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コンビニ店員の俺と本田さんと各国の人々。1~21まとめ

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「解ります!やってみたいんですよねぇ…」
本田さんの目がキラキラと輝くのに、ムキムキさんが溜息を吐く。
「菊は食意地が張ってるよな」
うさぎさんが言う。
「食に対する拘りがなくなったら、人間おしまいですよ。生きるために食べるんですから、美味しいものを食べたいじゃないですか!」
「…うんうん、解った解った。お前は食に関してだけは、強気だよな」
「…だな」
と、ムキムキさんがうさぎさんに同意する。…それは、鮪とか鯨とかのことを言ってるんだろうなぁ。
「話、元に戻しますけど、朝ごはんはパンだけですか?」
「大概は、コーヒーとパンだけで済ますことが多いが、時間に余裕があれば、ゆで卵、更にシリアルや野菜サラダ、リンゴ、バナナ、オレンジと言った果物やカップヨーグルトも出すな」
「朝から豪華ですね」
今日の朝食でも、品数多くて豪華だなと思うのに、ムキムキさんのところは更にその上を行く。
「ウチに” Fr?hst?ck wie ein Kaiser Mittagessen wie ein K?nig Abendessen wie ein Bettler”って、ことわざがある。日本語に訳すと”朝食は皇帝のように 昼食は国王のように 夕食は乞食のように ”…って、感じだな」
「え?朝飯は皇帝、夕食はは乞食って、普通、朝は質素に、夜は豪勢にで、逆じゃないですか?」
俺が言うと、うさぎさんは出来の悪い生徒に言い聞かせるような顔をして、立てた指を振った。
「このことわざは、一日しっかり働くために朝は皇帝のように豪勢に食って、午後はまだまだ働くために昼は国王のようにたっぷりと食って、寝るだけの夜は乞食のように質素に済ませればいいって、意味だ。夜、食い過ぎると胃がもたれる、そうなると朝飯が入らなくって、食えないと仕事にならねぇだろうが」
「…なるほど。一理ありますねぇ」
本田さんが言う。確かに、一理あるなと思うが、朝は質素に、夜はがっつり豪勢にいきたいと思うのは、俺がまだ食べ盛りの学生ゆえだろうか…。


「ごちそうさまでした!」

朝から、美味しい朝ごはんを頂き、ドイツの豪勢な朝ごはんの話を訊いて、俺は本田さん宅を辞したのだった。