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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 9

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<故郷 Ⅱ>
  「これが…叔父様…そしてユキさん…。」

サーシアがそっとレリーフに手を乗せて目を閉じると

  「暖かい…暖かい気持ちが流れてくるわ…なんだか私まで幸せな気持ちに
   なってくる…」

しばらくそのままでいたサーシアは急に目を開いてテレサを見た。視線をそらさずそのまま立ち上がりテレサの方へ歩き出した

  「テレサさん…」

サーシアは吸い込まれるようにテレサの手を握り自分の額もテレサの手に当てた

  







  〈サーシアさん…私がわかりますか?〉
  (テレサさん、ですよね?とても強い意識を感じます。)
  〈そうですか、気分は大丈夫ですか?〉
  (えぇ、不思議と…母とは違う…でもなにか大きく包まれる感じがします。)
  〈ありがとう…。〉
  (テレサさん、地球を…)
  〈えぇ…そのためにヤマトを…〉
  (仕方なかったのよね?)
  〈えぇ…あの時はあぁするしかなかったわ。〉
  (あの瞬間…叔父様は苦しまなかったのかしら?)
  〈あの瞬間まで古代さんはユキさんの亡骸を隣に座らせてそっと抱きしめて…
   最期の瞬間まで古代さんはユキさんと一緒でした。二人は私の中でいつも
   一緒です。安心して…と言ってもユキさんと時々お話してるでしょう?〉
  (はい。)
  〈ユキさんはとても不思議な方…周りにいる人が一緒にいるだけで幸せになれる
   私とは違う力を持つ素晴らしい方だわ。最後まで…生きてほしかった…。〉
  (私も生きてるユキさんとお話ししたかったわ。)
  〈全て…ズォーダーの計画でした。この宇宙の美しいものを一人占めしたかっ
   たのとこの宇宙の全てを手にしたかった…ただその野望のために幸せなふたり
   が不幸にも巻き込まれてしまった…私の力がもっと強ければ…〉
  (テレサさんは何も悪くありません。私の体の半分の故郷の地球を命がけで
   護ってくれました。なんとお礼を言ったらいいかわかりません。)
  〈でもそれはあなたのおばさまも…〉
  (えぇ…そうですね。だから私もここで地球を守る仕事に就きたいと思っています。
   地球人として半人前かもしれませんが地球を救ったイスカンダル人の血が半分
   流れている事を誇りに思って生きて行こうと思っています。)
  〈素晴らしい事だわ…サーシアさん。ずっと応援するわ。時々…こうして話しかけ
   てくれるかしら?〉
  (もちろんよ。お話できてよかったわ。)
  〈私も。ねぇあなたのまわりには幸せがいっぱいあるわ。思ったように生きて…
   それがあなたのご両親と叔父様とユキさんの希望でもあるわ。〉
  (思ったように?)
  〈そう、自分に正直に生きて…迷ったらここへ来るといいわ。きっと落ち着くはず。〉
  (わかったわ…テレサさん。)




ふとサーシアの足元がふらついた。島はずっとその姿を見ていたがハッと我に帰りそっと肩を支えた

  「…ごめんなさい。」(サーシア)
  「大丈夫か?」(島)
  「大丈夫…。テレサさんの気持ちが流れてきたわ。とても素晴らしい方…
   まるでお母様のように包まれる感じだった…。」(サーシア)
  「そうか。」(島)
  「テレサさんが“ズォーダーの野望”のために戦った、ってでも自分の力が
   強ければ…って後悔されてるわ。だから私の体の半分の故郷の地球を
   護ってくれてありがとう、ってお礼を言ったの。」(サーシア)
  「そうか」(島)
  「そしてね、自分に正直に生きなさい、って。それがみんなの希望だって。」

サーシアは島を真っすぐ見てそう言った

  「私…おばあちゃん、大好き。」(サーシア)
  「そうか」(島)
  「藤堂長官も大好き」(サーシア)
  「そうか」(島)
  「でも…私、地球を守る仕事がしたい…だから、行くわ。」

迷いのない目だった

  「私は地球で自分の生きる道を見つける……!」

島は思わずサーシアを抱きしめた

  「古代家の人間は抱え込んで一人で頑張る習性があるから…誓ってほしい。
   なにかあったらすぐ連絡する事。俺が地球にいないときは相原でも太田でも
   誰でもいいからヤマトの乗組員を頼ってほしい。サーシアには味方がたくさん
   いる事を忘れないで…。」

サーシアは突然の事で慌てたが島の暖かい胸にで安心したのかそっとうなずいた



作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 9 作家名:kei