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夜もすがら涙しても朝明けには喜びを

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薄暮


陽が落ちていく頃を逢魔時と言い、得体の知れない者に誘われないように気をつけろと祖父ちゃんに言われたことがある。
「哲平?」
夕焼け色に染まる相棒が何処かへ行ってしまいそうで思わず声を掛ける。
「恭ちゃんどしたー?」
くるりと振り返り笑顔を見せる相棒に何故か不安が増してしまう。
振り返るとそこには不安そうな我らが名探偵。
瞬間、顔に不安を滲ませたまま笑い「ん、何でもない」とヘタなごまかし。
「オレにも言えないことなん?水くさいわー」
そう言うとほんの少し安心したような顔を見せた。何が不安なのか分からないが出来ることなら何でもしてやりたい、そう思った。