銀魂 −アインクラッド篇−
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『ソードアート・オンライン』
・第50層 アルゲード エギルの店の銀時の部屋
翌日、4人は一旦迷宮区を後にし、桂は「俺の剣を必要としている者がいる!フレンド登録をしたからいつでも俺に頼ると良い!アデュー!」と言い残し、そそくさと退散してしまったので、残った3人は心と体を癒すため、解散することとした。その後、アインクラッド中は今回の事件で持ちきりだった。
フロア攻略、新しい街へのゲート開通だけでも十分な話題なのだが、『銀髪の男が率いる過激派武装組織ソレスタルなんたらの武力介入』だの『悪魔を単独撃破した二刀流使いの一人戦国無双』だの『銀魂乱舞のアップデートは必須』だの・・・どうやって調べたのか、キリトのプレイヤーホームに早朝から剣士やら情報屋が押しかけ、当の本人はわざわざ脱出するのに転移結晶を使い、銀時の部屋に避難をしてきたのだ。
「引っ越してやる・・・田舎の、絶対見つからないような村に」
「別に良いじゃねぇか、銀さんなんて話題の一つにもならなかったし、街歩いていても、未だにこの装備なんだからクスクス笑われるし。あのとき結構頑張ったのよ?俺」
部屋のドアに2〜3回ノックをした後にエギルがお茶を運んできた。
「まあ、そう言うなギンさん。俺の中のMVPはいつだってギンさんだぜ?」
「あんたの中のMVPにされても、俺なんもうれしかねーんだけど」
現在、銀時とキリトは昨日の戦闘で手に入れたお宝で下取りしてもらった売上についてアスナを含めた3人で山分けする事にしているのだが、そのアスナが約束の時刻を過ぎても現れないのだ。フレンドメッセージをキリトが飛ばしておいたので、ここに居ることはわかっているはずだ。
すでに待ち合わせの時刻から二時間が経過している。ここまで遅れるからには何かあったのだろうか?キリトはずっとそわそわしていた。
「あの・・・ギンさん。俺ちょっと様子見に行ってくる」
「大丈夫だキリト。ちったぁ落ち着け。あのぐらいの女子ってのは、自分の身だしなみの準備に時間がかかるもんだ。不完全な自分の姿を見られたときこその絶望感は半端ないってもんよ」
「別にデートの待ち合わせしているわけじゃないだろ!!・・・ただ、・・・心配なんだよっ」
「・・・そっか。そうだな。なら、別に止めやしねーよ」
キリトがアスナを迎えに行こうとした瞬間、ようやく階段をトントンと駆け上がってくる足音がした。勢いよく扉が開かれる。
「よ、アスナ」
「ようやくきたか嬢ちゃん・・・あ?」
遅かったじゃないか、という言葉を銀時は呑み込んだ。なぜなら、彼女は顔を蒼白にし、大きな目を不安そうに見開いており、両手を胸の前で固く握っていた。
「なにかあったのか?アスナ」
「ど、・・・・どうしよう・・・・キリト君・・・ギンさん・・・」
と、泣き出しそうな声で言った。
「大変なことに・・・なっちゃった・・・団長が・・・ヒースクリフ団長がキリト君と立ち会いたいって・・・っ!!」
「なっ・・・」
「へ?」
銀時はアスナが言っている意味が理解できず、キリトは血盟騎士団団長自らが名指しで立ち会いたいという言葉に体中の血の気が引いてしまう。
「立ち会う・・・つまり、決闘―デュエル―か!?」
エギルの説明にも、銀時は理解が追い付かず、事の重大さがいまいち把握できずじまいだった。
一難去ってまた一難・・・今後、Z万事屋・・・ん?ハピネスチャージだったけ・・・?
とりあえず、この3人に待ち受ける運命とは?
・・・To Be Continued
作品名:銀魂 −アインクラッド篇− 作家名:a-o-w