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こらぼでほすと 秘密3

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 起こしてしまって申し訳ないな、と、ティエリアとアレハレルヤは内心では詫びているのだが、やっぱり、ニールが、いろいろと元気に世話を焼いてくれるのは嬉しいので、大人しく夜食をパクついている。夜食というには、ちょっと豪華な内容で、おにぎりといなり寿司、それから煮物、焼き物、サラダなんかが用意されていた。二人前にしては多いぐらいだ。ポットから味噌汁椀に汁物を注いで、二人の傍に、ニールが置いてくれる。
「ティエリア、味噌汁は熱いから気をつけろ。」
「わかっています。・・・それより、免疫力が低いことは忘れないで貰いたい。あなたの身体は、まだ遺伝子情報が正常に戻っただけの虚弱体です。」
「ひでぇ言い様だな? 」
「事実だから言っている。だいたい、市販薬で誤魔化そうなどとするから悪化したんだ。それも理解していますか? ニール。」
 二ヶ月ぐらい前のニールの行状について、切々と説教しながら、ティエリアは、お稲荷さんをパクついている。アレルヤは、その様子が可愛いので見物して笑っていたりする。
「ドクターに散々に叱られた。もうやらねぇーよ。」
「当たり前です。リジェネまでパニックで使い物にならないし、俺が、どれほど心を痛めたか、考えてください。」
「ああ、リジェネには悪いことしたよ。あいつ、あんなに精神年齢が低いとは思わなかった。・・・・たかだか、風邪で、『死なないで。』って泣きまくったんだ。」
「たかだかとは言わないほうがいいよ? ニール。相当、悪化させてたみたいだから。医療ポッドに三日くらい入ってたって解ってる? 内臓が随分、市販薬の副作用で弱ってたからなんだよ? 」
 あまり懲りてないので、アレルヤも真顔で注意だ。ダウンしていたニールは、あまり解っていないらしい。以前から、ニールはドクターの説明も説教もスルーしているから、こういう時は身内の自分たちが締め上げておかなければならない。
「うん、それも言われたな。」
「だから、ちゃんと風邪をひいたらドクターの診察は受けないとダメなんだ。僕ら、離れてるから看病にも来れないんだからね。」
「はいはい、わかってるよ。今後は気をつけるって。」
「次にやらかしたら、刹那を大気圏降下させるぞ? ニール。今回は、ミッションで刹那が知らなかったから、騒ぎにならなかっただけだ。組織のラボに待機しているなら、あいつは、速攻で降りたはずだ。」
「私用でMSを使うのは、ご法度だろ? ティエリア。絶対に阻止しろ。」
「あのバカが、俺らの阻止なんか聞くわきゃねぇーだろ? あいつ、叱らなかったのか? じじい。」
 アレルヤのほうは、ハレルヤがチェンジした。バクッとおにぎりを一気飲みして注意するから、米粒が飛んでいる。
「ハレルヤ、食いながら喋るなっっ。マナー違反だ。」
「おまえよりマシだ。・・・・リジェネが何したか聞いてないのか? あいつ、おまえの風邪を治す方法を知りたさに、ヴェーダのフルドライブを仕掛けたんだぞ? 」
「はあ? フルドライブ? 」
「ティエリアが直前に気付いて止めたからよかったけどよ。遅れてたら、騒ぎになってたぜ。」
「うわぁー何やってんだ? リジェネは。」
「だから、それぐらいパニックだったんだ。危なすぎるだろ? じじいのためにフルドライブなんかしたって連邦にバレたら、おまえ、指名手配だからな。」
 ヴェーダのフルドライブは連邦側が命じてもできる代物ではない。ヴェーダ本体になっているティエリアかリジェネが許可しなければできないものだ。だから、それがバレたら、確実に連邦はやらかしたリジェネとニールを捕縛して洗脳してでもヴェーダを使えるようにするだろう。そういう危険を孕んでいたのだ。さすがに、ハレルヤの説明にニールも顔色を変える。
「大丈夫だったのか? リジェネの存在は感知されてないんだろうな? ティエリア。」
「一歩手前で阻止したから連邦には、フルドライブの事実は知られていない。」
「よかった。」
「だからな、じじい。おまえに危険が及ぶと危ないから、注意してんだよ。わかったか? 」
「わかった。・・・・気をつける。」
「よしっっ、その言葉忘れんなよっっ。・・・・ったく、俺らに心配の種を増やすな。おまえは寺で、のほほんと新婚主夫やってりゃいいんだよ。」
「はいはい、もう説教はいいよ、ハレルヤ。・・・・メシ食ったら風呂入れよ? ここの露天風呂は広くて気持ちいいんだ。」
 アレルヤでは言えないキツイことは、ハレルヤが単刀直入に言葉にする。そうなると、ニールも素直に聞いてくれる。ハレルヤは事実しか言わないと知っているからだ。
「俺たちの寝るところはあるのか? 」
「いくつかの部屋に布団が敷いてあるらしいから、シンに聞いておくよ。寝間着はクローゼットに入ってるから用意しておくな。」
「そういえば、カガリと寝てたね? ニール。邪魔したんじゃない? 」
 言わなければならないことは言ったので、ハレルヤはアレルヤにチェンジする。
「違う。あれは添い寝してくれてただけだ。てか、強引に添い寝してたんだよ。」
「じゃあ、僕らが横に寝てもいいんだよね? 」
「そうだ。俺がニールの添い寝をしてやる。あなたは、俺たちのおかんなんだから、俺たちが添い寝するのが当然だ。」
 久しぶりなので、それならマイスター組で寝ればいい、と、ティエリアが声を張り上げたら、「却下っっ。」 と、大声で叫んでリジェネが現れた。スパーンと障子を派手に開いて登場だ。
「ティエリア、今日は僕がママの専属抱き枕。きみは明日にすればいい。」
「なんだと、リジェネッッ。」
「だって、きみらは、食事してお風呂入ってって時間がかかるだろ? ママは、もうオネムの時間なんだ。ママ、そろそろ寝よう? 」
 露天風呂に飛び込んで汗を流してきたリジェネは、ニールの腕を掴まえる。もう深夜も廻った時間だ。いつもなら寝ている時間で、遅くまで起きていたら明日は起きない。せっかくの予定が崩れてしまうのはマズイから、リジェネも強引になっている。
「そうだな。・・・こいつらのパジャマの準備だけさせてくれ、リジェネ。あと、シンに部屋を案内してくれるように頼んでおかないと。」
「シンが、隣の部屋にも布団が敷いてあるから一緒がいいなら移せばいいってさ。・・・・はい、立って、ママ。ほら、もう、眠いんでしょ? 」
 キィーンと一瞬だけティエリアとリンクして事情は説明する。イノベイド同士だと、こういう場合は迅速だ。
「俺たちは後から寝に行く。ニール、おやすみなさい。」
「ごめんね? 起こしちゃって。おやすみ、ニール。」
 ティエリアとアレルヤも挨拶して手を振るので、ニールも立ち上がる。さすがに眠気はマックスであるらしい。
「おやすみ、ティエリア、アレハレ。明日は、観光だからな。」
「わかっている。リジェネ、頼んだぞ。」
「任せといて、ティエリア。」
 開いた障子から、さくさくとニールを連れ出してリジェネが障子を閉めた。やれやれと、二人して顔を見合わせて苦笑する。すっかり、リジェネがニールの抱き枕として定着しているらしい。
「明日は、俺たちで挟んで寝る。」
「ああ、いいねぇ、それは。川の字って言うんだよ? 家族でやることらしいから、僕らには相応しいよ、ティエリア。」
作品名:こらぼでほすと 秘密3 作家名:篠義