プレイヤーの集団である可能性はない。連中は確実に自分達よりレベルの低い獲物を狙うので、最強クラスのプレイヤーが集まる最前線に姿を現すことはほぼ無い。索敵スキルとマップを同期し、プレイヤーを示す緑の光点を浮かばせた。その数は十二。次第にこちらへと近づいてくる!

「あまり見つかりたくないな・・・よし、そのへんに隠れてやり過ごそう」
「そうね」
「ああ、隠れるのは得意だ」
キリトは自分の黒いローブを匠に使い、背丈ほどの高さに密集した灌木の茂みを見つけてその陰にうずくまる。しかし、アスナは派手な制服のため、茂みの中でも非常に目立っていたので、キリトは仕方なしと自分のレザーコートにアスナの身体を包み込んだ。
「えっ・・・キリトくん・・・」
「し、しかたないだろ・・・このままだったらバレちゃうんだから・・・あれ、それよりギンさんは・・・」
自分たちは良いのだが、気がつけば一番派手な人物の姿が見えない。
キリトはプレイヤー達にバレないように辺りを探索する。


・・・すると、目の前にこの小路に似つかわしくないダンボールがポツンとあった。
いや、まさか・・・まさかな。



いや、そのまさかだ!!

(いや、あの人なにやってんの!?あれで隠れているつもりなの!!?)

キリトは心の中でツッコみ、慌てて銀時をこちらに呼ぼうとした。しかし時はすでに遅し、すぐ目の前にプレイヤー達が現れた!!
「馬鹿なの!!?ほんとっ何やってるの!!?」
「しっ・・・来るよ!!」
アスナはささやいて指を唇の前に立てた。やがて、曲がりくねった小道からその集団がはっきりと姿を現した。

全員が剣士クラスだ。お揃いの金属鎧に戦闘服。規律の取れたその動きはNPCがシステムによって動かされているように思えてくる。
-なんだ?なぜこのようなところにダンボールが・・・-
-丁度良い。ここでほんの少し休憩をしよう-
(なっ!!?)
・・・とはいえ、彼らも人間である。一番重装備のプレイヤーが銀時が隠れいているダンボールに座り、その彼を中心に他のプレイヤーも腰を下ろし始める。

(ぎ、ギンさァァァァんっ!!耐えろ!耐え忍べ!!さっきほんの少しって言っていたからちょっと我慢すればどっか行ってくれる筈だ!!)

少しずつだが、ダンボールが震え始める。おそらく、重装備のプレイヤーを銀時が内部で支えているのだろう。力尽きれば、その場でゲームオーバーだ。
-おい、お前の座っているそのダンボール、なにか震えてないか?-
(な゛っ!!?)
-いや、気のせいだろう。何故ダンボールが震えるんだ-

ほんの少し休憩と言って早10分。なかなか動く気配のないプレイヤー達とは対照的に、銀時が限界なのかダンボールが高速で振動し始めた。次第にダンボールからなにか液体が流れ始める・・・汗だろうか?

(ぎ、ギンさん!!頼む、もう少し!もう少しだけ我慢してくれ!!)
(あの、キリトくん、・・・その、密着しすぎ・・・恥ずかしいよ・・・)
(っ・・・?ごめん、今なにか言った・・・?)
(えっ・・・ううん、なにも・・・あ)

リーダーらしき人物がそろそろ向かおうと一声を上げて、プレイヤー達は重い腰を上げ始めた。銀時のダンボールに座っていた人物も腰を上げ、隊列を組み直してぞろぞろと奥へ進んでいく。
こんな状況でもはや見間違いようがないが、彼らは基部フロアを本拠地とする超巨大ギルドの「軍」のメンバーだ。キリトとアスナは二人とも確信を得た。

そして・・・軍が索敵範囲外まで進行をした後に恐る恐る銀時・・・もとい、ダンボールへと近寄った。

「ギン・・・さん?」
「大丈夫?ギンさん」

よほど重量級だったのか、どのような隠れ方をしたのか不明だったが、銀時の身体はありえないぐらい可変していた。とりあえず二人は冷や汗を流しながらダンボールから銀時を取り出し、ありとあらゆる治療を試し始めた。



そのようなやり取りの最中、キリトの索敵スキルに一点のみ、引っかかることがなかった人物がいた。

その人物は3人から目視することができない崖の上からじっと銀時のみを見つめていた。


「・・・何故ここに?」

男は独り言をつぶやきながら、機械仕掛けの身体を匠に動かし、3人にバレないように近づくこととした―――。



・・・To Be Continued