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銀魂 −アインクラッド篇−

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第七訓「助っ人は何故かピンチの時にしか現れない」




『銀魂』
・大江戸 かぶき町 万事屋銀ちゃん

―――何時とも騒がしい万事屋に、久しく静寂が訪れた。
新八と神楽、万事屋を訪れた面々は目の前に現れた白い巨体の化け物、エリザベスの出したプラカードを見て、言葉を失ってしまう。

『俺たちには』
『なにもすることができない』

再び、新八の脳裏に浮かびあがった『絶望』の二文字。
そして、この沈黙を最初に破ったのは、ややしばらく酔いつぶれていた彼女だった。

「どういうことじゃ?まずこの男の身に起こっていることを一から説明をしてもらおうか」
「あっ、月詠姐!」
「晴太、わっちが気を失っている間にいったい何が?この状況は何事じゃ」
「え〜っと・・・聞かないほうが良いと思うよ」

何時の間に起きたのか?・・・というツッコみはさておき、月詠は愛用のキセルに火を着け、蒸かしながら、エリザベスに説明を求める。

「あれ、そもそもエリーはなんで銀ちゃんのこと知っているアルか?」
「っ!」

――――そうだ。
神楽が指摘するまで謎であったが、なぜこの白い化け物はナーヴギアのことを知っているのだろうか?それに、自分たちが知らない情報まで『知っている』ような素振りであることも気がかりだ。
新八は息を飲み、次第に心臓の鼓動が早まっていく。

「その件の説明は俺達からさせてもらおう!!」

「っ!!」
また、万事屋内に新たな声が響き渡る。その声も、新八にとってはとても聞きなれた声だった。入口から複数人がどたどたと足音を立てて入ってくる。
そして、その人物たちの姿を見て、新八は再度、目を大きく見開いた。

なぜなら、今、この場で目の前の白い巨体と出会ってしまえば大変なことが起きてしまうと察知したからだ。

「御用改めである!真選組だァァァァァッ!!」

全身黒尽くめでこの大江戸を守護する武装警察、真選組副長の土方十四郎を筆頭に、複数人の隊士が勢い良くぞろぞろと押し寄せてきた。
土方は瞳孔が開き気味の鋭い眼光でエリザベスを凝視する。

―――まずい!
こんな白い巨体でも攘夷浪士であることには変わりない。
真選組と攘夷浪士、言わば犬と猿。


「エリザベ―――」
「おっと、今は停戦協定中ですぜぃ」

新八が叫ぼうとした時に土方の背後から色素の薄い中性的なベビーフェイスで、実写映画では再現度高ぇなおい、と、全国の銀魂ファンを唸らせた真選組一番隊の隊長である吉○亮・・・ではなく、沖田総悟が、さも当たり前だと言わんばかりに江戸っ子口調でのこのこと現れ、エリザベスの隣に立った。

「沖田さん!・・・停戦協定中って、どういうことですか?」
「その前にメガネ。お前ぇ今なんか言おうとしてなかったかぃ?」
「ッ!い、いや・・・べべべ別に・・・なんも言おうとしてねーしゅ」
「新八ぃ、セリフ噛んでるアル」
「あぁ?まあ、いいや。土方さーん、俺がこのまま説明してもいいですかぃ?」
「・・・あぁ。構わねえ」

土方は煙草を蒸かしながら、ぶっきらぼうに答える。いいんですかい?あんたの出番奪いますぜぃ?と、沖田の訳のわからない問いかけにも無視をしたため、沖田はお構いなしに説明を始めた。

「俺たちは今、一つの目的の為に苦肉の策で、お互い知り得る情報の交換を条件に、こいつらと手を組んで解決に向かおうとしているんです。それが、旦那が頭に着けている『これ』と深く関係しているんでさぁ」
『報道の通り、この男は我々とは違う別次元に精神を持っていかれている』
「旦那はその次元でとある『ゲーム』をプレイしていましてね、そいつをクリアしないとこっちに帰ってこれないんでさぁ。だから、『こちら側』からは、何もすることができないってわけでぃ」
『この男がそのゲームをクリアしない限り目覚めることは絶対にありえない』
「ゲーム?・・・すみません、話についていけなくて・・・・あれ、そもそもですけど、なぜこれが攘夷浪士と真選組に深く関係しているのですか?」
『先ほど、この大江戸にナーヴギアが少なくとも3つ、流れ着いていることを教えたと思うが』
『残りの2つが』
『我々と』
『真選組』
『両者が保有しているということだ』
「エリザベス殿の言うとおり、3つのうち、1つを真選組が所有しているってことでぃ」
「なるほど。・・・あれ」

―――そういえば、先ほどから何か違和感がある。
普段では絡み合うことのないこの二組の、そう・・・インパクトの大きい『何か』が欠如している。
新八は少しずつだが察してきた。
そして、その『結論』をこの場で叩き付けたのは、お妙と九兵衛だった。

「そういえば、今日は珍しくゴリ・・・ではなく、ストーカー・・・じゃなくて、ゴリラの姿が見当たらないのですが?」
「それと、僕とキャラが被っているとしつこく追及してくるあの男は―――」

その時、土方が銜えていた煙草が真っ二つに折れた。気のせいか、土方の額からものすごい量の汗が流れているように見える。

そして、新八は確信した。


まさか・・・・残りの二つのナーヴギアを所有している人物は――――!!




「あ〜あ、土方さん。第7話の俺らの出番もうおしまいですぜ。7話目にしてようやく表舞台に上がれたっていうのに、土方さんときたらちょいと喋っただけですかぃ。勿体ねー」