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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 1

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  「その人選をするとき真田さんと斉藤は自ら志願して古代艦長と一緒に都市帝国へ
   向かいました。おそらくその時には覚悟が出来ていたと思います。古代艦長は
   “敵の懐に飛び込むから帰還は難しい”と伝えていたのに真田さんは“メカの事は
   自分が行かないとだめだろう”と言って一緒に行ったので…」

南部は涙を流しながら言葉を繋ぐ

  「今負傷してる山本が突破口でなんとか都市帝国内部に潜入することが出来て
   突入したが動力炉にたどり着いたのは古代艦長と真田さんと斉藤だけだった
   そうです。…そこで真田さんが“ふたりで行く、艦長は今後の指揮があるから
   戻るように”と言ったそうです。艦長も説得しようとしたが二人は動力炉へ向かい
   強行突破した、との事で一人残された艦長が加藤機で戻ってきましたが…
   ヤマトに戻ってきたらその加藤も…」

南部はなんとかここまで話したがそれから言葉をなくしてしまった

  「結局戻ってこれたのは古代艦長一人だけ…最後ありったけの砲塔を使い都市
   帝国を崩すことに成功しましたがその中からあの巨大戦艦が出現しました。
   古代艦長は全員を下して特攻する事を決意したようですが我々も、と思い直談判
   しましたが反対に説得されて救命艇で退艦させられました。

   ヤマトが発進すると宇宙空間が黄金に光り、その中から女性の声が聞こえました
   その女性はあのメッセージの主でテレザート星のテレサ、と言っていました。その
   航海日誌にあるテレザートのテレサです。

   ヤマトとテレサの相反する力であの巨大戦艦を葬る事ができたんです…

   もし、あの時誰もがメッセージを無視していたら地球もテレザートのように植民地
   となり利用価値がなくなったとき白色彗星の餌食となっていた事でしょう」

太田が南部の言葉を繋いだ

  「…テレサはヤマトの為に?」

藤堂がそう聞くと

  「はい、テレサの声に耳を傾けたのはヤマトだけだったと…この反物質の体が役に
   立ちます、一緒に参りましょう。と聞こえました…」

相原は太田がそう言うと立ち上がり通信記録を持ってきた

  「救命艇の通信記録を勝手に外して持ってきてしまいました。誰かに調べられるの
   だけは避けたかったので」

そう言うと再生機を持って来てそれと自分の端末をつなげてテレサの声を藤堂に聞かせた


  「あのノイズだらけの声と一緒とは思えないほど優しい声の主だな…」

藤堂も感動してるようで目を瞑って聞いていた




  「残り、4人でしたよね?どうぞ診察室が空いています」

4人の診察が回って来たようだったので藤堂は

  「ありがとう…君たちの診察が終わるのを待っているよ。私はここにいるから」

そう言うと伊藤と共に4人を診察室に送り出した




  「伊藤くん、キミはどう思うかね?」
  「はい、やはり初動ミスだと思います。確かにあのメッセージだけで隊列を組んで
   行くのは大げさな事かも知れませんが実際ゆうなぎも襲われているわけですし
   あの時に10隻位で出航すればここまで大事に至らずにすんだかもしれません
   そしてヤマトだけが他の宇宙生命体と闘った事がある戦艦です。そう思うと
   アンドロメダを含むあの海戦もまた違う戦い方があったかもしれません。
   全てが後手後手に回ってしまったのが全ての敗因だと思います。」

伊藤の意見を藤堂は黙って聞いていた

  「しかし私が斉藤とユキを送り出した張本人だ…まさかガミラス以上の敵がこの
   世界にいるとは思わなかった…私の判断が甘かった…」

藤堂は伊藤に“すまん、見なかった事にしてくれ”と言いながら涙を流していた