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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 10

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  「今頃どの辺りを航行してるかしら…」

スターシアが眠りに入ったミオをそっとベッドに下ろしながらつぶやいた

  「…そろそろマゼランを後にするころじゃないか?」

守はソファーにゆったり座って夜空に浮かぶガミラスを見ていた

  「あの子は…どうするつもりなのかしら?」

スターシアの視線の先には気持ちよさそうに眠るミオがいる

  「大丈夫だよ…俺とキミの娘だ…」

守がそう言うとスターシアは守の横に座って“そうね”と返事をした















  「帰ったらすぐ試験だわ。これで進路が決定するのよ。ちゃんと勉強しないと
   訓練学校に特待生として行けなくなっちゃうの。」

サーシアは南部と食事を取っていた

  「へぇ…今は特待なんてあるんだ。」(南部)
  「えぇ、なんでも優先的に進路を決める事が出来るんですって。でも自分が
   なにに向いてるいるか分からないけど最初に教えてもらったレーダーの
   仕事も面白いし太田さんの仕事も手伝ってると面白いし…でも新米さんの
   お手伝いも面白いのよね…なかなか一つに決められないわ!」

サーシアが楽しそうに話すのを南部は楽しそうに聞いていた

  「南部さん達の時はどうだったの?」

急に話を振られちょっと驚いた南部だったが

  「俺はね…最初に目標があったんだ。」(南部)
  「目標?」(サーシア)
  「そう。」(南部)
  「その目標ってなに?」

サーシアが身を乗り出して聞いてきた

  「えっとね…結局その目標はクリアー出来なかったんだよね。多分、一生
   クリアーできないと思ってる」(南部)
  「え?南部さんに出来ない事なんてないと思うけどなぁ?あ~ますます
   知りたくなってきちゃった!ねぇ教えて?」

サーシアが両手を前に合わせて南部にお願いポーズを取った。その姿がかわいらしくて南部は苦笑いした

  「サーシアちゃんはお願い上手だな。ハハハ、実はさ“一番”になる事
   だったんだよ。訓練生のTOPにね。訓練生を卒業したら誰よりも早く
   戦艦に配置されてその砲手の中でもTOPになろうと…それを目標に
   していたんだ。」

南部が少し遠い目になる

  「え?それって遠くない将来に叶えられそうじゃない?」

サーシアは南部がその地位にどれだけ近いところにいるか知っている
 
  「そうだね…今はそうかもしれない…だけど一生かかっても抜けないヤツが
   一人…ね。」

寂しそうに笑う南部を見てサーシアは気付いた

  「…おじさまの事?」(サーシア)
  「…そう。あいつにだけは何一つ敵わなかった…あいつは俺の事何とも
   思ってないかもしれないけど俺にとってはライバルだった。いつか抜
   いてやろうと…思っていたけど…ヤマトに乗ったらそんな気持ちどこかに
   飛んで行ってたよ。」(南部)
  「南部さん…」(サーシア)
  「俺とあいつはいつも繋がってた。あいつが艦載機に乗っていてもいつも
   繋がっていたんだ…。そしたら“一番”なんてどうでもよくなってね…。
   あの時一番になりたかったから古代の仲間になれたんだろうなって思って
   るんだ。」

サーシアは黙って聞いていた

  「多分古代にかかわったヤツ…まぁ俺らだよね。俺らは古代がいたから
   頑張れたんだよ。あいつ何でも一生懸命なんだ。その辺りサーシアちゃん
   と同じだね。」

サーシアはいきなり自分に振られてちょっと驚いた

  「見てて分かるよ。全く違う文化の地球で頑張ってる姿を見るとやっぱり
   古代家の血を引いてるんだなって…ね。」(南部)
  「私とおじさま…似てるの?」(サーシア)
  「見た目は全く似てないよ。中身、だよ。中身!あ、これほめ言葉だから
   ね?相原に聞いたんだけどあいつ体の調子が悪い時も必死に頑張ってた
   らしい。それで倒れちゃうのはどうよ、って思うけど…頑張ると周りが
   見えなくなっちゃうんだろうな…そんなヤツにかなうわけないだろう?」

南部はそう言うとにっこり笑った



















作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 10 作家名:kei