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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 1

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  「どうぞ…こちらへ…」

ヤマトクルーはドッグから軍の特別室へ案内されドクターが数人控えていた

  「重症の方から順に診察します。」

島は真っ先に山本のストレッチャーを前に出してお願いした。



みんな傷だらけだった。無傷と言う人は誰もおらず周りに人がいなくなると島も体のあちこちが痛くなってきた。

  (時々吹っ飛ばされながらも這って操縦かん握りに戻ったりしたからな…
   どこかヒビ入っててもおかしくないかもな)

そう思いながら用意された部屋のソファーの座った。すると横に相原が座り太田と南部が座った。

  「後はこの4人か…」

誰もが疲れきった顔だった。




やはり誰もが傷ついているので診察は長い時間4人は待たされていたが誰一人として口を開くものはいない。無言でしばらく待っていると不意に特別室の扉が開いた



Tweeen


  「座ったままでいい、疲れているだろう。」

藤堂が伊藤を従え入って来た

  「長官、お付きになったらご連絡いただければお迎えに…」

島が立ち上がろうとしたが力が入らずその場に崩れた。それを太田が支える

  「座って…なにか飲んだか?」

藤堂はテーブルに何もないのを見て“気が利かないな”と言いながら一緒に入って来た伊藤に温かい飲み物を持ってくるように伝え伊藤は相原と眼を合わせた後特別室を出て行った。




  「長官…すみませんでした。独断で発進して…ヤマトは…戻れませんでした…」

島は唇を震わせて涙を流しながらそう告げた

  「今…診察室を回って来た。すでに処置の済んだものは病室へ行ってきた。
   君たちの身柄は私が預かっている。大丈夫だ、何も心配しなくていい。」

藤堂はそう言うと4人を安心させた

  「…辛いと思うが…教えてくれないか、すべてを。」

そこへ伊藤が暖かい飲み物を持って入って来た

  「伊藤さん…」

相原が立ち上がり手伝おうとしたが

  「相原、座ってろ。これは俺が頼まれた仕事だ。疲れただろう…」

伊藤は相原の指導員だったことと仕事ぶりが藤堂に認められ有事の時でユキが不在の時は秘書代わりによく同行させていた

  「ありがとうございます」

相原は伊藤から暖かいコーヒーを受け取った。不意に涙がこぼれる

  「いいから、少し休め…ずっと気を張っていたんだろう?」

伊藤はそう言いながら“お疲れ様でした”と言いながら島と太田と南部にコーヒーを配った

島はコーヒーを受け取るとそれを一度テーブルに置いて自分の荷物を取ってソファーに座った。そしてポータブル端末を二台取り出すと

  「こちらは古代の…艦長代理の航海日誌でこちらは土方艦長の航海日誌です
   土方長官のはゆうなぎの航海日誌の後ヤマトの航海日誌が綴られてます」

そう言って藤堂に渡した。

藤堂はそれを受け取るとまず進の航海日誌を読んだ。伊藤も横に並び一緒に読んでいる

余りじっくり読まずさらりと読むと今度は土方のを読みだした。





  「古代が飛び出すのは分かっていた…しかし島まで行くとはなぁ…ちょっと意外
   だったよ。」

土方の日誌を読み終えて島を見てそうつぶやいた

  「しかしこの中の誰かが欠けてもこの勝利はなかっただろうな…」

藤堂は眼を潤ませている

  「地球防衛軍の中枢は全て総辞職だ。地球の危機を事前に察知できただろう
   調査をしなかった責任を取ってな。」

藤堂は全員の力を抜かせるために最初にそう言った。もう地球防衛軍に敵はいないとそう告げたかったのかもしれない



  「私たちは…勝利したのか…よくわかりません。」

南部がそうつぶやいた

  「古代…艦長がそっと教えてくれました。真田さんと斉藤が最後どんな思いで戦って
   最期を迎えたのか…私はずっとヤマトに残って戦闘指示を出していました。
   私もタイガーに乗って行く、と行ったのですが古代…古代艦長にヤマトを頼む
   と言われ残ってヤマトを大破させないために…古代艦長が戻ってくるために
   耐えました…でもあの超巨大戦艦を見たら茫然としてしまいました。

   もし、テレサがいなかったら…と思うと…」

救命艇からはしっかりテレサが見えていた

  「真田くんは…」

藤堂がそう聞くと南部は

  「土方前艦長が被弾して亡くなる前に私たちに最後の指令を出しました。
   “都市帝国を止めるには内部の動力炉を破壊するしかない”と。そこで
   古代艦長はコスモタイガーに乗り込み自ら先頭を飛び敵の懐へ飛び込み
   ました。」