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宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 1

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展望室の窓側には南部グループのホテルからのケータリングサービスが並び立食パーティが出来るようになっていた。ヤマトは戦艦なので一般人は立ち入れない。なので生活班が中心となって取り仕切っていた。

  「お~い、そろそろだぞ?大丈夫か?」

幕の内が叫ぶと生活班の中に太田がいてテーブルのセッティングをしていた。

  「幕さぁん、OKですよ!」(太田)
  「よし、一般客入れるぞ~」

幕の内の一言で廊下に集合していたクルーが展望室に集合した。その後すぐユキが到着し進が来るのを待った。5分ほどしてゆっくりとした歩調の足音が聞こえてきた。











  「さて、そろそろかな。」

沖田が携帯を見て進と藤堂に移動しようと声を掛けた。進には時間を確認したように見えたが実は島のメールを見ていた。

  「ヤマトもしばらく休暇、という事ですね…ちょっと寂しいです。」(進)
  「まぁ有事がない事を祈るが…万一の時はすぐに動かせるよう真田くんと
   山崎くんを定期的に派遣するし…次世代も育てなといいけないしな。」

藤堂の言葉に進は頷いた。

エレベーターに乗り側面展望室のあるフロアーで下りて歩いていると真っ白なシルエットが見えた。沖田と藤堂は普通に歩いているが進は歩みを止めて目を凝らした。

  「どうした?」(沖田)

沖田の問いかけに進が何も言えないでいるとユキらしき真っ白なシルエットの隣に島と真田が立っているのが見えた。

  「……え?どういう…?」(進)
  「お前さんが言い出したんだろう?“地球に着いたらすぐ式を挙げよう”って
   私たちは古代に協力してやっただけだ。さぁ、ユキが待ってる。行きなさい。」(藤堂)
  「あ、古代、済まんがワシが牧師の代理を務めるからスムーズにいかんかも
   しれんが許してくれ、な。」

沖田が笑いながら進に言った。そしてそのまま沖田と藤堂はユキのドレス姿を見て

  「ユキ、今日は一段とキレイだな。中で待ってるよ。」(藤堂)
  「ワシが牧師代理だからうまくいかなくても許してくれな。」

そう言って中に入って行った。

  「古代、早くしろって!」

島がぼーっと突っ立ってる進に叫んだ。進は我に返ってユキの所まで走ってきた。



実は進はユキのウェディングドレス姿を見るのが初めてだった。余りにもキレイすぎて何も言えない。


  「ほらな、ユキ。人間、キレイすぎるものを見ると言葉が出ないんだ。」

島がおちゃらけて言うとユキが笑う。

  「…バカ、島!」

進が照れ隠しで殴ろうとするが島が軽く受け止める。

  「はいはい、邪魔ものは消えます。ホレ、手袋。これは左手で持つだけ。」

島は進と真田に手袋を渡した。進はともかく真田は“?”と言う顔をしている。

  「古代はヴァージンロードの中央で待ってて。真田さんはユキと腕を組んで
   古代にバトンタッチする。まぁ父親役、ですね。適任でしょう?」

島は参ったか、と言う顔を真田にした。

  「ずっと隠すの大変でしたよ。どうやって真田さん一人、ここに残らすか
   クルーで頭ひねったんです。」

ユキも訳が分からずキョロキョロしてる。

  「俺もインターネットで調べただけだからよくわからないけどさ……」

と前置きして島が式の段取りを話す。3人はそれを聞き漏らすまい、と必死に聞いている。

  「…まぁ最後に誓いのキスをして終わりだ。」(島)
  「「キス????」」(進・ユキ)
  「ハモるなって…もともと教会式希望だったらわかってただろう?」(島)
  「だってここ、教会じゃないし…」(進)
  「しょうがないだろ?諦めろ。じゃぁ俺と古代は先に中に入ろう。」

島が古代の腕を引っ張って中に入った。中に入ると相原がハンカチを渡した。

  「これで新郎、完了!」

厳かなパイプオルガンの音楽が流れてきた。直前にネットで拝借した音楽だ。音楽担当は南部。あちこちのパーティに参加してるからいい選曲しろ、と言われいろんなところから音源を取ってきた。

  「新婦の入場です。」

司会は相原が担当。相原の合図とともにユキが入場してきた。扉が開くとあまりの美しさにため息が漏れた。














  「真田さん、いろいろありがとうございました。真田さんのおかげで私は
   ここまで来られました。勉強だけじゃなくて…プライベートでもたくさん
   助けてもらいました。だけど…」

ユキが真田を見つめる

  「これからも助けてください。」

ユキの大きな瞳から大粒の涙が落ちる。真田は手袋でその涙をふくと

  「ユキは俺の妹分、古代は俺の弟分…今まで通りだ。ちゃんと見てるから
   安心しろ。さぁ行くぞ。」