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激ニブ星の恋人?

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温泉から出たあと、桂と銀時は夕餉を食べに行った。
この旅館では部屋で夕食はとらないらしい。
仲居から聞いていた場所に行き、豪華な夕食に舌鼓を打った。
それから、部屋に帰る。
帰ってみると。
居間が寝室に様変わりしてました。
うん、旅館ではよくあることだ。
そう桂は思った。
別にめずらしいことじゃない。
しかし。
畳に布団が二組敷かれている。
自分たちはふたりなのだから、あたりまえだ。
しかし。
その二組の布団がぴったり寄り添っている。
別にめずらしいことじゃない。
だが、なんだろうこの妙な感覚……。
ふいに、コスプレ大会で自分が白無垢姿で銀時と結婚式のパフォーマンスをしたことを思い出した。
いや、あれはただのパフォーマンスだ。
しかし、あのあと、副賞の旅行を銀時と一緒に行くよう鬼兵隊メンバーに迫られた際、高杉から新婚旅行に行けと言われたことも、
新婚旅行、という言葉が脳裏に強く響き渡る。
眼のまえにある寄り添った二組の布団が、なんだか生々しく感じる。
これって。
もしかして。
もしかしなくても。
初夜なのか……!?
いや、でも、あれはパフォーマンスであって、実際に結婚したわけではない。
だが、自分たちは(一応)恋人同士だ。
そして、自分は、パフォーマンスとはいえ、白無垢姿で花嫁を務めたのだ。
それでもって、温泉旅館の一室で、夜で、布団だ。
なんだこの状況は。
どうしたらいいんだ……!?
桂は頭をかかえ、苦悩する。
「オイ」
声をかけられた。
ぎくっとする。
「おめーの考えてること、丸わかりなんだけど。つーか、頭をかかえて踊るのはやめろ」
ぶっきらぼうに銀時は言った。
桂は銀時を見る。
一瞬、眼が合った。
しかし、銀時が眼をそらした。
「何十年でも待つって言っただろ、テメーがその気にならねェ限り、する気はねーよ。それに、今日は疲れた。さっさと寝るぞ」
そう言って、布団のほうへと歩いていく。
だから、桂は空いている布団のほうへ行った。
銀時は宣言したとおり、寝ようとしている。
それを見て、桂は銀時のほうに近づいた。
「な、なんだ……?」
なぜか銀時は狼狽した。
かまわず、桂は告げる。
「俺が入れるほうなら、そんなに待たなくてもいいかもしれんぞ」
あくまでも、真剣である。
銀時の眼が点になった。
「……そんなの、そもそも待ってねーよ」
あきれたように言い返してきた。
さらに。
「さっきも言ったが、俺ァ、何十年でも待つし、どーしてもダメだってのならしかたねェ。ナシでもいい」
そう続けながら、手を伸ばしてくる。
指が頬に触れた。
「オメーが一緒にいてくれるなら、それでいい」
至近距離で、告げた。

作品名:激ニブ星の恋人? 作家名:hujio