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続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 4

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<海>
ミオはアナライザーと自宅前の海に来ていた。まだ塩っ気は少なく真水に近い状態の水だった。

  (イスカンダルの技術を応用すれば元の海水に戻ると思うけど…)

ミオは裸足になって海に入った

  (冷たい…)

スカートの裾をたくし上げて濡れないようにする

  (お母様が渡したコスモクリーナーDを見てみたいわ。それを見れば何か
   わかるかもしれない。)

現在戦艦のほとんどにコスモクリーナーDの進化版、それを小型化し各艦に取り付けてある。もしも航行中に事故があり放射線が艦内に入り込んでもコスモクリーナーが取り付けてあるので宇宙放射線病を患う心配はなかった。

  (コスモクリーナーDは最後雨が降るように設定されていた。だけどそれ
   は真水…では海水ができるように設定できなかったのだろうか?)

いろいろな考えがミオの頭の中を回る

  (コスモクリーナーDがある場所南部さん知ってるかしら?)

三浦の浜辺は静かだった。月が欠けているのも波が小さな原因なのかもしれない…

  (眼を閉じるといろいろな声が聞こえてくる…風の音…波の音…人の話し声
   エアートレインの音…)

イスカンダルでは聞こえない人の声…最初は慣れずにいたが今は人の声がすると安心する時がある…と、その時ミオの携帯が鳴った

  <ミオ?今日休みでしょう?>

相手は南部だった。南部は休みが合えばできるだけミオと連絡を取るようにしていた。

  <そんなところにいたら濡れちゃうよ>

ミオはその言葉に驚いて持っていたスカートの裾を下してしまった。
 
  <あ~あ~ほら、スカート。>

後ろを振り向くと南部が携帯を片手に立っていた。 

  「…いつ、戻ってきたの?」(ミオ)
  「さっき。英雄の丘に寄ってたからちょっと前かな。」

南部が携帯をしまいながら手招きをした。ミオは静かに海から出た

  「ただいま。」(南部)
  「おかえりなさい。お父さんとお母さんが遊びに来るのずっと待ってたみたい
   本当に南部さんの事好きなのね。」(ミオ)

ミオが横須賀の基地に通うようになって3年が経っていた。サーシァ程ではないがやはり地球人より少し成長が早く当時小学生だった容姿は高校生ぐらいになっていた。進に似たその姿は女性らしくかわいらしい顔立ちになっていた。

  「お姉様と会った?」(ミオ)
  「あぁ、途中でね。元気だったよ。ミオによろしく伝えて、って。そうそう、
   夜更かししすぎないように、ちゃんと家に帰りなさい、って言ってたけど
   家に帰ってないのか?」(南部)
  「時々…気付くと翌日の朝、なんてのがあったりしてね…お母さんには
   伝えてるけど…」

ミオがバツ悪そうに言う。

  「まぁ…しょうがないよな。アナライザーは?」(南部)
  「家で留守番してる。“錆びる~”って言うのよ。こんなに塩分少ないのに。
   あ、そう…次に調べたいものがあって…コスモクリーナーDを見たいの。
   どこにあるか知ってる?」

ミオが聞くと

  「それならうちにあるよ。地下だけど見に来る?」

南部が軽く言う。
 
  「行く!今日見れる?」

ミオは“今すぐ”が多かった。

  「いいけど先に着替えたら?びしょ濡れだよ。俺も2か月ぶりだから古代と
   ユキさんに会っていきたいし。」(南部)
  「じゃぁ私が着替える間に挨拶してて。お母さんにも言わなきゃ。」

ミオは浜辺を走り始めた。南部はその後ろ姿を見つめていた。






  「古代、ユキさんただいま。…さっき丘には行ったけど……な。ミオ、隋分
   きれいになって…心配じゃないか?」

南部は二人を中心に写る写真を手に取って話しかけていた

  「二人は…年取らないな…俺、もう25歳だよ。あの戦いから5年…一日も
   二人の事…ヤマトの事を忘れた日はない。時々思う…あの時何が何でも
   古代について行ってたら、今はないんだ、って…。俺さ、二人には悪いん
   だけど今すごい楽しいんだよ。あの時は辛くて、辛くて何も考えられな
   かったけど時間が経つとあの時古代の言うとおりにしてよかったって
   思ってる。」

南部はしばらく二人の部屋から出てこなかった