続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 5
<エピローグ>
「静かね…」(スターシア)
「静かだね…」(守)
二人の娘が結婚して…新しい命を迎え…どれぐらいの時が過ぎたのだろうか…地球から来るYUKIを何度迎え入れただろう…
「守…」(スターシア)
「なんだい?スターシア」
守はスターシアに残された時間があとわずかだと言う事を知っていた。
「守にお願いがあるの……私が先に死んだら守は地球に戻って…」
スターシアの言葉に驚いた守はスターシアの手を握った
「暖かい…このぬくもりに何度助けられたことでしょう…私の一生はとても
幸せでした。女王としてでなく一人の女性として生きられた…」
スターシアのほほえみは美しかった
「私はイスカンダルの女王…ここから離れるわけにはいかなかったけど守は
違う…私のようにイスカンダルに縛られる必要はないの…だから私が死んだら
あの子たちのいる地球へ戻って…守には残された時間がたくさんあるわ。
地球で…幸せになって…」(スターシア)
「待ってくれ、スターシア!俺の幸せはキミと一緒にいる事なんだ。先に逝く
なんて言わないでくれ…頼む…俺にもキミしかいないんだ。」
守の眼から涙が溢れた
「ありがとう、守…もう、何も思い残すこと、ありません。あの子達も幸せで
私も幸せで…いつかこの幸せが壊れてしまうのではないかと心配した事も
ありました。お願い、守…泣かないで…笑顔を見せて。あなたの笑顔が
大好きだった…」
守は泣きながらも笑顔を作った
「愛してるわ…守。」
スターシアは守が握りしめる手を弱々しくも握り返した
「俺もだよ、スターシア…スターシアだけを愛してる…今までも…これから
先も…スターシアしか見えない…」
守は両手でスターシアの手を握りしめた。スターシアは“ありがとう”と口だけ動いた後守の手を握りしめていた力が無くなった。
「スターシア…スターシア、スターシア!!!」
守の絶叫も虚しくスターシアは息を引き取った。その姿は美しく微笑んでいた。
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 5 作家名:kei