続 さらば宇宙戦艦ヤマト 2
みんなが散った部屋に一人ぼーっとしてる島の通信機が鳴った
「長官、お疲れさまです」
島が敬礼をすると
「今日はありがとうな。その後アナライザーはどうだ?」
藤堂が尋ねると
「はい、アナライザーの記憶のない部分を根掘り葉掘り聞かれましたみん
なで知ってる話をして先程解散しました。山本も知らない部分が多かったので…」
つらそうな山本の顔を思い出すと島もつらかったが
「…でも誰もが知らないといけない事だと思うので…」
そう言って藤堂の顔を見つめた
「実は記者会見なのだが、急で申し訳ないが明日の午後で頼む、と言ってきたの
だが…大丈夫か?」
藤堂が心配そうに聞いてきた
「…実はその話も出て“多分ニュースが少ないからすぐ出動になるんじゃないか”
って言ってたんです。なので…私達は大丈夫です。」
島がキッパリ言いきると
「…すまんな。君達にはいつまでも苦労をかけてしまうことになる」
藤堂が済まなさそうに言うと
「古代が…私達に“この戦いを伝えてほしい”と言いました。それはこの先同じ
ような事が起きるかもしれない、同じ過ちを繰り返えさないために今後の対応を
しっかりできるように地球防衛軍を変えてほしい、と言うヤツの願望もあると
思います。」
島の言葉に藤堂はうなずくと
「そうだな、同じ過ちは繰り返してはならない…」
藤堂はしみじみそうつぶやいた
「午前10時に記者が来て打ち合わせをしながらそのまま記者会見に移るそうだか
ら…すまんな、体調が悪くなったらすぐ申し出てくれ。君達に合わせるようにして
あるから。」
「長官、ありがとうございます。」
島は素直にお礼を言った
「長官室で…」
藤堂がそう言いながら敬礼したので島も敬礼で返し通信を切った。島はそのまま通信機をメールに変えて
「明日午前10時に長官室に集合」
と入力して送信した
翌日9時50分に全員長官室に集合した
「さすが、時間厳守だな」
秘書室で伊藤がそう言うと長官室に案内した。すでに長官は来ていた
「おはようございます」
みんなが敬礼しながらそう言うと藤堂も“おはよう”と言いながら敬礼した
「これが大体の質問事項だそうだ」
藤堂がソファーを進めながら紙ベースに印刷したものを全員に配った
「これ、正直に答えていいんですか?」
島がざっと見てつぶやいた
「地球の市民が知りたかった事らしい。これにどう答えるか…一応合わせたい、と
思っているが…島は古代が持ち帰ったメッセージを最初に聞いた人間だ。相原は
その受信をした…誰もが最初に思った事を正直に伝えてほしい」
そのペーパーには
1、最初にメッセージを聞いた時の印象
2、そのメッセージを聞いて行こうと思った理由
3、地球防衛軍の対応
4、この戦いの意味
5、これからの地球防衛軍に思う事
が印刷されていた
「正直に答えて構わんぞ。誰も君達を非難する輩はいないからな。」
藤堂が一番気にしてる事を先に言ってくれた
「長官…」(島)
「地球防衛軍は今崩壊の危機でヤマトの廃艦を決めた連中も総辞職しているし…全く
機能していない状態だ。いっそのこと全て…私も含めて上に対して、や、これから
の事、思った通りに話して構わない。イスカンダルへ行って…たくさんの犠牲の上
にこの地球が生きている事を防衛軍の連中は忘れてしまっている。
あの希望も何もかも失っていた地下都市の生活を忘れ物欲が全ての地球に生まれ
変わらせてしまった。これは戒めなくていはいけない。私は時々思うんだよ、もう
駄目だ、と思った時にヤマトからの通信が復活した時の事を…あの日…本当に
生きていてよかった、と思った。初めて自分の子供が生まれた日よりすばらしい
日だった。
その気持ちを忘れずに全員が地球のために働いてくれていたら絶対今回の事も
ヤマトを失わずに済んだのかもしれないしたくさんの犠牲者もでなかったかもし
れない。」
藤堂が一気に語った。伊藤が藤堂の横でうなずいている
「危機管理を常にしなくていはいけないところで…一番水際で止めなくていはいけ
ないところでできなかった…いや、やらなかったんだ。地球防衛軍の意味がそれ
じゃないだろう?」
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 2 作家名:kei