a-o-wのボツ作品集
『MAGICA feat. DECADE ～狭間の物語～』
「お前がこの物語を完結させるためには、足りない物がある」
お前には…「絆」が足りない。
−−−−崩れ落ちたビル…荒れ果てた地…どこまでも広がる闇…
長い黒の髪をなびかせた少女の目の前に、桃色の髪色をした少女が倒れていた。
その桃色の髪の少女の右手には、何かの力によって砕かれた水晶が握られていた。
「私は、またあなたを救う事ができなかった…ごめんなさい…」
少女はハンドガンを左手に装着させた円盤状の盾にしまい、表情を一切崩さず、180度方向転換をして、その場から離れて行った…。
−私は…何度でも繰り返す…そう、何度でも…。例え、誰を犠牲にしようとも、必ずあなたを救ってみせる−
「どうやら、また失敗したらしいな」
少女から少し離れたところから、男性の声が響き渡った。
少女はその場で立ち止まり、声が聞こえた方向を睨んだ。
…すると、崩れたビルの瓦礫の上から、黒いコートに身を包み、首から「カメラ」をぶら下げた男性が早歩き気味にこちらへと歩いてきた。
「また、あなたなのね…いつまで私の傍にいるつもりなのかしら？」
「まぁ…気が済むまでだな…それより…また、『繰り返す』つもりなのか？…『暁美 ほむら』」
少女…暁美ほむら は男性の言葉を最後まで聞かず、なにやら左手に装備された円盤型の盾をいじり始めた。
「おいおい、シカトか？」
「あなたには関係ないわ」
「そうか…ったく、まだ14才のくせに」
「あら？いい歳した大人がまさか子供に苛立っているの？…見かけによらず短気なのね」
「ほっとけ」
ほむら は男性に振り向き、一切表情を崩さず自分の円盤型の盾を構え、180度回転させた。
「さて、これであなたともおさらばね」
「…いや、まだだ」
「…？」
「まだ、俺はこの世界でやるべき事を終えていない」
すると、男性は懐からカメラの形状をしたベルトを取り出し、腰に巻きつけ、1枚のカードを取り出した。
「そういえば、まだ名前を聞いていなかったわね…あなたは一体何者なのかしら？」
「俺は…」
『KAMENRIDE』
「通りすがりの仮面ライダーだ…覚えておけ」
『DECADE！』
「…っ!!」
目が覚めると、目の前には天井が映っていた。
ほむら はベッドから身体を起こし、鏡の前に立った。
「これで、何度目なのかしら…」
ほむら 顔の前に紫色をした水晶…通称「ソウルジェム」を掲げ、魔力を解き放った。
すると、一瞬、自分の瞳が紫色に輝き、次第にぼやけていた自分の世界が少しずつ鮮明に映り始めた。
「…これで、視力は強制完了…さて、続いて…」
「前から気になっていたんだが…なぜ髪を解く必要があるんだ？」
「っ!?…あなた…」
ほむら が後ろを振り向くと…そこには前の世界で別れを告げた筈のあの男性が立っていた。
男性は ほむら が寝ていたベッドの横にあったお見舞の品であるフルーツの盛り合わせの一つのりんごを手に取り、起用にナイフで皮をとり始めた。
「お腹が空いているだろ?特別に俺が食べさせてやる」
「…その必要はないわ…それより、無断で女性の部屋に侵入するなんて、どういう頭をしているの？」
「そういえば、まだ俺の名前を教えていなかったな」
「人の質問に答えなさい」
「…俺の名は…」
男性がりんごの皮をむき終わり、ウサギの形にカットして綺麗に皿に置いた…。
「仮面ライダーディケイド…『門矢 士』だ」
私は、何度でも繰り返す…あなたとの約束を果たすために。
俺は、お前に教えなくてはいけないことがある…お前は、大事な何かを忘れている。
「魔法少女 まどか✩マギカ」
私の邪魔をするなら…私はあなたを倒す。
俺は…お前がなんと言おうと、必ずお前を救ってみせる…どんな手を使ってでもなぁ！
「仮面ライダーディケイド」
終わりのない旅なら、俺がその旅の到着点を作ってやる!!
お前のやり方では…いつまでも旅を終わることができない!!
俺が、全てを終わらせてみせる!!
いい加減にしなさい!!
私は…「まどか」さえ救えればそれだけでいいの!!
私は、…もう誰にも頼らない!!
世界の破壊者 仮面ライダーディケイド
何度も繰り返されるこの世界で、その瞳は何を見る？
「魔法少女 まどか✩マギカ」×「仮面ライダーディケイド」
クロスオーバー作品
答えなさい…あなたは一体何者なの!!?
俺は、通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!!
作品名：a-o-wのボツ作品集 作家名：a-o-w