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夜もすがら涙しても朝明けには喜びを

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煌々と照る月の下に人影がひとつ。
「しょーがないわねえ、じじいんトコ行って飲みなおすわ」
その足取りは非常に危うく、いつ足がもつれて倒れてしまうか気が気でない。
「ねーさん、だいじょう…うわーー!」
男が声をかけた瞬間、長い黒髪がフワリと揺れさらりと広がる。
「あかん、悪い恭ちゃん、ねーさん一旦連れて帰るわ」
長い黒髪の女性を抱きとめた男は愛嬌のある顔をもう一人の背の高い男に向けた。
「一人で大丈夫か?哲平」「ま、いつものことだし。ほら恭ちゃんは先に行っとき?アイツ時間遅れるとうるさいやんか」
背の高い男は端正な顔に心配そうな表情を貼り付けたままその場を去っていく。
「ねーさん、ほら立って」
ゆらりと立ち上がった女は男に支えられながらふらりふらりと歩く
「…待ってるの飽きたんだから呼びつけたっていいじゃない。そもそも待ってるのは性に合わないのよね」
ゆらりふわり