ゆわとポケモンと仲間の物語
「チコ、ゆわにたいあたり!」
チコとは相棒のチコリータのことだ。
チコリータは主人の命令に背くことも戸惑うこともなく真っ直ぐに突っ込んできた。
自分は絶壁の崖の上で座っていたから逃げ場が存在せず、身体は衝撃と浮遊感を感じて重力に従って崖から落ちて行った。
ポケモンを出して抵抗すればまだよかったのだろうが、そのポケモンをそもそも持っていない。
どういうわけか知らないが、自分は人からもポケモンからも嫌われる。
既に学校に通っていてポケモンを持っても良い年になっているのに、だ。
同年代も年上の大人も年下の子どもも、親戚も親でさえも近づけば「寄るな」「関わるな」「いなくなれ」と蔑まれる。
捕らえられているポケモンも人懐っこいポケモンも博士からもらうポケモンでさえも近づけば敵意をむき出しにしたり吠えられたり怯えて逃げたりする。
ここまで嫌われる理由は何だ、自分が何をしたっていうのだ。
作品名:ゆわとポケモンと仲間の物語 作家名:ゆめうつつ