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こらぼでほすと 秘密2

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「おまえだけだよ、その意見は。ねーさんは色気なんかねぇーって。感想はいいから、水頼む、アスハ。」
「おう。」
 リジェネがクスリを持って来た。カガリも水を用意する。ペチペチとリジェネがニールの頬を軽く叩くと、ぼんやりと孔雀色の瞳が開いた。
「ママ、クスリ。」
「・・・うん・・・」
 ぽいっと錠剤を含ませて、カガリが水の入ったコップを口に寄せる。こくこくと喉を動かすと、ようやく意識がはっきりしてきたのか、あれ? と、自分の状態を確認した。
「クスリだよ、ねーさん。それで、今から本格的に寝ていいから。」
「・・・あ、うん・・・」
 じゃあ、移動しようとニールが自力で立ち上がろうとしたら、カガリが、ひょいっとお姫様抱っこだ。ニールぐらいだと持ち上げるのも簡単らしい。
「相変わらず軽いなあ。リジェネ、おまえ、シャワー浴びなくていいか? 結構、汗かいただろ? 」
「もういいや。明日、朝からシャワーする。」
「シン、部屋は、どれだ? 」
「おう、こっちだ。」
 カガリがニールを運んでいる。さすがにクスリが効いてきたのかニールも大人しい。ベッドルームもあるし、いくつかの部屋に、布団が敷いてあるので、みっつの布団が敷いてある部屋にシンが先導した。真ん中の布団に、ニールを沈める。シンは、それを確認して出て行った。リジェネが、その布団に寝ようとしたら、カガリが、ちょっとだけ待て、と、止めた。クースカと寝ているニールの手を取って、しばらくじっとしていたら、以前のフェルトと同じように手を引かれる。
「本当に無意識なんだな。」
 引かれるままに横になったら、やっぱりニールはカガリの体温を感じて、ほっと息を吐いて動きを止めた。カガリは、その姿が可愛いと思う。軽く壊れているニールは、誰かの体温が必要で、それさえあれば、あっさりと眠ることが出来る。それが、身内認定した相手であればいいらしい。つまり、カガリも身内認定されているということだ。
「カガリ、しばらくしたらママは本格的に寝るから、それまでは動かないで。」
「わかってる。うちのおかんは、可愛いと思うんだ。こんなふうに寝るなんてさ。」
「僕は、ほっとするけどね。・・・・あれ? ティエリアたちだ。」
 近付いてくるイノベイドの脳量子波で、リジェネが気付いた。今日の深夜か明日になるだろうと思われていたティエリアが現れた。もうすぐ、ここに来るだろう。
「カガリ、ティエリアたちを出迎えてくるよ。」
「ああ、頼む。」
 リジェネのほうが、ティエリアを迎えに出て行った。その間に、カガリは態勢を整える。なんせ、浴衣なので足元が肌蹴ていたりする。ごそごそと動いていたら、ニールの手が頭に載り、ゆっくりと撫でている。
「まるで子供だな? もう、いい年した女なんだぞ? おかん。それでも、この扱いなのか? 」
 まあ、それだからカガリも気楽に一緒に寝ているのだ。ラクスも最近、抱き枕を体験したと言っていたが、本当に子供を寝かしつけている態度だ。それも、ほとんど寝ているはずなのに手は柔らかく動いて背中を擦っている。カガリが動きを止めると、ニールも動かなくなる。出て行かれては困るから宥めているようだ。
「どこにも行かない。・・・・大丈夫だ、ニール。私たちは、いつまでも、おまえの娘だ。」
 本格的に寝るまでは動いてはいけない、というのは、そういうことらしい。しょうがないなあ、と、苦笑してカガリもニールの頬を撫でる。体温を感じていれば眠れるのなら、こちらが触ってもいいはずだ。戦争というのは、こんな人間を大量生産する。だから、なるべく戦争はしたくない。今までの経験で、カガリも、そう考えている。出来る限り、オーヴ国内ばかりでなく世界で戦争は興さない方向で政治を進めるつもりだ。
「ほんと、いい相手なんだけどなあ。おまえなら、私が生んだ子を任せておけるのに。・・・・他人の女房っていうのが腹立たしい。・・・でも、おかんとエッチするとか想像できないもんな。やっぱ無理だな。」
 こんなに愛情一杯のおかんなので、結婚相手としては望ましいのだが、カガリもニールに恋情なんてない。やっぱり、日常の中で、おかんで居て欲しいとは思う。離れているから、なかなか逢うことはできないが、会えば、本気で叱ってくれるし、ただのカガリとして接してくれる。それをしてくれるのは、カガリにとってもニールだけだ。
作品名:こらぼでほすと 秘密2 作家名:篠義