コンビニ店員の俺と本田さんと各国の人々。1~21まとめ
後で俺が調べたところによると、当時のドルの価値は1871年円-USドルの為替が開始した時の相場は何と、1ドル1円。720万円で購入したのかと思うと吃驚だ。でも、当時の日本の一円の価値は今の金額に換算すると1200円くらい。八十億円くらいで購入したことになる。八十億円でも、コレって凄く、お買い得だったんじゃなかろうか。
「巨大な保冷庫を購入したって、国民には叩かれまくりだったんだけど、結果オーライで金鉱は見つかるし、資源は豊富だって解ったし、冷戦期には重要な軍事拠点として重要な役割を果たしてくれたし、お買い得だったよねぇ。んで、イヴァンは売ったことを思い切り、後悔してるみたいだけどね!」
「確かにお買い得だな。争うこともなく、合法的に国土に加えられた訳だし」
追加で頼んだチョコレートパフェを突きながら、隣で訊いていたうさぎさんが言う。
「まあね」
ハンバーガー君が胸を張る。そんなこんなで色々とこぼれ話的な話を聞けて、中々に楽しい時間となった。気がつけばズルズルと居座ること三時間が経っていて、流石に店を出る事になった。
「リツは夏休み、何か、予定あんのか?」
支払いを持ってくれたうさぎさんにお礼を言う。相も変わらずうさぎさんはお花をつけた赤いずきんの子うさぎちゃんのがま口財布を愛用している。その財布に小銭をしまいつつ、うさぎさんが俺に訊いてきた。
「特にはないですよ」
特にはないが、夏休みに入って、サークルにも入ってない俺はバイトのシフトを増やしてもらったぐらいだ。
「んじゃ、参加な」
「参加って、何にですか?」
うさぎさんは勝手に話を進めるところがある。
「八月に入ったら、菊の知り合いのところに海水浴に行く予定なんだぞ!もちろん、リツも来るんだぞ!」
「はあ…。俺、参加してもいいんですか?」
本田さんの了承は得なくていいのか?…顔に出ていたのか、うさぎさんがニヤリと笑った。
「本田には了承済みだぜ。ぜひ、来てくださいってよ。ヴェストとフランシス、トーニョも来るし、何と、フェリシアーノちゃんも来るぜ!」
「嫌だけど、アーサーも一緒なんだぞ!」
おお、これはいつぞやの花見のようなメンツ。…きっと、何かある。
一騒動起こりそうな八月は、もうすぐそこまで来ていた。
作品名:コンビニ店員の俺と本田さんと各国の人々。1~21まとめ 作家名:冬故