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こらぼでほすと 秘密2

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水菓子まで辿り着いたら、若者組は、満腹で食べたら居間で転がった。腹が重い、と、シンとカガリとリジェネは呻いている。
「オーヴと特区でも料理は違うんですね、トダカさん。」
「そうだね。特区のほうが北にあるから、香辛料なんかはオーヴのほうが使ってるかな。気温が高いから刺激物をとるみたいだ。」
 適度にしか食べていないトダカとニールは、のんびりと、その様子を眺めている。まだ、トダカのほうは飲んでいるので、酌はニールの担当だ。肴になりそうなものだけ居間に運んで、ちびちびと冷酒を飲んでいる。
「うーん、特区とオーヴなんて近所なのに、それでも違うんですね。」
「そりゃそうだろう。きみらのところだって、北と南じゃ食材なんかは違うから名物料理は違うだろ? 」
「そういや、そうか。」
「酒だって、そうさ。オーヴはスピリッツ系が多いんだ。特区の日本酒とは原材料から違う。極端に暑いところや寒いところってアルコール度数が高いものが好まれる。」
 トダカが、ご機嫌で薀蓄を語っていると、ずるずるとカガリが匍匐前進で近寄ってきた。
「今日は、海産物中心にしてもらった。明日は、肉料理中心にしておいた。毎日、違うものになるように注文したから楽しんでくれ。」
「カガリ、それはありがとうだけど、量は減らしてくれるように頼んでくれよ。おまえが抜けると、もっと量は減るからさ。」
「え? 明日も晩飯には来るぞ? ニール。明後日からは、無理なんだが、明日も、ここに泊る。」
「大丈夫なのか? スケジュールに無理とかないんだろうな? 」
「たまたま、この二日は夜が空いてたんだ。・・・・ちょうどよかった。・・・・なあ、リジェネ、おまえって男なのか? 」
「うん、僕は男性体だよ、カガリ。」
「でも、私と風呂に入っても問題はないよな? 」
「ダメに決まってんだろーがっっ。そういうのは、ラクスとやれ。うちの子に、おかしなことを吹き込むな。」
「もう硬いなあ、私のおかんは。一人で大浴場とか寂しいんだぞ? 」
「水着着用なら付き合うけど、意味ないよな? アスハ。」
「身体が洗えないぞ、シン。ああ、バスタオルで隠すなら、いいか。」
「よくねぇーよ。俺らが、本館の大浴場に行くから、おまえは、こっちの風呂で暴れてろ。」
「ちぇっ、私だけか。」
「カガリ様、障子越しでよければ、私が話し相手になりましょう。それでいかがです? うちの子たちは奥床しいので、裸の付き合いは勘弁してやってください。」
 トダカが取り成すと、カガリも、しょうがないなあ、と、頷いた。
カガリも、素の状態だから浴衣でゴロゴロと畳に転がっている。普段は、こんなことはできないんだろうから、ニールも、そこいらはスルーの方向だ。リジェネの浴衣は、すでに着ているというよりは、ひっかかっているような感じで畳に転がっているので、やっぱりパジャマのほうがいいな、と、ニールが立ち上がった。ここの旅館も、パジャマだの部屋着だの浴衣だのと、各種、寛げる衣装が準備されていた。
「リジェネ、こっちに着替えろ。それ、あんまりだ。」
 もちろん、ニールは、元々、ゆったりした部屋着姿だ。初めてだから着てみたい、と、リジェネが言うので着せた。
「うん、なんでカガリは崩れないの? 」
「年季が違うからな。でも、寝るとバラバラになるんで、寝る時はパジャマにする。」
「そういや、おまえ、寝相悪いんだってな? アスハ。キサカさんが、ね-さんに謝ったぞ。」
「こればかりはなあ。なんか動いてるらしいんだ。・・・あ、ということはニールと寝てもいいんだな? シン。」
「別にいいんじゃね? リジェネが抱き枕だから、おまえ、となりの布団な? ちょっと距離があれば蹴りも届かないだろ。」
「てか、そこで勝手に算段するなよ、シン。俺、カガリと同じ部屋はイヤなんだけど? 」
「それ、不公平だぞ? ニール。ラクスはいいのに、私はダメってのが、そもそもおかしい。だいたい、フェルトなんて腕枕してたじゃないか。あれがよくて、私はダメって、何がいけないんだ? 私もピチピチで、おまえのストライクゾーンからは外れてるだろ? 」
「そこじゃねぇーよ。」
「まあまあ、娘さん。たまのことだからさ、カガリ様も試してみたいってだけだ。許してさしあげてくれ。・・・どうせ、すぐに寝てしまうんだから。」
 実際問題、カガリが何をやらかそうと、ニールは寝てしまえば起きることはない。今日は、一日活動していたから、寝てしまえば爆睡するのは決まっている。
「そうだ。私は機会が少ないんだ。たまにはいいだろ? ママ。」
「もう、いいよ。勝手にしろ。」
 トダカに酌をしつつ、ニールも折れる。まあ、ニールの娘たちというのは、寂しがり屋のニールを心配しての行動だから、何も問題はない。
「シン、ビリヤードできるか? 」
「できるぜ。」
「本館にあるけど、腹ごなしにやらないか? 」
「いいな。ちょっとこのまま、風呂入ったら溺れそうだもんな。リジェネ、教えてやるからやろう。」
「たぶん、僕、それ、できると思うよ? シン。」
「じゃあ、真剣勝負だ。ママは、どうする? 」
「俺は、明日にする。」
 トダカだけを放置するわけにもいかないから、ニールが残る。若者組は元気に本館へと出かけていった。
「警護とかいいんですか? トダカさん。」
「たぶん、カガリ様が行きそうなところにはチェックが入ってるだろう。きみも行ってきてもいいんだよ? 娘さん。」
「いや、さすがに疲れました。もう動きたくありません。」
「船に乗ってるだけでも体力使うだろ? 」
 これといって動いているわけではないが、それでもニールは疲れたとは思っていた。案外、船の移動も疲れるものらしい。
「使ってるのかなあ。でも、珊瑚礁はキレイでした。小さな島が点在していて景色もよかったですよ。」
「そうだろ? オーヴは島国だから、自然がいいところなんだ。まだ、完全に復興したわけではないから、瓦礫の山も残ってるけどね。」
「・・・・復興は時間がかかるもんですね。オーヴが戦争に巻き込まれて十年近く経過しても完全じゃない。」
 追悼碑のある島は、まだ瓦解したままだった。都市部は被害が少なかったので、すぐに復興はしたが、周辺の戦闘が激しかった部分までは手が廻っていない状態だ、と、シンから聞いた。
「・・そうだね・・・なかなか全部が元の状態に戻るというのは、時間がかかる。プラントだって、まだ以前の状態にはない。私たちは、いろんなものを壊してしまった。元に戻すのには、尽力したいとは思っているよ。・・・まあ、隠居した身で、できることはしれているんだが。」
「誰が隠居ですか? お父さん。最前線じゃなくなったってだけでしょ? 俺は、トダカさんが陰で何をやってるかは知りませんが、いろいろとやってるんだろうとは予想できてますよ。」
「私でも役に立つことには参加してるよ、娘さん。それぐらいの些細なことだ。」
「そういうことにしておきますよ。」
作品名:こらぼでほすと 秘密2 作家名:篠義