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【ジンユノ】花びら一枚の記憶

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 夢を見る。何時頃からだったか判然としないけど、かなり昔からしばしば見る、いつも同じ夢。
 女の子の出てくる夢。
 華奢で小柄でとても可愛い女の子で、ちょっと不思議な髪の色をしている。頭頂と襟足辺りで明らかに色が違うのだ。てっぺんが濃いピンクのような紫がかった赤毛で、裾が橙色に近い金茶。耳の少し下辺りの位置で二つの色が溶けあうみたいに切り替わる。その髪の毛は短いんだけどショートっていうには少し長い。髪型の名前とかよく判らないけど、肩にはかからない位の癖っ毛で裾がふわっとしてて、短めでもすごく女の子らしい印象。耳のとこにかかる前髪(横髪?)を纏めて止めて、耳を出してて、その耳がまた貝殻みたいでかわいい。前髪そのものはかなり短くて、おでこの下の大きな緑の目が印象的な、そんな女の子。

 その大きな目に、見る見る涙が溜まっていく。
 僕は彼女に泣いて欲しくなくて、笑っていて欲しくて、なんとかそれを伝えようとするんだけど、どういう訳だか声が出せなくて、涙を拭う為の腕も重くて上がらなくて、どうしてあげる事も出来ずに、ただ、泣かないでと願うばかりで。
 女の子の姿はじき暗く闇に沈んで消えて、僕を呼ぶ可愛い声が遠ざかり、そのままフェードアウトして目が覚める。

 僕はその子の事を、知っていたはずなのに思い出せない。
 思い出せないんだけど、その夢を見て目覚めた朝は、泣きたいくらいに胸が苦しい。