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機動戦士ガンダムRS 第40話 ラクス出撃

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ルナツーの軍港では、整備班やパイロットなどが行き来を繰り返しており少々ごった返しになっていた。
そこには、第202遊撃艦隊と第132遊撃艦隊から成る小艦隊が駐留していた。
第202遊撃艦隊が第1戦隊でその旗艦のマゼランのブリーフィングルームには、続々とパイロットたちがそれをよそに集まっていた。
サラミス所属のパイロットも乗員から敬礼で歓迎された。
パイロットたちも敬礼で返した。
 ここの第2戦隊マゼラン所属小隊長のデビット・ムーア曹長がブリーフィングルームに入ると自分より階級が下のパイロットたちが私語をしていた。
「本艦隊所属だからって威張るなら俺だってできるさ」
 彼らの話の内容は、本艦隊所属のパイロットたちへの愚痴だった。
この艦隊所属のパイロットの何名かも本艦隊への配属を希望したが落選したものもいた。
その中でデビット曹長は、本艦隊へ配属が決まったもののあまりにも威張りすぎて人間関係のもつれが出たため遊撃艦隊に落とされた経緯を持つ。
皆もそれがわかっており彼を見た途端私語が消えた。
デビット曹長は、そんな冷ややかな視線を無視し着席した。
「名乗りも上げずにご登場か?
その必要もなかったな。
出戻りのデビット曹長といえばもう遊撃艦隊の間では、有名だからな」
 中隊長のジャン・オレグ准尉がそういうと部下たちは、したたかに笑った。
その笑いが頭に来たがデビット曹長は、ぐっとこらえた。
「本艦隊に配属されたからどんなにすごいかと思っていたのに」
 そういうとジャン准尉は、デビット曹長の椅子を蹴った。
とうとう怒ったデビット曹長は、立ち上がった。
しかしそこにタイミング悪く指揮官のラッセ少佐が入室した。
デビット曹長は、仕方なく席に着いた。
「これから地球軌道周回での哨戒任務について説明する。
我々の任務は、地球から宇宙に上がってきた化け物を退治する任務だ。
ここまで聞けば諸君らは、任務場所がビクトリア上空だと思うが違う」
 その言葉に皆が驚いた。
「我々の任務場所は、ここ。
アメリカ上空である。
アメリカのケープ・カナベラルで地球軍が何か大きな行動を起こしているという情報がη艦隊所属のアツシ・サオトメ少佐ならびにハワイ基地の偵察任務で明らかになった。
これらの情報を統合した結果上層部では、打ち上げ物を新型軍艦と判断した」
 パイロットの1人が挙手した。
ラッセ少佐は、パイロットに発言権を与えた。
「それは、ビクトリアからの打ち上げはカモフラージュということですか?」
 パイロットがラッセ少佐に質問した。
「敵の真意は、不明だ。
カモフラージュなのかそうでないかは、わからない。
ただ飛んで火に入る夏の虫であることには、変わりはない。
これを叩き名声を得る。
本艦隊だけがコロニー軍の主戦力では、ないということを内外に知らしめてやれ」
 ラッセ少佐がそういうと皆が起立し敬礼した。
「他に質問は?」
 ラッセ少佐がそう聞くと今度は、ジャン准尉が挙手した。
ラッセ少佐がジャン准尉に発言権を与えた。
「少佐は、ニュータイプというものをどうお考えですか?」
 ジャン准尉は、ニュータイプについてラッセ少佐に質問した。
「そんなものは、いないさ。
それは、コーディネイターの存在に劣等感を感じる者たちが作り上げた期待からの妄想物だ」
 ラッセ少佐は、ブルーコスモスであるがコーディネイターへの劣等感は感じておらず自然に反した不純な存在という認識だった。

                ※

 アークエンジェル、ドミニオンとクサナギはL4のコロニー群に向かっていた。
「M1を調査偵察に出す。
何もないとは思うが一応警戒してくれ」
 クサナギから2機のM1アストレイが調査のため出撃した。
キサカ一佐が警戒を怠らないように忠告した。
「了解しました。
総員、第二戦闘配備」
 その言葉にアークエンジェルとドミニオンも第二戦闘配備で付近の警戒を行った。

                ※

 プトレマイオス基地にはデュエルダガー、バスターダガー、ジンとシグーとともに新型機も続々と配備されつつあった。
フラガ大佐は、その機体が配備されているのに気付きそばにいた整備員を捕まえ接触回線で質問した。
「あの機体は、何だ?」
 フラガ大佐は、指をさして質問していたため整備員も何の機体をさしているのかすぐに分かった。
「新型のゲイツです。
大西洋連邦がシグーの後継機として開発した機体でダガーシリーズに続いてビーム兵器を標準装備した機体です。
でも性能は、ダガーシリーズを上回っています。
今こいつがどんどんラインに乗ってますからね。
配備が進めばナチュラル共なんかあっという間にこの世界から居なくなるでしょう。
頼みます」
 整備員は、屈託のない笑顔でフラガ大佐に頼んだ。
「任せておけ。
悪いな、仕事の邪魔して」
 そういうとフラガ大佐は、その場を離れた。
整備員は、その後ろ姿に向かって敬礼していたがフラガ大佐の表情は暗かった。
彼の心には、撃たれたら撃ちかえし撃たれたから撃つ方法で本当に平和が来るのか疑問で満ち溢れていた。

                ※

 ラクスは、ザラ大統領に呼ばれ執務室に入った。
「できれば君を戦場に送り出すような行為は、極力避けたかったのだが戦況が戦況だけにそうせざる負えない。
許してくれ」
 ザラ大統領は、ラクスを呼ぶと最初に謝った。
大西洋連邦の新型旗艦のエターナルが完成しその打ち上げを行おうとしていたがオブザーバーとしてラクス・クラインが乗艦することになった。
これは、ビクトリア防衛に成功したが地球上戦力の大半を失い士気低下した兵士たちを奮い立たせる目的にザラ大統領が提案したものだった。
無論シーゲル副大統領などは、強く反対したがラクス本人が賛成しザラ大統領の強い意志にも負け決定した。
「敵は、こちらのことなど考えてはくれない。
予定より少し早いが出撃を要請する」
 ザラ大統領は、ラクスに出撃命令を出した。
「分かりました。
時なのでしょうね。
私達も行かねばならない」
 ラクスは、前々からこうなることをわかっていたような感じであった。

                ※

 ラクスは、艦の乗員待機所に来た。
そこでは、全員が敬礼してラクスも迎えた。
ラクスも敬礼で返した。
 そして2人の男性がラクスの前に立った。
「初めまして。
僕がエターナルの艦長になったアンドリュー・バルトフェルド大佐です」
「私は、副長のマーチン・ダコスタ少佐です」
 2人は、ラクスに敬礼しながら自己紹介した。
「お世話になります」
 ラクスは、そういうと頭を下げた。
「すぐに打ち上げ準備に入ります。
急ぎましょう」
 バルトフェルド艦長がそういうと皆は、エターナルに乗艦していった。

                ※

 ラッセ少佐が率いる小艦隊は、地球周回に間もなく到着しようとしていた。
「1時の方向、30度上方に敵戦艦1隻、該当データはありません」
 その時センサー長がレーダーに映る艦影を報告した。
「そいつが獲物だ。
総員、第一戦闘配備」
 ラッセ少佐が命令した。
「総員、第一戦闘配備。
繰り返す。