届かなかったラストレター
*本には注意書きはなかったですけど、この御話は大分ぶっ飛んでます。
*1部ジョナサンと4部承太郎がいます。
*ジョナエリと承太郎×モブのような表現が少しあります。
*半ページサイズがA5(A4の半分)
3ページ(表紙合わせて4P)と少ないページに詰め込んだコピ本なのでイロイロめちゃくちゃです。
*誤字脱字が多いです
*****
ハァ…と、深いため息が部屋を占める。
パタン、と研究所に用意されている自分の個室に入った承太郎は溜息をついた。
承太郎がこう溜息をつく内容は、今は“結婚”の一文字だ。
女運があまりなかった承太郎にようやく出来た彼女が、自分との結婚を望んでいる事を知った日から、こうやって承太郎は彼女との結婚を悩んで居た。
彼女はただの一般人であって、承太郎の星の繋がりや、ジョースターが受け継がなければならない、何らかの戦闘がこれから未来に訪れる可能性も含んで居る自分と結婚してしまえば、巻き込まないと断言できなくなってしまう。
更に、子供でもできようものなら、自分の子供を闘いに身を投じて貰わなければなるのだ。
承太郎の子供、だなんて今の自分にはまだ想像もできない。
だが、自分もDIOとの闘いで友を亡くしている。友を亡くした時でさえ、心が引き裂かれる思いだったのに、スタンドを持ち、星の血筋を受け継いだ身としては、世帯を持って巻き込まないと言いきれない心苦しさや、自分の子供だったらどうなってしまうのだろうか、という不安に承太郎は一歩を踏み出せないで居た。
そんな時ゴッ、バサッと本棚から落ちて来た分厚い本を見て承太郎は目を見開いた。
承太郎は自分の研究しているモノを結構大事に扱かっている。そしてここは研究室に置いて貰って居る一室の自室である。此処にあるモノはほぼ研究用の本だ。普段からきちんと本棚に閉まい、必要になった時だけ手に取る本は殆ど手を出す事はないとはいえ、中途半端に入れて置いたりはしない。
それなのに本が落ちた事に、考え込んで居た事もあって驚いたのだった。
(何の本だ?)
落ちた本を手にとってみれば、ページ数は定規で計ってはないものの4,5センチくらいありそうだった。
(こんな本持って居たか?)
承太郎も不思議に思うくらい、古い本だった。
中身を見て見れば、研究材料とはあまり関係ない本で、承太郎は更に首を傾げた。
自分の本棚に入れていたかも不思議なほどに記憶のない、手元にある本に目を気紛れに目を落とした。
「………」
ぺラ…と一枚開くと、なんだか古いイギリスの物語のようだった。
少しばかり古い文字で書かれて居たので、古すぎて少し辞書が必要になりそうだな、というのにも気にもなる。
その前に気になるのは、何故かこの本の表紙にも裏表紙にも少しだけ黒いモノが付着していた。最初はインクか何かかと気にも留めていない、その読んだこともないと記憶する本のページを1枚開く。
気紛れに読むはずだったが、意外にこの物語りが“結婚”で悩んでいた承太郎の気を紛らわせてくれるくらい、本としての使命を果たしてくれるような、惹かれるモノがあった。
暫くその本に夢中になって次に顔を上げた時には既に夕刻になっていた。
昼休憩の一時の時間で少し読むつもりだったのだが、普通にやらなければならない仕事さえ自室で本を読んで時間を潰してしまったのだ。
慌てて仕事場に戻れば、他の研究員が『疲れていたんですね』と苦笑いをして気遣ってくれるのを見て、申し訳ない気にさせるのだった。
(明日からは数ページに区切ろう)
それからだ。
栞を挟んでその本を数分の休憩の合間に読む様になったのは。
そして、珍しく物語りの本を読むということをあまりないしない承太郎に、もう一つの転機が訪れたのはその本を読んで3日目の事だった。
明らかに自分が挟んだものではない栞の代わりのような上品な紙と、自分が挟んだ栞が二枚挟まっていたのだ。
しかも、承太郎が挟んだ訳ではない栞には、明らかにその栞の持ち主が書いたと解るような走り書きの文字で、読んでみれば何ら意味はない一言で――…
【今日はいい天気だ。彼に見つからないといいな】
と、書かれてあった。
走り書きだ。恐らく男の文字。
それを見て、初めて承太郎は今日の空を窓から見上げた。
(ああ、確かにいい天気だ――…)
天気なんて気にしたのは久々だ…と、最近は忙しさと悩みで頭がいっぱいになっていてそんな事も目に入らなかった。
現段階の普段の余裕のない自分に情けなさを覚えて、承太郎は苦笑を溢した。
その栞代わりの紙を挟んだ相手が【彼に見つからないといいな】と、願い事のように書かれているのを見て、承太郎は自分を指しているのだなっと、再び苦笑した。
承太郎は潔癖症ではない。
誰かが触れて垢がついたとしても、体外でなければ対して気にしたりはしない。それでなくてもこの本は結構来たない部類に入る表紙をしている。断ってくれれば貸す事も可能なのだ。自分でも手元に会ったことさえ覚えていない本なのだから。
それとも本が承太郎個人の研究部屋にあった本だから気にしているのだろうか。
(律儀、だな)
簡易に考えならが本日の休憩はその挟まっていた紙があった所まで、と承太郎は本を机に置き、仕事場に戻った。
***
また再び本を開くと栞代わりに挟んだ紙は移動としていた。
紙を挟んだ誰かが読んだのだろうと、承太郎は特に気にすることなく自分が読む為、挟んで居た栞のページを開いて椅子に座った。
昼の休憩時間は大体1時間だ。
その1時間で昼食を取りながら本を読み耽って時計を見て見れば、そろそろ休憩時間も終わりか…と、栞を次のページに開くと、そこには前回見た上質な紙がそこには挟まっていた。
その紙には前回のコメントはなく、違う紙であることがわかった。
そしてそこにはまた違う一言が書かれてあった。
それは本当に一言だった。
【家の花壇の花が実をつけた。いつ咲くかな?】
【今日は試合だ。勝って父に喜んでもらおう】
【紅茶にチョコレート入れたら『貴様の舌はどうなっている!』と彼に言われてしまった。おかしいのかな?】
【最近骨が軋む事がなくなってきた。成長期は終わりかな】
などなど。
その日の、何らかの感想が一言が書かれているのを承太郎は暖かい目で本を読むのと一緒にそれも読むのが日課になっていった。
そして今日も、その紙は挟まれてあった、
見て見るといつものように一言ではなく、少し長い文章で一言書かれていた。
珍しいなと、思いつつ承太郎はそれを読んだ。
【“受け継がれれば永遠”。僕はこの言葉が好きみたいだ。とても深い意味を持って居ると思う。また彼にバカにされるかな?】
それは、この本の内容の一部に記入されていた言葉だった。
書いて行を読んで、この文字の持ち主は“彼”にばれないよう此処で呟いたのだろう。
受け継がれれば永遠…確かにこの言葉はDIOと闘いに身を置いてきた者として、それはよくわかる。個の永遠などではなく、受け継がれる魂が繋がって途絶える事なければ、星の血族は永遠だ。
承太郎もその受け継いだ一人だ。
*1部ジョナサンと4部承太郎がいます。
*ジョナエリと承太郎×モブのような表現が少しあります。
*半ページサイズがA5(A4の半分)
3ページ(表紙合わせて4P)と少ないページに詰め込んだコピ本なのでイロイロめちゃくちゃです。
*誤字脱字が多いです
*****
ハァ…と、深いため息が部屋を占める。
パタン、と研究所に用意されている自分の個室に入った承太郎は溜息をついた。
承太郎がこう溜息をつく内容は、今は“結婚”の一文字だ。
女運があまりなかった承太郎にようやく出来た彼女が、自分との結婚を望んでいる事を知った日から、こうやって承太郎は彼女との結婚を悩んで居た。
彼女はただの一般人であって、承太郎の星の繋がりや、ジョースターが受け継がなければならない、何らかの戦闘がこれから未来に訪れる可能性も含んで居る自分と結婚してしまえば、巻き込まないと断言できなくなってしまう。
更に、子供でもできようものなら、自分の子供を闘いに身を投じて貰わなければなるのだ。
承太郎の子供、だなんて今の自分にはまだ想像もできない。
だが、自分もDIOとの闘いで友を亡くしている。友を亡くした時でさえ、心が引き裂かれる思いだったのに、スタンドを持ち、星の血筋を受け継いだ身としては、世帯を持って巻き込まないと言いきれない心苦しさや、自分の子供だったらどうなってしまうのだろうか、という不安に承太郎は一歩を踏み出せないで居た。
そんな時ゴッ、バサッと本棚から落ちて来た分厚い本を見て承太郎は目を見開いた。
承太郎は自分の研究しているモノを結構大事に扱かっている。そしてここは研究室に置いて貰って居る一室の自室である。此処にあるモノはほぼ研究用の本だ。普段からきちんと本棚に閉まい、必要になった時だけ手に取る本は殆ど手を出す事はないとはいえ、中途半端に入れて置いたりはしない。
それなのに本が落ちた事に、考え込んで居た事もあって驚いたのだった。
(何の本だ?)
落ちた本を手にとってみれば、ページ数は定規で計ってはないものの4,5センチくらいありそうだった。
(こんな本持って居たか?)
承太郎も不思議に思うくらい、古い本だった。
中身を見て見れば、研究材料とはあまり関係ない本で、承太郎は更に首を傾げた。
自分の本棚に入れていたかも不思議なほどに記憶のない、手元にある本に目を気紛れに目を落とした。
「………」
ぺラ…と一枚開くと、なんだか古いイギリスの物語のようだった。
少しばかり古い文字で書かれて居たので、古すぎて少し辞書が必要になりそうだな、というのにも気にもなる。
その前に気になるのは、何故かこの本の表紙にも裏表紙にも少しだけ黒いモノが付着していた。最初はインクか何かかと気にも留めていない、その読んだこともないと記憶する本のページを1枚開く。
気紛れに読むはずだったが、意外にこの物語りが“結婚”で悩んでいた承太郎の気を紛らわせてくれるくらい、本としての使命を果たしてくれるような、惹かれるモノがあった。
暫くその本に夢中になって次に顔を上げた時には既に夕刻になっていた。
昼休憩の一時の時間で少し読むつもりだったのだが、普通にやらなければならない仕事さえ自室で本を読んで時間を潰してしまったのだ。
慌てて仕事場に戻れば、他の研究員が『疲れていたんですね』と苦笑いをして気遣ってくれるのを見て、申し訳ない気にさせるのだった。
(明日からは数ページに区切ろう)
それからだ。
栞を挟んでその本を数分の休憩の合間に読む様になったのは。
そして、珍しく物語りの本を読むということをあまりないしない承太郎に、もう一つの転機が訪れたのはその本を読んで3日目の事だった。
明らかに自分が挟んだものではない栞の代わりのような上品な紙と、自分が挟んだ栞が二枚挟まっていたのだ。
しかも、承太郎が挟んだ訳ではない栞には、明らかにその栞の持ち主が書いたと解るような走り書きの文字で、読んでみれば何ら意味はない一言で――…
【今日はいい天気だ。彼に見つからないといいな】
と、書かれてあった。
走り書きだ。恐らく男の文字。
それを見て、初めて承太郎は今日の空を窓から見上げた。
(ああ、確かにいい天気だ――…)
天気なんて気にしたのは久々だ…と、最近は忙しさと悩みで頭がいっぱいになっていてそんな事も目に入らなかった。
現段階の普段の余裕のない自分に情けなさを覚えて、承太郎は苦笑を溢した。
その栞代わりの紙を挟んだ相手が【彼に見つからないといいな】と、願い事のように書かれているのを見て、承太郎は自分を指しているのだなっと、再び苦笑した。
承太郎は潔癖症ではない。
誰かが触れて垢がついたとしても、体外でなければ対して気にしたりはしない。それでなくてもこの本は結構来たない部類に入る表紙をしている。断ってくれれば貸す事も可能なのだ。自分でも手元に会ったことさえ覚えていない本なのだから。
それとも本が承太郎個人の研究部屋にあった本だから気にしているのだろうか。
(律儀、だな)
簡易に考えならが本日の休憩はその挟まっていた紙があった所まで、と承太郎は本を机に置き、仕事場に戻った。
***
また再び本を開くと栞代わりに挟んだ紙は移動としていた。
紙を挟んだ誰かが読んだのだろうと、承太郎は特に気にすることなく自分が読む為、挟んで居た栞のページを開いて椅子に座った。
昼の休憩時間は大体1時間だ。
その1時間で昼食を取りながら本を読み耽って時計を見て見れば、そろそろ休憩時間も終わりか…と、栞を次のページに開くと、そこには前回見た上質な紙がそこには挟まっていた。
その紙には前回のコメントはなく、違う紙であることがわかった。
そしてそこにはまた違う一言が書かれてあった。
それは本当に一言だった。
【家の花壇の花が実をつけた。いつ咲くかな?】
【今日は試合だ。勝って父に喜んでもらおう】
【紅茶にチョコレート入れたら『貴様の舌はどうなっている!』と彼に言われてしまった。おかしいのかな?】
【最近骨が軋む事がなくなってきた。成長期は終わりかな】
などなど。
その日の、何らかの感想が一言が書かれているのを承太郎は暖かい目で本を読むのと一緒にそれも読むのが日課になっていった。
そして今日も、その紙は挟まれてあった、
見て見るといつものように一言ではなく、少し長い文章で一言書かれていた。
珍しいなと、思いつつ承太郎はそれを読んだ。
【“受け継がれれば永遠”。僕はこの言葉が好きみたいだ。とても深い意味を持って居ると思う。また彼にバカにされるかな?】
それは、この本の内容の一部に記入されていた言葉だった。
書いて行を読んで、この文字の持ち主は“彼”にばれないよう此処で呟いたのだろう。
受け継がれれば永遠…確かにこの言葉はDIOと闘いに身を置いてきた者として、それはよくわかる。個の永遠などではなく、受け継がれる魂が繋がって途絶える事なければ、星の血族は永遠だ。
承太郎もその受け継いだ一人だ。
作品名:届かなかったラストレター 作家名:ちょめっ斗