激ニブ星の恋人?
銀時が食い入るように見ている。
その口が開かれる。
「嘘みてェ」
「はぁ?」
「……夢を見てるんじゃねェかって思う」
そう言いながら、身を寄せてくる。
その手が伸ばされてくる。
頬に、触れた。
「夢じゃねェよな、これ」
問われる。
「ああ」
答えた直後、ふっと笑ってしまった。
夢を見ているのかと思うほど待ち望んでいたことなのか。
そう思うと、笑ってしまった。
おかしい。
それに、なんだか、くすぐったいような気がした。
妙に、嬉しい。
顔が寄せられてくる。
一瞬にして、距離が無くなる。
唇にやわらかなものが押しあてられたのを感じる。
それを受け止める。
上昇するのは体温だけではなくて。
気持ちも。
好きだ。
そう思う。
感情が高ぶってくる。
自分でもどうかしていると思うほど。
わけがわからなくなるほど。
「……こういうことは、この先、俺だけにしてくれ」
心が乱れて理性なんてまるで働かない状態で、口走る。
「わかった」
その腕に抱かれる。
「てゆーか、あたりめェだろ」
すぐそばで告げられた。
そして、抱きしめられる。
伝わってくる温もりが気持ちいい。
愛情を感じる。
ああ。
好きだ。
心の底からそう思う。
自然に手が動き、銀時の身体へとやる。
こうしていて、嬉しい、幸せだと思った。
自分の中でなにかが溶けていくように感じる。
しばらくして、銀時が軽く身を退いた。
だから、そちらのほうにやっていた手をおろす。
少し距離が空いた。
「……してもいいか」
間近で銀時が問いかけた。
なにを。
そう問い返すほど、ニブくはない。
ためらいはある。
けれども。
「かまわん」
その気持ちを完全に押しやって、告げた。