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続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 5

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挙式から2年後サーシァが身籠った。ミオも間もなく身籠り南部は防衛軍を辞職願いを出した。

  「産まれてくる子供と一緒にいたい。」

南部は防衛軍の参謀職に付いていたので誰もがなぜ辞めるのか聞いたがこの答以外聞く事はできなかった。






  「南部、本当にいいのか?」

藤堂がやれやれという顔をする

  「すみません、長官。」

南部は静かに辞職願を出した。

  「南部か島に長官職を譲ろうと…その時までがんばろうと思っていたのに…
   また先延ばしになってしまう…私もそろそろ引退したいのだがね。」

藤堂が困った顔をする。その横には相原がいた。

  「私には本当の理由を教えてくれないか?」(藤堂)
  「本当の理由…ですか?」(南部)

相原が顔で“ごまかせませんよ”と言っている。南部は小さなため息を一つつくと“実は…”と言いながら話し始めた

  「ミオに子供が出来て…この子を守るために自分に何ができるかを考えたんです。
   自分が戦う事、それでいいと思いましたが………違いました。私は自分で
   ミオとお腹の子供をそばで守ってやりたいと思ったんです。だけどそれじゃ
   地球を守る事が出来ない…私は考えました。多分、今までにないぐらい悩み
   ました。」(南部)

南部は相原を見た

  「私たちは最前線で戦って人が死んで行く様をずっと見てきた。助けられず
   身を切られる思いでその死体を見ないふりをして走り続けた。」

相原がうなずく

  「だったら…最強の武器…地球を守る最大の武器を造ろうと思ったんです。
   火器の知識ならだれにも負けない…それを活かして今後に役立てるには
   実家の仕事を使うしかないと思ったんです。父も叔父ももう年ですし…
   跡取りは私しかいません。ミオも研究で協力してくれますし…そしたら
   何に悩んでいたのかわからなくなりました。結論は足元にあったんです。
   これからは技術を磨き、人を磨いて防衛軍に貢献しますよ。」

南部はそう言って藤堂を見た。

  「仕方のないヤツだな。どうやったって私を楽にしてくれない。」

藤堂は苦笑いしながら南部の辞職願を胸にしまったが

  「軍属で南部重工業に出向と言う形を取る事は出来ないだろうか?」

と案を出してきた。

  「そしたら軍に出入りできる。」

藤堂は南部を引き留めようと必死だった。

  「それは長官命令ですか?」

南部が聞くと相原が口を出した

  「当然じゃないですか。命令は絶対です。」

相原の突然の言葉に藤堂が圧倒されたが“命令は絶対”と言うのを逆手にとったのだった。

  「…そうだ、命令だ。この辞職願は預かっておく。」

藤堂はそう言って一度胸ポケットにしまった辞職願をもう一度取り出すと相原に渡した。







南部と相原は英雄の丘にいた

  「相原、うまいじゃないか。」

納得いかない南部が面白くなさそうに芝生に寝転んでつぶやいた。

  「だって、寂しいじゃないですか。」(相原)
  「誰が?」(相原)
  「僕が。」

相原は笑ってた。何とかして南部を引き留めようとクルーで会議をしたぐらいだった。

  「ミオになんて言おう…せっかくミオとずっと一緒にいられると思った
   のに…相原の一言のせいで…」(南部)
  「だけど島も太田も山本も辞めないでほしいって言ってたから…もう少し
   足固めした後でいいんじゃない?」(相原)
  「そうかもしれないけど…」(南部)
  「まぁ出向という形だから南部に入り浸っても誰も文句言わないですよ。
   島は大変になると思うけど。」

島は地球防衛軍艦隊司令を務めていた。恐らく参謀兼任となるだろう。

  「太田か山本か…どちらかが司令部に戻されるだろうね。」

相原が涼しい顔をしてつぶやいた。

  「こんな重大な事を寝転んで話せるんですから…平和になった証拠です。
   だけどこの平和だっていつまでかわかりません。ヤマトの乗組員が軍の
   トップにいる時代は大丈夫でしょうがその先はどうなるかわかりません。
   リーダーシップを取り合って昔のように権力争いが始まるかもしれません。
   そんな事が起きないように…その足固めをしないと…」

相原が言った事はもっとも、の事だった。

  「そうだな、その通りだ…な…。」




平和な時間は永遠でない…それを一番身近で感じていた。