銀魂 −アインクラッド篇−
『銀魂』
・大江戸 かぶき町 万事屋銀ちゃん
アルコールで暴走した月詠は銀時目掛けて大きくダイブ、それと同時に無数のクナイを放つ!!
新八と神楽は銀時を守るべく走り始めるがもう遅い―――間に合わない!!
「銀さぁァァァァんっ!!」
「銀ちゃァァァァんっ!!」
・・・その時。
「ちょォォォっと、待ったぁぁァァァァァっ!!」
銀時が横たわっている天井より鼓膜が破れそうになるような轟音をたてて、紫色のロングヘアーでメガネをかけた女性のキックが月詠の後頭部に直撃し、その勢いで銀時の下半身に落下する!
「月詠姐!」
「あ、あなたは・・・!」
「さっちゃん!」
新八と神楽はこの女性に見覚えがある。いや、もう忘れることはできない。
何故なら幕府の隠密集団・御庭番衆であったくノ一・・・もとい、銀魂三大ストーカーの一人であるからだ。
「このアバズレェェェェ!何勝手に私の銀さんの貞○奪おうとしてるんじゃァァァ!!」
「いやあんたの銀さんじゃないから!!というか、あんたいつからそこに隠れてたんだ!!」
「さっちゃんも銀ちゃんを助けに来てくれたアルか!?」
さっちゃん・・・猿飛あやめは華麗な右足で月詠の後頭部を踏み続けながらメガネをくいっと直す。晴太は「早く月詠姐から足をどかせ変態!」と、必死に言い続けるもお構いなしに神楽の質問に返答する。
「ええそうよ神楽ちゃん!銀さんがPCエンジンからPC‐FXに乗り換えていざソフトを購入しようと街に出向いたら思いのほかソフトが全然出回ってなくて諦めて3DOに乗り換えたら発売されているゲームがほぼ洋ゲーしかなくやたらと難しくて失神しかけ、原点回帰だと言わんばかりにメガドラタワーを求める冒険に旅立ち、メガコンバーターの壁を前に力尽きそうになるも、銀さんは仮想現実の私と結婚をするべく最先端技術であり呪われた装備とも言われるPSVRを手にし、メガコンバーターを辛くも撃破。しかしその直後に現れたスーパー32Xにヤラレてしまったと聞きつけてね!お妙さん達がくるちょっと前から銀さんの監視・・・じゃなくて!魔の手から守ってあげていたの!もう私の為に銀さん無茶しちゃうんだから!」
「後半は絶対にあんたの妄想だよね!!?あと、さらりと監視って言ったよね!!?結局いつもとやっていること一緒だよね!!?」
「何?今の大きな音」
「あの男が寝ている部屋からみたいだ、妙ちゃん」
今度は寝泊りの準備を終え、再度訪問してきたお妙と九兵衛、寿限無寿限無―以下省略―ビチクソ丸が押し寄せてきた。
「あらお妙さん!いざこざに紛れて銀さんのとなりで寝泊りだなんてそうも簡単にはいかないわよ!!銀さんと添い寝が許されているのは私!この作品は小説なんだからあんなことこんなことするのも私の自由!!今作ではペチャパイ貧乳ヒロインの出る幕ではなくってよ!」
「誰が貧乳だゴラァ!!ストーカーはゴリラ一人で十分なんじゃ!!あんなことこんなことするんだったらあのゴリラとでもしてこいやァ!!」
「何勝手にあんたら話進めてるんだ!!全年齢対象作品なんだから良いわけがないだろ!!」
「落ち着け新八くん!僕は・・・妙ちゃんと一緒に添い寝できるだけで満足なんだ!添い寝さえできればもうこの作品に出れなくても良い」
「あんたもどさくさに紛れて姉上になにしようとしているんだ!!」
「そうですぞ若!ひとつ屋根の下でこのような男と添い寝など言語道断!!せめて私と一緒に寝てくださいませ!」
「あんたは何を突然当たり前のように現れてんだ!!まだ紹介すらしてないんですどォォォッ!!」
紹介追いつかないよ!そんなにどんどんキャラクターだされたらおじさんが大変なんですけどォォォ!!?
――おほん。
お妙とあやめがギャーギャー言い争いをしている最中、突如、畳の下から現れたクリーム色のロングヘアーで糸目のこの男は銀魂三大ストーカーの一人、東城歩である。九兵衛の幼少期より護衛兼世話係をしており、九兵衛に対する過保護っぷりは相当なもので、当の本人からはウザがられている。
「マダオも大変アルな。こんなに大人数になったら誰がどうなっているか解説するのも苦ネ」
「そんなことより、月詠姐をなんとかしてくれよ!足どかしてくれなくて困っているんだよ!」
晴太の必死な願いも虚しく、完全に頭に血が上ったお妙とあやめの言い争いがさらにヒートアップしていく!そこに何故か九兵衛と東城の言い争いも発展していくものなので、あーだこーだという罵声が絶え間なく万事屋内に響き渡った!
「いいんですか!?猿飛さん!あなたの溺愛する銀さんの下半身。先程からずっとその子に奪われていますけど!!?」
「キィィィィィッ!!小説だからって私の銀さんに何好き勝手やってんだこのアバズレがァァァァ!!」
「てめえがその足で踏み続けてるからだろぉがぁ!!」
「若ぁ!お考え直しくださいませ!どうしてもここで寝泊りをするというのなら、私の愛用しているこのヌルヌルマットで一緒に―――」
「どこから取り出した!?お前はこの作品に出ても全く意味がないから早く帰ってくれ!僕は何が何でも妙ちゃんと一緒にお泊りするんだ!!」
「キキぃッ!!(さっさと帰れ変態!!)」
「・・・。」
あぁ・・・どうしよう。
いつのも銀魂だが、収拾がつかない。
こんなとき銀さんだったら・・・。
完全に疲れきった新八はふと銀時を見るも、下半身の大事なあの部分に気を失っている月詠がダイブ、放たれたクナイは結局、無残にも全身に突き刺さり、また新たな傷が増えた。
「もうグダグダでいつもの銀魂ネ。どーするアルか?」
「本当・・・どうしたものか。誰か、この場面を打ち破ってくれる人いないかな?僕疲れたんですけど」
―――その最中、ついにこの場面を打ち消す人物が現れた!
収拾がつかなくなったこの空間に、突如、窓を割りまたもや轟音を立てて派手に登場、その『白い』巨体を前に、その場にいた全員が言葉を失った。
『おふざけはここまでだ』
そう書かれた白いプラカードを取り出した化物―――エリザベスは新八と神楽の前に立つ。
「エリー!どうしたアルか?」
『やはり、この男もナーヴギアの餌食になっていたか』
「この男もって・・・何か知っているんですか!?」
『ああ。お前達が思っている以上に深刻な状況だ』
次々とプラカードを出し、どこから出しているんだというツッコミすら忘れ、その場にいた全員がエリザベスを注視する。
『ナーヴギアの被害はこの男だけじゃない』
『この大江戸に』
『少なくとも』
『3人が』
『同じ状況下にある』
「銀さんを含めて3人って・・・他に2人も!?」
『この男を目覚めさせる条件は』
『たったひとつ』
『・・・しかし』
『俺達には』
『なにもすることができない』
『何をしても無駄だ』
『・・・・不可能なんだ』
「そ・・・そんな・・・」
「嘘ネ・・・銀ちゃん・・・」
『今、この男たちに起こっていることを話そう』
『目覚めさせる条件はそれからだ』
衝撃の事実を言い渡された新八と神楽、他のメンバー達は絶句する。
また、銀時の他に2人が巻き込まれているという事実も発覚する。
作品名:銀魂 −アインクラッド篇− 作家名:a-o-w