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銀魂 −アインクラッド篇−

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・・・

『ソードアート・オンライン』
・アインクラッド 第七十四層 主街区 ゲート広場・


「あ〜・・・身体中筋肉痛がひでぇな。あのベッド硬すぎるんだよ。まあ、野宿にならなかっただけマシか」
「あの、ギンさん。昨日は大丈夫だったか?その、エギルに何もされてないのか?」
「あぁ?何もされてないって何が?別にあの後は・・・、たしか必要以上に俺に肩を組まれつつあいつの店に入って、ちょっと時間があったから、飲まないか?と誘われたもんだから、ちょいと高い酒を二人で飲んで・・・だいぶ酔っ払って・・・あれ、俺っていつベットに移動したっけ」
「いや、何も無かったなら良いんだ。ゴメン、ギンさん」

午前9時10分。今日の気象設定は薄曇りだった。街をすっぽりと包み込んだ朝靄はいまだ消えず、外周から差し込む陽光が細かい粒子に乱射して、周囲をレモンイエローに染め上げていた。キリトは昨晩のトラウマのためか、やや寝不足気味。銀時は何故か全身筋肉痛だが快眠だったのか頭はスッキリしていた。ちなみに銀時の懐にはエギルが朝早起きして手作りしてくれた弁当が入っている。

「そういえば、あの嬢ちゃんの待ち合わせって9時だったよな?」
「ああ、アスナに限って遅刻はないと思うんだけど・・・」

キリトは銀時にこれから挑む迷宮の構造を事前に教えるべく、メニューを呼び出し、マップやらスキルの上昇具合を確認したりして時間を潰そうとした。銀時は相変わらず理解に苦しむが少しずつ慣れてきたのかキリトの説明に相槌を打つようになった。キリトも嬉しくなったのか、もう少し込み入った話をしようとした時、転移門内部に何度目かの青いテレポート光が発生した。さして期待もせずゲートに目をやる。と、その瞬間―――

「きゃああああ!よ、避けて!!」
「あ?」
「ッ!うあああぁぁぁッ!!」

通常ならば転移者はゲート内の地面に出現するはずのところが、地上から一メートルはあろうという空中に人影が実体化し、そのまま宙を二人に向かって吹っ飛んできた。
無論、話し合っていた二人は避ける、もしくは受け止める間もなく、その人物は思い切り衝突し、三人は派手に地面に転がった。


「痛ッ・・・ったく朝っぱからなんだってんだよ・・・こんなラブコメみたいなイベントが今の時代あることかね・・・あってもToLOVEるぐらいだよ、リトさんぐらいだよ・・・っ・・」


銀時は混濁した意識のなか、自分の上に乗ったままの身体を排除すべく右手を伸ばし、ぐっと掴んだ。
「・・・?」
すると、銀時の手に、何やら小ぶりで不思議な感触が伝わってきた。柔らかく・・・ましてや硬く・・・その正体を探るべく、二度、三度と力を込める。
「や、や----ッ!!」
突然耳元で大音量の悲鳴が上がり、銀時の後頭部は再び激しく地面に叩きつけられた。同時に身体の上から重さが消滅する。その新たな衝撃でどうにか思考が回復した銀時は、パッと上半身を起こした。



・・・さて、普通のソードアート・オンラインでは、青少年の心を鷲掴みするようなToLOVEるなイベントが用意されていたことであろう。
しかし、この作品はあくまで銀魂とのクロスオーバー作品である。
それが、一体何を意味するのだろうか。
・・・・つまり、こういうことだ。


「ぎ、ギンさん・・・ちょっと、というか、・・・かなり大胆なのね・・・」
「え、何?なにが?・・・ん、というか、何故嬢ちゃんは俺の隣に?」
「地面に直撃する前に受身が取れて、なんとか着地できたのよ。・・・それより、ギンさんあれ・・・」
「?・・・ッ!!」

アスナが指差す先には、ペタリと座り込んだ男性ソロプレイヤーがいた。全身黒地のローブ、剣帯からは彼の愛剣。どうしたことか、やや涙が滲み殺気のこもった眼で銀時を睨んでいた。顔は最大級の感情エフェクトで耳まで真っ赤に染まり、両腕は下半身の一部で硬くガードされ・・・
「まさか・・・さっきのって・・・」
突如、銀時は先ほど自分の右手が掴んだ物の正体を直感した。それを確信した銀時から次第に汗が流れ始め、罪悪感がどこからともなくこみ上げてくる。やり場のない右手を閉じたり開いたりしながら、引きつった笑顔とともに口を開いた。
「キリト。一番大事なのはテクニックだ。大きさじゃ---」
その瞬間、キリトの右足が銀時の顔面に直撃、ジャイアンパンチを受けたのび太ぐらい顔が凹んでいたと後にアスナから教えてもらった---。