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銀魂 −アインクラッド篇−

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『ソードアート・オンライン』
・第50層 アルゲード 飲食店街

「いやぁ〜今日の日中にそんなことがあったとはな。アスナ司令官もさぞかしお怒りだったんじゃねぇの?まあ今日は俺の奢りだ!好きなだけ食べて飲んでくれ!」
「想像に任せるよクライン・・・・あの後、アスナをなだめるのが一番苦労したんだから。あと食べるけど飲まないから」
「ギンさんも目を付けられたんじゃないか?大丈夫か?」
「だいじょーぶだって。いざとなりゃ、お前さんの店の2階で引き籠るからよぉ」

―――結局、売られた喧嘩を買ってしまったキリトは、当初の目的とは正反対となり、ヒースクリフとの決闘を受けて立つこととなった。決闘は、2日後の正午に決まった。お互い、準備が必要だろうということで少しだけ時間を空けてくれたという。
夕日が沈み、夜の街と化したアルゲードの飲食店街に男4人が並列して歩いている。クラインが二日後のキリトの勝利に向けての前祝い兼、昨日の銀時への御礼も兼ねて、彼の行きつけの店を紹介してくれるというらしい。丁度、エギルも店がひと段落した頃合いだったので、せっかくということで4人で外食に出かける事とした。
「キリト。お前のことだから普段はど〜せ一人寂しくファストフードで腹を満たしてんだろぉ?これを機に銀さんが夜の街の出歩き方を教えてやる」
「言っておくけど、俺未成年だからな!このゲーム上では仮想で状態変化が起こるだけだから飲めないことはないけど、俺は絶対飲まないから!」
「まぁお前ぇのいう通りだキリト。しっかし、いずれはお前も社会人になりゃそういう場に出くわすんだから、飲めなくてもせめて接待のやり方ぐらいは学習しておくもんだ」
「単純に自分が飲みたいだけだろ?もう言わなくてもあんたの考えが分かってきたよ」
キリトと銀時が話している最中、エギルは2人に聞こえない音量でクラインに問いかけた。
「なぁクライン。お前の行きつけの『店』だろ?・・・普通の飲食店だとは思わないのだが・・・」
「しぃ〜っ!キリトにばれたら絶対帰るって言い始めるから、これ以上は何も言わんでくれ!あと、ちょっと事情があって、キリトにもお願いしたいことがあってだなぁ・・・ど〜しても、あいつの力を借りたいわけよ」
エギルはあぁやっぱり、こいつが全員分を奢ると言い始めるのだから必ず裏があるだろうなと、クラインにあきれたのか深いため息をし、そんなエギルをキリトはどうしたのかと、少し心配になった。目的地に近くなったのか、クラインはあぁそこだ!と、我先に道案内をし始め、ちょうど、十字路を右まがった角にクラインが紹介する目的地へと到着した。他の店に比べ酷くネオンが光輝いており、そこら中に女性アバターのポスターが貼られ、クラインぐらいの歳の男性がひっきりなしに入出店を繰り返している。ちなみに、現実―リアル―で例えると、女性NPCが相手のただの相席バーみたいな店なので、如何わしい店ではない事をこの場でちゃんと説明しておこう。そういうお店はちゃんと大人になってから行こうね!
「いや・・・クライン。いくらなんでもモロすぎないか?ゲームの仕様上、いくら全年齢対象だからって、学生にこの店はまずいだろう」
「さすがにキリトも察したか?・・・やべえ。こいつに逃げられるとちょいとまずいんだよなぁ・・・」
エギルとクラインは冷や汗を流し、後方を歩いていたキリトを凝視する。健全な学生には刺激が強めの見た目な店だったので、ここまで来てさすがにクラインも罪悪感が生まれてしまった。
「へぇ〜アルゲードにこんな店あったんだな。美味しそうな料理あるかな?」
「おいキリト。お前さんには丁度良い店だ。ここで銀さん鍛えてやっからちゃんと学習しろよ?」
「何回も言うけど絶対飲まないからな。ほら、クライン、エギル。入ろうぜ」
銀時は完全に察していたと思うが、キリトはなんの疑いも無く店内に入って行ってしまったので、人生の先輩である2人は逆にキリトの将来に不安を覚え、銀時とキリトの後に続いた。

店内に入ると、外見とは対照的に暖色系の照明でやや薄暗くも所々に観葉植物が置かれていて目の保養となり広く開放的なモダン系の造り、中央のステージには2人の女性NPCが奏でるグランドピアノとアコースティックギターを用いたジャズミュージックが響き渡っていた。また、店内は男性プレイヤーがあちこちのテーブルに座っており、ここでも女性NPCが話相手となっていて、あちらこちらと談笑する声が聞こえてくる。
店の奥からはこちらに気が付いたのか、高級そうな黒いスーツに綺麗に整えられた七三分けと口髭、なぜかサングラスをかけた人物がやっと来てくれましたと言わんばかりに出迎えてくれた。
「クライン様!お待ちしていましたぞ!」
「店長!お望み通り、一応連れて来たぜ?『色々』とあるとおもうが、まず最初に腹ごしらえさせてほしいのだが」
「もちろんです!ささっ、こちらのVIPルームへ―――」
「なんだとっ!?クライン、正気か!?」
「大丈夫だエギル!俺ぁこれでもここの店長と昔っからの友達なんだぜぇ?」
4人は腰がやたらと低そうな店長に連れられてまさかのVIPルームへと移動させられる。VIPルーム内はこれまたやたらと広く、家具は店内よりワンランク上の物が揃っており、他の客の話し声は一切聞こえない防音の造りとなっていた。ガラス越しから店内の様子が見える。
「お、おい・・・クライン、本当に大丈夫なのか?俺、お金があまりないんだぞ?」
「安心しろよキリト!言っただろ?今日は俺の『奢り』なんだから、何も気にせず好きな物を注文してくれ!」
「お前が良いってんなら、別に遠慮はしないけどさ・・・」
キリトが考えていることはなんとなくエギルも同じように考えていた。いくら迷宮区を突破、アクティベートしたギルドのリーダーだといっても、迷宮区の報酬やそれに協力をした謝礼を併せたところで、ここまでの良い待遇をしてくれる店に入れるだろうか?おまけに全員分を奢ると約束すらしている。・・・おそらくあの店長と何か特別な『取引』をしたに違いないのだろうと、そう考えながら再度深いため息をした。
「ま、そんじゃお言葉に甘えて早速美味そうな酒でも注文してみるかね」
「ギンさん!少しは遠慮したほうが良いって!」
「大丈夫ってクライン殿も言ってんだろ?こういう時は、素直に普段は飲み食いできない高級なメニューをたらふく食っておくのが礼儀だ」
「なんか、あんた送っていた現実―リアル―での生活態度もわかってきた気がする」
「なんとでも言え・・・え〜っと・・・」
銀時はテーブルに置かれていたメニュー表を開き、酒やつまみ、よくわからない高級そうな物を次々と店長に注文し始める。無論、仮想空間内なので調理する時間などはほぼ存在しないのだが、あえて現実―リアル―に寄せているためか、少し時間を置いてから女性NPCのウェイターが部屋に入り料理を運んできた。
「っ・・・っ・・・っ・・・ぶはぁぁぁ〜・・・この酒美味ぇな。なんか少しずつ良い気分になってきた」