タイトル未定③
ーーーーーーー新しい力、私の行く道。ーーーーー
【リレアさん。本日の午後より戦技指導をトレーニングルームで行います。
それまでに一度クロノ執務官と訓練のシュミレーション、プランを立てといてください。】
朝一番でデバイスを起動した私にリンディー提督からメールが入っていた。
クロノ執務官に時間の確認の連絡入れておこう。
予定より早く着いたものの、もうはやクロノは待っていた。
「クロノ執務官。遅れてすみません。」私はついて早々謝っていた。
「大丈夫だ。僕のほうの用事が思ったより早く済んだだけだから気にしなくて良いよ。それとクロノでいい。」
軽く微笑みながら私を迎えてくれた。
(やはりこのくらいの人でなければ執務官クラスにはなれないのだろうか。)[マスターしだいですよ。どうしたいか決めるのはマスター自身です。]
エストに話しかけながら、私は話を続けた。
「今日の13時より高町なのは、フェイト・テスタロッサ、両名の戦技指導を行うにあたり、カートリッジの使用タイミングを私とあなたで実践にて教えたいと思うのだがどうだろう?
私はもともとカートリッジ式なので大丈夫なのだが、クロノ君。大丈夫?」私は彼の魔力と資質を実体験していない。
さすがにいきなりは・・・・。
「大丈夫。伊達に執務官はしていないさ。」そう言いながら彼は自身のデバイスをそっと撫でた。
「本日、戦技指導をさせていただくリレアと」「クロノだ。」
私たちはトレーニングルームに集合し、練習を始めた。
「リレアちゃんとクロノくんが戦技指導してくれるの?」なのはは目をキラキラさせながらやってきた。
「クロノ君にはまずはなのはと軽く模擬戦をやっていてもらいたい。体を動かすためにね。それでフェイトは私と一緒にまずはロードのタイミングと使用方法の実践をしようと思う。」
私はエストを操作しエストと考えた実践プログラムを起動しデータを2人に送った。
私は模擬戦を始める前にクロノにちょっとした自己ブーストを掛けた。出力としてはカートリッジ2本分。これでちょっとやそっとではシールドは抜けないだろう。
私のほうはカートリッジによる自己ブースト、バリアジャケットもあるから大丈夫だろう。
(まずは、フェイトの出方を見るか。)私はエストを“起動”した。
「カートリッジ、ロード!」[ロード・カートリッジ]私とフェイトはほぼ同時に叫んだ。
そういうと私は一気にフェイトから距離をとった。
「まずは・・・・・。一番自分が使う状態で振ってみて。」私はフェイトにそう叫んだ。
フェイトのことだおそらく“アサルト”か“ハーケン”かだろう。
「わかった。行くね。」そういうと一気に距離を詰めてきた。
(やっぱりか。戦闘中に“ハーケン”に変更ってとこだろうな。エスト、ランサーフォーム。)[了解。ランサーフォーム]
さすがにいきなりぶっ飛ばすわけには・・・。
私はカウンターの構えでタイミングを待った。
(先走りすぎてるな。一手先に突っ込むか。やれるなエスト。)私はエストに話しかけた。
「そこだ!」私は距離を詰めていたフェイトにランスを振った。
フェイトは軽く呻きながら距離をとった。
「さすがに一筋縄ではいかないね。さすがリレアとエストだ。」そう言いながらフェイトはカートリッジをロードしながらハーケンモードをとった。
私はエストの魔力フィールドを少し上げた。
(消費は激しいがこれくらいしないと抜けてくるな。)私は内心冷や冷やしていた。あの赤服ほどではないもののかなりの威力がある。
シールドだけなら抜けていただろう。あの速さもかなり厄介だ。
私はエストのモードをボウガンサイズに変更し、手の平サイズのナイフを数本まとめて出した。
「一気に・・・行くよ!」[了解]
私は小型のナイフをフェイトに向かって投げた。
フェイトは私の投げた数本のナイフをシールドを使用し弾き返した。これまでは予測通りだ。
「“サイレントクロス”!クロスシュート!」
シールドによってはじかれたナイフと追加で投擲した数十本ものナイフが一気にフェイトのほうに向かって発射された。
さすがのフェイトも防ぎ切れなかったみたいだ。
一旦私は戦闘を止めた。
「フェイト、何発か当たっていたけど大丈夫?」私はそう言いながら治癒魔法を詠唱しながら近くまで行った。
傷は軽症だったためすぐに治療は終わった。
「さっきの攻撃は滅多にしない奥の手だったのだけど、流石、よく防いだね。
さっきのはタイミング的にはシールド前にロード、攻撃をそらしながらソニックムーブの使用。
さっきの攻撃のタイミング的にはぎりぎり間に合うから。
もう一回間合いの攻撃をしてみるからやってみて。」そう言いながら私はフェイトにカートリッジを渡し、距離をとった。
そのころなのははクロノ君と戦闘を行っていた。
流石、クロノ君。適度に回避しながら的確に防御していた。
なのはもなのはで、的確に回避と防御を行っていた。
(一回休憩を挟むかな。この交戦がわったらね!)
「さて、気合入れていくよ!エスト!」私は愛機に話しかけながら距離を詰めた。
今回はランサーではなく“サイレントクロス”を二本取り出し両手で持ち接近した。
(さて、どう来るか。)私はあらゆるパターンを想像しながらナイフを握り直した。
カウンターに比べタイミングは私が握っている。
後は・・・・。
「タイミングしだいだよね!」そう言いながら私はフェイトに向かってナイフを振った。
[ロード・カートリッジ]バルディッシュの声が飛ぶ。
その瞬間ガードをすり抜けて私の背後に気配が迫った。
「チェックメイト・・・だね。」ハーケンを突きつけながらフェイトの声が背後から聞こえた。
「エスト、評価すれば何点?」
私はエストに今の動きの評価を求めた。
[およそ80点です。合格点はもちろん超えてます。]そう言いながらエストはフェイトの治療を始めた。
「よかったよフェイト。動き、防御ともに問題なし。今後の課題はロードのタイミングを自分のものにする。そこが今後の課題かな。」
フェイトに追加分のカートリッジを渡し、一旦休憩を取った。
後半はなのはを見ることになっていた。なのはの場合ロングレンジの破壊力に関しては問題ない。
今回の課題は“ACSドライブ”を使用するに当たってどのタイミングで持っていくかの指導だ。
もちろん先のクロノくんとの戦闘経験も生かしてもらうことにしようと思う。
「クロノ君、君から見てなのはは何点ぐらいだった?」
「かなりの点数があげれそうだ。ただまだ慣れていないのかして、動きに少し遅れが生じることがあるが基本的には問題ない。」
(流石だな。あの戦闘だけでここまで分析してきてる。)
「そうなんだ。今後の問題は慣れっていうところかな?クロノ君。」
私は彼に同意を求め、彼もそれに頷いた。
休憩が終わりなのはの戦技を見ることになった。
やはり彼女の火力は計り知れないものがある。
(こっちも全力を出さないと負ちゃいそうだな。)
私は“バリアジャケット”と武装の自己ブーストをかけた。もちろん大怪我をさせない程度に、だ。
「なのは、君もよく使う状態で向かってきて!」
フェイトのときとは距離感もスピードも違う。