機動戦士ガンダムRS 第40話 ラクス出撃
ラミアス艦長は、新型モビルスーツとパイロットが新たに配属されると聞いていたがまさかその人物が古巣に戻ってくるとは思ってもみていなかった。
しかも補給部隊を護衛してきた機動艦隊のモビルスーツ隊の隊長がイザーク・ジュール大尉だった。
「運命のいたずらだろう。
あるいは、そのように定められているのかもしれないな」
クルーゼ大佐が意味深なことを言ったがラミアス艦長は、理解できなかった。
※
ラミアス艦長は、自室で椅子に座り机で補給物資に関する書類に目を通していたが頭の中はフラガ大佐のことでいっぱいだった。
「フラガだ」
そのフラガ大佐がドアをノックしてきた。
ラミアス艦長は、驚いたが平静を装いフラガ大佐を部屋に招いた。
「何か?」
ラミアス艦長は、普通にフラガ大佐に接しようと努めた。
「物資の搬入作業をしてたんだけど操縦経験の浅いパイロットたちが『これも訓練として自分たちにやらせてください』って仕事を奪われたんだ。
それで仕方なくなんでも自分だけで解決しようとしたり悩んだりする『頑張り屋さんで悩み多き艦長さん』の様子を見に来たわけ」
フラガ大佐がここに来た理由を話した。
「大佐は、なんでここに戻ってらしたんですか?」
ラミアス艦長は、フラガ大佐に一番聞きたかったことを話した。
「理由は、これさ」
そういうとフラガ大佐は、ラミアス艦長を立たせると強引にキスをした。
ラミアス艦長にとっては、一瞬のことだったので抵抗できなかった。
「私は、強引な人は嫌いです」
驚き、うれしさ、怒りなどの感情がラミアス艦長の心の中で混ざり合ってしまって何を言えばいいのかわからずこれだけいうのに少し時間がかかった。
「じゃあもう強引には、しない」
2人は、相手の気持ちを確かめ合うようにもう一度キスした。
※
η艦隊は、夕焼けの空の下で途方もなく巨大なブースター・ロケットを装備し打ち上げの時を待っていた。
搭乗員たちは、シートに固定されていた。
そしてその時がやってきて打ち上げが行われた。
※
この日の夜アメリカ・ハワイで無数の流星群が観察された。
それは、地球に降り注ぐ第202遊撃艦隊と第132遊撃艦隊の残骸であった。
古代中国では、流星は命が消えた瞬間として不吉なものだった。
彼らは、流星を見ると唾を吐き自分が死んでないことを証明しようとした。
この流星の一つ一つがまさに第202遊撃艦隊と第132遊撃艦隊の隊員の命の散った瞬間とも言える。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第40話 ラクス出撃 作家名:久世秀一