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機動戦士ガンダム IFU 第一章

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第一章 プロローグ「歪む世界」



 いくら文明が発達しようとも、それを利用する人間に進歩がなければ意味がない。
「敵戦艦、巡洋艦から小型ミサイル!数三十!」
 一度道を間違えたなら、それが破滅に繋がってしまう。この事は人類の最大の課題だと言える。
「回避しろ!味方艦の少ない右舷へ!」
 西暦二千七十五年以降、世界は安定を失った。
「艦首魚雷、正面の戦艦へ、一番から五番まで発射!」
 国際連合はこの危機を乗り切るために、様々な策を出したが、どの策もほぼ効力が無く、情勢はさらに悪化していくのだった。
「敵機出現!距離五百メートル!敵空母より出撃した模様!」
 この状況を何とか打破しようと、その決意を込め、西暦(二千百十年)からEarth Year(E.H.)に時代は移り変わったのだが、その年の元年さえ――――血で塗られてしまった。
「前部甲板上、右舷側面に被弾!航行には支障無し!」
 E.Y.に時代が移り変わってから十一年・・・E.Y.十二年には、国家が世界情勢安定化の手段として五つにまで減少した。
「敵機本艦に急接近!」
 これにより多くの国が統合する形になった。アシス・ビリアス・ユーラシア・ドゥルア・テルザルア、これらがその国家である。
「迎撃!」
 だが・・・やはりこれでも解決には至らず、その三年後のE.Y.十五年に世界大戦が起こった。
「て、敵艦隊先頭の戦艦より大熱源及び磁場感知!レールガン発射体勢っ!」 開戦時にアシスとユーラシアが同盟を結び、テルザルアとビリアスも同盟を結びこれに対抗した。
「回避っ!」
 ドゥルアは中立の立場を取ったが、軍備を固め、自衛を完全なものにしようと手を尽くしている。
「大磁場の収束を確認!レールガン発射直前!だ、駄目ですっ!間に合いませんっ!!」
 ユーラシアが突如としてビリアス本土に攻撃、十二万人にも及ぶビリアス国民の命が奪われた『ビリアスの悲劇』により幕を開けたこの戦争・・・「アシスは何故ユーラシアの味方についたのか」多くの人々が持った疑問、この疑問はやがて非難へと変わった。


―――――――この戦争の真実を知らぬままに己が運命に翻弄されて。