コンビニ店員の俺と本田さんと各国の人々。1~21まとめ
…と、まあ、ここで感動的に〆られたら良かったんだが、そうはならないのがこの人達な訳で…。
最下位にはやはり、罰ゲームがあった。…本田さんは諦めてなかったらしい。
「じゃ、アルフレッドさん、イイトコ見せて下さいね」
凄くいい笑顔で本田さんがハンバーガー君に差し出したのは、超極太恵方巻き。それに、俺はドン引きだが、そうならないのが大食いの本場出身たるハンバーガー君だ。
「本当に全部、食べていいのかい?」
「ええ。丸ごと一本、行っちゃって下さい」
恵方巻きを掴み、ハンバーガー君があむっと咥えた瞬間、一眼レフのフラッシュが光った。本田さんを見やれば、あらゆる角度から、ハンバーガー君が恵方巻きを頬張るさまを激写している。…ああ、いつもの本田さんだなぁ、遠い目をして、俺はそれを見守った。
その後はまあ、いつも通りのどんちゃん騒ぎとなったのだが、人気を払った廊下で眉毛さんが本田さんに何やら交渉していたのは、……見なかったことにしたいと、俺は思う。
作品名:コンビニ店員の俺と本田さんと各国の人々。1~21まとめ 作家名:冬故