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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 16

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    ※※※
 イリスの虹色に輝く、大きな翼から生じる虹は、光の粒を降らせていた。
「なんだ、この虹から伝わるもの……、力が湧いてくる……?」
 ガルシアは虹を見ると、自らの体の奥底からエナジーが溢れるのを感じた。
「それだけじゃ無いわ、とても暖かい……」
 シバは、寒さが和らいでいくのに気付いた。周囲は火のエレメンタルの灯台とは思えないほど冷え切っていたというのに、イリスの力によって氷が溶けていくほどの暖に包まれた。
「イリス、これは一体?」
「ロビン、私の翼は不死鳥の翼。炎の力がこもった、火が翼として顕現したものなのです……」
 翼を広げ、宙に浮いていたイリスは、羽ばたきながらゆっくりと地に下りたった。羽ばたく度にきらきらと小さな光が瞬く。
「私が依代としていたリョウカは、残念ながら消えてしまいました。もう、どこにも彼女の存在はありません」
 こうなる事は分かっていた。しかし、それでもシンにとっては辛いことだった。
「イリス、お前には、リョウカと同じ記憶があるのか?」
 シンは訊ねた。
「ええ、彼女とは記憶を共有していました。リョウカが消えるまでの十六年の記憶は私にもありますよ。彼女と共に、過ごしてきたようなものですから」
 イリスはこれまで、リョウカという仮初めの存在の中で過ごしていた。それはリョウカとして、これまでを生きてきた事に変わりはなかった。
 この事実は、僅かではあるが、シンの心を楽にした。姿形は違えど、イリスは長い間共に過ごした妹であるように思えたのだ。
「これからは兄貴とは呼んでくれないんだよな?」
「ふふっ、お望みとあればこれからも兄様とお呼びしますよ」
「いや、やめとくよ。さすがに神様から兄貴呼ばわりしてもらうのは、おこがましいぜ……」
 イリスとシンは笑いあった。
 ふと、イリスは何か思い出したかのように、ロビンへ視線を向けた。
「ロビン、ガイアの剣を貸してもらえますか?」
「えっ? あ、ああ……」
 思いも寄らない要求に戸惑いながらも、ロビンは背中からガイアの剣を抜いた。しかし、この剣はロビン以外では触ることはできても振ることすらできぬほど重いのだ。
 神であるイリスには振れるのか、そのような思索を巡らせていると、イリスはエナジーを発動した。
「わわっ!?」
「驚かせましたね、すみません。少しの間拝借いたしますね」
 イリスは一言詫びると、ゆらゆらとエナジーにより、空中に浮くガイアの剣を自らの元へと引き寄せた。
それから、目の前に剣を浮かせたまま、これまで振るってきた刀を抜き、それにもエナジーをかけると、二本の剣を浮遊させた。
 ロビンはおろか、その場にいる全員が彼女の目的を分からずにいた。
「イリス、一体何をしているんだ?」
 ついにロビンは疑問を口にした。
「大丈夫です、すぐに終わります。もう少し見ていてください」
 イリスは更にエナジーを発した。浮遊する二本の剣は、回転を始めた。
 回転する剣の間に、時折バチバチと電撃が発せられた。エナジーによる力で発せられる放電の中、二本の剣は距離を狭めていき、ついには一つに合体した。
「目覚めよ、太陽の力を宿した真の姿へ!」
 イリスは仕上げのエナジーを放つと、二本だった剣が一本の剣へと姿を変えた。
 合体し、一つの剣になったそれは、空中で回転したままその姿を露わにした。
 銀色だった刀身は、白金色に輝き、切っ先からは常に、ドーム状にエネルギーが溢れていた。
「完成しました。これがガイアの剣の本当の姿です」
 イリスはふう、と一息つくと、エナジーで剣をロビンへと返した。
 ロビンは示されるがまま剣を受け取った。すると、イリスは今までかけていた移動用のエナジーをといた。
「うわっ!?」
 ロビンは不意を付かれて声を上げてしまった。その剣は、ガイアの剣と大きさこそ違わないものの、重さは一回り上回っていた。
「何だこれ、ちょっと重いぞ……」
 振ることができないほどではないにしろ、ガイアの剣のように片手ではとても扱えない代物になっていた。
「ガイアの剣とは、ある神が作り上げた剣の仮の姿です。その姿のままでは半分の力も使えませんでした。そこで、これまで私が使ってきた刀の形状を取ったエネルギー体を合成したのです」
 ガイアの剣は、ドラゴンの肉体をも簡単に切り裂く事ができた。それだけでなく、扱う事ができるのはロビンだけだった。地のエナジストに反応するのか、それともロビンにだけ特別に使えたのか、いずれにしても特別な剣だという事はよく分かった。
 しかし、驚くべきは、その力はこれまで半分も出されていなかった事だ。ドラゴンの肉体を斬り、剣状のエネルギー体を召喚できるだけでも十分足り得るというのに、まだまだ剣の力は引き出せるというのだ。
「ガイアの剣、その真の姿、真の名は、太陽神剣・ソルブレード!」
 イリスは剣の名を言い放った。
「ソル、ブレード……」
 ロビンは完全な姿を現した剣を掲げてみた。ガイアの剣だった時と比べ、若干スマートな刀身であるが、やはり重厚感があった。切っ先からは相も変わらず噴水のように、エネルギーが噴き上がっている。
「すごい剣だな、ロビン! ちょっとオレにも触らせてくれよ」
「あ、ああ、ちょっと重たいから気を付けてくれ」
 ロビンはジェラルドにソルブレードを手渡そうとした。
「っ!? だめです!」
 イリスが慌てて止めるのも虚しく、ソルブレードはジェラルドの手に渡ってしまった。
「へっ?」
 イリスがあまりにも慌てている様子に面食らって、二人は変な声を出してしまった。
 次の瞬間、ソルブレードがギラリと輝いたかと思うと、ジェラルドは剣に弾き飛ばされた。
「ぐわあああ! いてえええ!」
 ジェラルドはソルブレードを握った手を抑えながら、地面をのたうち回った。
「ジェラルド! どうした!?」
 ロビンは転がるソルブレードには目もくれず、ジェラルドの元へ駆け寄った。痛みに喘ぐジェラルドの手を見ると、掌が完全に赤くなっていた。
 酷い火傷である、ロビンは思わず顔をしかめた。
「……だからだめと言いましたのに」
 イリスは溜め息をつきながら、エナジーでソルブレードを再び空中に浮かべた。そして、翼を広げ虹色の輝きをジェラルドへと向けた。不死鳥の翼がジェラルドの火傷を癒していく。
「ソルブレードは持つに値する人以外が手にすると、剣が持つエネルギーが手にしたものを跳ね返す効果があります。もう少し手放すのが遅かったら全身を焼き尽くされていましたよ……」
 イリスはソルブレードの性質を説明した。イリスでさえもソルブレードに直接手にすることは難しいという。
「いててて……、そういう危ないことはもっと早くに言ってくれよ……」
 ジェラルドは火傷の治ったばかりの手を振りながら、口を尖らせた。
「……話も聞かずに手にしたのはあなたでしょうに……」
 イリスはソルブレードをロビンに返しながら、再び溜め息をついた。
「ねえ、みんな、あれを見て!」
 シバが地に横たわるドラゴン達を指差した。
 ドラゴン達は白く光り、全身を光で満たすと、姿を変えていった。
 巨体が萎んでいくように縮み、およそ人と同じくらいの大きさになった。