二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

激ニブ星の恋人?

INDEX|77ページ/87ページ|

次のページ前のページ
 

だが。
玄関のほうから物音が聞こえてきた。
強風が吹きつけてくる音、ではない。
「……マジかよ」
だれかが玄関の戸を開けようとしている音だ。
「無視してェェェ……!」
銀時は叫んだ。
しかし、無視できるわけがない。
というよりも、桂がすでに銀時の身体の下からいなくなっていた。
銀時は桂のほうに眼をやった。
桂は真剣な表情で刀を手にしている。
敵襲ではないかと警戒しているのだろう。
刀身は鞘から抜かれてはいないものの、いざとなったら瞬時に抜くつもりなのだ。
部屋の空気がピリピリと緊張している。
さっきまでとは雰囲気が一変してしまった。
もう取りもどせない。
玄関から歩いてくる足音がどんどん大きくなる。
この部屋へとやってきた。
部屋の障子が勢いよく開けられた。
廊下に立っていたのは。
「エリザベス……!」
桂が驚いた表情で名を呼んだ。
「どうしたんだ一体、今夜はクリスマスデートではなかったのか!?」
刀をあっさりと畳に置いて、エリザベスのほうに駆け寄る。
エリザベスは眼をそらし、うつむいた。
その身体からは、なんだか寂しげなオーラが漂っている。
桂はエリザベスのそばで立ち止まった。
「……そうか」
なにかを察したらしい。
「まあ、心の行き違いというのはよくあることだ」
いつもは激ニブのくせに。
そんな銀時の内心のツッコミについては、もちろん、桂は察しない。
「寒い中を帰ってきたのだから、身体が冷えきってしまっただろう。風呂にでも入って、暖まれ」
桂はエリザベスをうながした。
そして、エリザベスとともに居間から出ていった。
銀時はひとり残される。
「……むしろ、俺が無視されたじゃねェか」
ボソッと文句を言った。
しかし。
それでも、銀時はふっと笑う。
また邪魔が入って、一線を越えられなかった。
だが、邪魔が入るまでのことを思うと。
桂の告げたことが、頭によみがえった。
「まァ、そんなに悪くねークリスマスだな」
銀時は軽い調子でつぶやいた。







作品名:激ニブ星の恋人? 作家名:hujio