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はろ☆どき
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【HARU19無配】妖精はティータイムがお好き‐後日談‐

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 庭に新たな桜の新芽が生えたのをエドワードと二人で喜び、他所の遅咲きの桜も花を落とす時期となった。
 そろそろロイも恒例の休暇を終えて、仕事を再開せねばならない。
 そこで少々問題が持ち上がった。
 取材に出かけるにあたって、日帰り程度ならまだよいのだが、泊まりがけなど数日家を離れるとなると、その間エドワードを一人にしておくわけにもいかない。
 エドワードはロイが教えることに対して飲み込みがよく、好奇心旺盛で何にでも興味を示し、どんどん知識を吸収している。本や雑誌など多少難しいものでも苦もなく読むほどだ。
 だがしかし、人としての生活を始めてまだ数週間。一般常識的な知識や振る舞いは、実際に経験しなければ分からないことも多い。
 かといって、いきなりあちこち連れ回すのもどうだろう。
 そう思いロイは、自分が居ない間はホーエンハイムとトリシャのところで過ごしてもらおうと考えた。
 彼らはエドワードの両親に当たるわけだから、自然な成りゆきと言えよう。何をどうやって手配したのか、戸籍上も彼らの子息ということになっている。
 むしろ世間的には、親がごく近所にいながら他人の独身者の家に住んでいる方が不自然なのだ。
 ヒューズにもそれはもちろん突っ込まれたが、ライター志望のエドワードが見習いとしてハウスキーパーのバイトも兼ねてロイの家に住み込むことになった、ということで無理矢理通している。
 しかし不在時のお願いをしに、エドワードと共にホーエンハイム夫妻の元を訪ねたところ。
「そう言ってもねえ。なあ、トリシャ」
「そうねえ。エドワードはロイさんちの子なんだから、ロイさんと一緒にいなくちゃ。ねえ、あなた」
 二人はにっこり笑ってそんな風に言うばかり。せっかくの機会なのだから親子で一緒に過ごそうとかそういう……世間一般の常識は、この元妖精の人間と妖精が見える人間の二人にはないのだった。
「だろ? オレもロイと一緒にいたいし、写真見せてもらったとことか行ってみたいって言ってるじゃん」
 何の問題があるのだと三人して不思議な顔をされると、ロイも自分の方がおかしいだろうかと思ってしまいそうだ。
 だが、自分だってエドワードと片時も離れたくない気持ちは大きいわけで。
 エドワードに小首を傾げて「駄目なのか?」などと言われたら、笑顔にしてやりたいとか思ってしまうわけで。


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 そんなわけで、新進気鋭で何かと話題のルポライターのマスタングさんは、最近助手という名のとびきり美人な金髪金目の少年を常に連れ歩くこととなった。
 自分が仕事の間、手持ちぶさたにならないようにと渡した型落ちの小型カメラをいたく気に入って、エドワードはあれこれ写真を撮っている。
 これがまたなかなか斬新なセンスだったりなどしていて。
 ロイの助手兼専属カメラマンになるのも、そう遠いことではないような――。
 果たして、エドワードが注目を浴び始めてあれこれ心配になったロイが開き直り、助手ではなく恋人だと言って憚らなくなるのとどちらが先か……。

 ちなみに助手が付くようになってからも、恒例の春先の休暇は相変わらず取っていたが、桜の写真や記事も書くようになったらしいという噂だった。
 しかしそれは雑誌などに載せられることはなく、彼らの親しい知人しか目にすることがなかったので、これまた世間では随分話題になったとか。
 それは彼ら二人が幸せでいることの証だったので、目にしたものは「お幸せに」または「ごちそうさま」と微笑まずにはいられない、素敵な春の二人のレポートだったそうだ。


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Wishing you many wonderful days of happiness together!


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