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花見日より

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「うわぁ、本当にいいんですかディーノさん?」

オレ達
こんなにいっぱい買って貰って

自分は一つながら
右と左で両手に余るほどの数の
ホットドッグを抱えて居る友人達を見て
沢田綱吉が恐縮する

「さすが跳ね馬。あざぁーっす!」
「ありがとございます。ホント嬉し過ぎるよなコレ。」
「つか、お前はもっと遠慮しろこの野球バカ!」
「はは。そう言う獄寺だって同じだろ?」
「オレはてめぇよか数少ぇよ遠慮してんだよ一応!」
「そんな数変わらないじゃんか。」
「二人とも買って貰い過ぎだって!」

「ハハ。構わねぇってツナ。食い盛りだもんなお前ら。
ってぇか、お前こそたった一つでいいのかよ、ツナ?」

「あっ、ハイ!大丈夫です全然。」
「あ、良かったらオレのをどうぞ十代目!」
「オレのも食っていいからなツナ?」
「だから!二人とも奢りだからって買って貰い過ぎだって!」

「あっはは。遠慮すんなすんな。お前ももっと買ってやるぜ?」
「いえっつ、そんな!いいですディーノさん!」
「ホントにか?食わねぇと成長しねぇぜ?」
「そうです十代目!是非オレのをどうぞ!」
「オレのも食っていいんだぜ?」
「だから!オレはいいって言ってるだろ?!二人とも聞いてる?」

ホットドッグのケチャップ舐め舐め
もふもふと
食欲旺盛な3人と
財布片手に超笑顔
可愛いもんだぜと微笑む大人

「っていうか、ディーノさんどうして今日ここに?」
「何か日本に予定でもあったんスか?」
「つぅか、今日は部下の人達居ねぇのな?」
「あぁ、今日は花見にな。ロマーリオ達はあっちだ。」
「「「まさか花見だけの為に日本に?!」」」

確かに
この公園の奥にはそこそこの規模の桜並木があって
このところ見頃を迎えており
そのせいで
普段は露店など出ないこの公園にも
様々な屋台が出ているわけなのだが



「あぁ。花見はやっぱり日本だろ?見頃に合わせて来た。」


しれっと何の疑問も無く言ってしまえるイタリア人は
やはり何処かが何か間違ってやしないだろうかと
そんな気のする日本の中学生3人


「ディーノさん、桜好きなんですか?」
「あぁ。好きだな。これぞジャポネって花だろ。色気もあって。」
「へ、へぇぇ・・・。い、色気・・・。」
「お前らも良かったら寄ってけよ?奥にブルーシート敷いて
ロマーリオ達が盛り上がってってっからさ。カラオケもあるし。」
「カ、カラオケまで・・・。」
「ブルーシートにカラオケってどんだけ日本に馴染んでんだ。」
「はは、だな?楽しそうじゃん。」
「てめぇ、まさか寄る気かよ野球バカ!」
「はは。だって面白そうじゃんか?」
「オレは行かねーぞ!」
「まぁまぁ。ホラ、ツナも行くだろ?」
「オ、オレは、」
「ホラ行くぜ?」
「ちょっ、待ってよ山本!!」
「あっ、待って下さい十代目!」







「ケッ!ぎゃあぎゃあガキ共が煩いぴょん。」
「犬、こっちもそう歳変わらないから。」
「何だよー。オレはガキじゃないもんね!」
「その両手に余る飴を持ってる時点でガキ扱いされるよ普通。」
「骸様!千種のヤツが煩いびょん。」
「クフフ。二人とも煩いですよ?」
「犬、骸様に御礼言ったの。買って貰っておいて。」
「何だとぅ?そう言うてめぇは言ったのかよ?」
「言ったよ。とっくに。」
「何だよ、オレだってちゃんと言ったぴょん!」
「そうかな?ワーイワーイってはしゃいでたけど。」
「ちゃんと言ったびょん!!」
「もう、煩い。面倒い。」
「ソッチが煩い事言うからだぴょん!」
「クフフ・・・犬、飴を落としますよ?」
「あっ、あぶね!」
「・・・ガキみたいにはしゃぐから。」
「何だとぅ?!」
「煩い。」
「骸様、コイツ黙らせて欲しいぴょん!」
「クフフフフ・・・喧嘩はいけませんね。」

今日は折角
花見と洒落込んだんでは無いですか

言う涼やかな瞳は赤と青



(つぅか骸様、さっきからアッチ背中でガン見てね?)
(シッ、犬、それは知らんふりしとくトコだよ)
(メッチャ意識してるよな?全然アッチ見ねぇけど?)
(あえて見ないのが骸様の美学なんだよ)
(けど、沢田綱吉の方は気付いてなくね?あれ?)
(もしくは気付いてても100%無視してるか、だろうね)
(骸様をシカトなんて100万年早いっつの)
(まぁ二人の間のコトだし立ち入らない方がいいよ)
(そうなのか?オレよくそういうの解んねぇびょん)
(つまり犬には100万年早いってコトだよ)
(何おぅ?!)




「そこ」

内緒話なんて僕には筒抜けですよクフフ

笑う声に肩を竦めて犬と千草
黙った方が良さそうだと
口に飴を押し込んだ

そこへ風にながれて桜の花びら
公園の奥からチラホラと
地面を転がり舞い上がり




ふわりと舞った
瞳の前で

前をゆく
3人連れの真ん中の
一番小柄な橙色の瞳がチラと振り返る

交差する
橙色と赤と青

ふっと笑った口元は
風に舞う
花びらよりも一瞬に
消えて隠れてしまったけれど





(お前、こんなトコで何してんだよ骸?)
(君こそ随分と楽しそうじゃないですか沢田綱吉?)





淡く染まった紅の色
風に吹かれて一瞬で
空に舞い散り何処かへと

「・・・さ。折角の良い日よりだ。」

僕達も
花見に行きますかね

歩き出す背中を
飴を口に突っ込みながら
追いかけて歩く二人組

(良かったびょん)
(まぁ良かった)

何処となく
幸せそうに見えるのは
陽気のせいか
あたたかく









「よぉ。」





「・・・何しに来たの。」




「花見。」





「・・・場所間違ってるんじゃない。」




「いーや?」





跳ね馬の
名前のごとくに身軽に跳ねて
並んで座る
給水塔
並盛中学屋上の

「くっつかないでくれる?咬み殺されたいの。」
「しょうがねぇだろ狭いんだから。」
「邪魔だ。帰りなよ。」
「だから言ったろ花見だって。」

ほらよ

差し出す包み紙

「・・・何コレ。」
「ホットドッグ。」
「僕はそんなもの食べたいって言った覚えないけど。」
「はは。差し入れだ差し入れ。」
「・・・冷めてる。」
「はは、まぁそう言うなって。放課後だし小腹減ってんだろ?」
「・・・別に。要らない。」
「半分でもいいから食えよ。残したら食ってやるからさ?」
「・・・・・・マスタード足りない。」
「はは。悪ィな?マスタード多めにって言えば良かったか?」
「・・・今度からそうして。」
「了解。覚えとく。」

ニカッと笑って上機嫌
何がそんなに嬉しいのかと
横目で睨んでもぐもぐと

「キレーなもんだな。」
「・・・何が。」
「桜だ。こっからだと並盛の町の桜がほぼ全部」

見渡せるもんな

風に吹かれた金の髪
押さえて笑ってニコニコと
特等席だという男

「・・・僕は桜を見てたワケじゃないし」

第一僕は

「桜になんか興味は無い。」
「はは。まだサクラクラ病のトラウマが抜けねぇか?」
「そんなものとっくに忘れてたよ。」
「そりゃ良かった。」

笑ってまた
桜を見つめる横顔を
黒目が流れて目だけで追った

「ロマーリオ達は今頃公園で盛り上がってっぜ?」
作品名:花見日より 作家名:cotton