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激ニブ星の恋人?

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「明日、か」
桂は銀時をじっと見る。
「明日になれば、おまえはチョコレートはもういらないと思うかもしれんぞ」
「はァ?」
「俺以外から、たくさんもらえるだろうからな」
「んなワケねーだろ」
「いいや。リーダーがおまえに贈るチョコレートを手作りすると言っていた」
「神楽がか」
それは嬉しいような、嬉しくないような。
恋愛感情がないものとはいえ、チョコレートを贈られるのは、素直に嬉しい。
だが、手作りとなると……。
出来が心配である。
「ああ。お妙殿と一緒に作ると言っていたぞ」
「なんだと……!?」
それはもう心配どころではない。
確実にヤバいブツになるはずだ。
「お妙殿も、おまえに手作りのチョコレートを贈るだろうから、これで二個だ」
桂は銀時の動揺に気づいていないようだ。
「さらに、お登勢殿の店にいるたま殿も、おまえに贈るチョコレート作りの会に参加するらしい。日頃お世話になっているお礼として、とな」
これは意外だし、たまならちゃんとしたものを作りそうだとも思った。
しかし、桂の話には続きがあった。
「チョコレートには、たま殿の好物を混ぜるそうだ」
「……アイツの好物はオイルなんだが」
低い声で銀時は言う。
つい想像してしまっていた。
オイル入りのチョコレート。
なんだか、口の中がオイルまみれになったような気がする。
だが、今はまだ、それは想像でしかない。
けれども、明日には、それが現実になるのだろう。
それは避けたい。
神楽とお妙が笑顔でさしだしてくるだろう危険なブツも含めて、だ。
「これから、俺ァ、旅に出ることにするわ」
沈痛な面持ちで銀時は立ちあがった。
「待て」
桂に止められた。
「おまえは娘たちの真心を受け取ってやらぬ気か」
その眼は銀時をとがめている。
銀時はその眼を見返す。
「あのなー、受け取るだけなら別にいいんだよ。受け取ったあと、それを食わなきゃならねーだろ」
「あたりまえだ」
「それが食えるもんならいい。ちょっと味が悪いぐらいなら、いい。だが、アイツらが作るのはチョコじゃねェ、危険物だ」
「それでも男たるもの、食わねばならん」
「ソレ、自分のことじゃねェから言えるんだろ」
「……明日、おまえが贈られたチョコレートをすべて受け取って食べたら、俺はちゃんと本命チョコを用意して、おまえに贈ってやる」
そう桂が提案してきた。
「え」
旅に出ると堅く決めていた銀時の心が、あっさり、揺らいだ。
作品名:激ニブ星の恋人? 作家名:hujio