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こらぼでほすと 秘密3

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「まあ、おかんですからね、カガリ様。どうです? 一杯やりますか? 」
「そうだな。リジェネが露天に飛び込んでくるって行ってたから、私は飲むとするか。」
 本格的に寝るなら、と、リジェネは、とっとと露天風呂に飛び込みに行ったらしい。汗を流すだけなら時間はかからない。
「何にする? お湯割りか? アスハ。」
「いや、トダカと一緒でロックでストレートにする。おまえは危険だからやるな、シン。」
「当たり前だ。俺が、そんなもん飲んだら、イチコロだってーの。」
「あははは・・・酔わせてやろうか? 」
「バカッッ。俺は酔っ払ったら、そのまま寝ちまうから意味はねぇーよ。アスハ、本当にスケジュールは問題ないのか? 無理してんなら、明日はいいぜ? 」
「いや、本当に空いてるというか空けてあったんだ。おかんが来るって知ってたからな。」
 トダカの遠征の話は、以前にラクスから連絡されていた。だから、スケジュールの調整はつけてあった。せっかくの遠征だから、カガリだって逢いたいとは思っていたのだ。
「オーナーですね? 私の情報を流したのは。」
「いや、それもあるけど。ウヅミーズラヴのほうで、トダカの予約したクルーザーとか旅館の情報を掴んでたんだ。親衛隊すら連れていないってわかったから、顔を出すのは遠慮することにしたんだってさ。」
「いちいち、引退したじじいの情報を確保してるんですか? あいつらは。」
「まあ、そう言ってやるな、トダカ。おまえは、うちの父に重用されてたから、ある意味、アイドルなんだよ。」
「はあ? とーさんがアイドル? 」
「はははは・・・シンは知らないよなあ。トダカは若い頃から優秀で、私の父の側近だったんだ。その当時は、ものすごい美青年だったから、いろいろと噂も起ったらしい。そうだよな? トダカ。」
「あの当時は、大変だったんですよ? カガリ様。私は、確かにウヅミ様に忠誠は誓ってましたが、恋愛感情はありませんでした。でも、ウヅミ様がおもしろがって、私を構うから、みんな、本気にしたんです。そんなこと、あるわけないのに。」
 カガリの言葉にトダカも苦笑する。その当時、すでにウヅミの奥方は亡くなっていて、やもめだったもんだから、余計、本気にされたのだ。ついでに、あっちこっちからもたらされる縁談も面倒だったから、それを牽制する意味もあったらしい。トダカも、それを知っていたから、あえて否定はしなかったのだ。
「それってことはさ、とーさんが彼女できなかったのって、アスハの親父のせいじゃないのか? そんな噂があったら、とーさんにアプローチできねぇーじゃん。」
「それもあるかなあ。まあ、私は仕事が楽しくて、そっちは適当だったからねぇ。ウヅミ様も、国家の強化のほうが重要だったから、面倒ごとを減らしてたのさ。・・・・その結果、カガリ様には寂しい思いをさせてしまったわけですが。」
 その当時のことを思い出して、トダカは慈愛の目でカガリを見る。技術立国としてのオーヴを確立するために、ウヅミ以下関係者は、誰もが必死だったから、家庭のことはおざなりになってしまったのだ。特に中心になって働いていたウヅミは、ほとんどプライベートな時間はなかった。
「子供の頃は、父が忙しくて構って貰えなくて寂しいとは思ってたけど、今はわかるよ、トダカ。確かに、個人的なことに時間を割いてる暇はないんだ。だから、たまに父が、私のところへ顔を出してただけでも精一杯の愛情表現だったんだなって、今は理解している。偉大な父だった。」
 若い頃は反発もしたが、同じ立場にたって、ようやく父親の偉大さも理解できた。確かに、こんな状況で、恋人作るとかデートするなんて時間は作れない。手っ取り早く、ニールを嫁にしたら楽でいいな、と、考えてしまうのも、それが原因だ。
「ウヅミさんか・・・俺は、ほとんど、その辺りは知らないからなあ。まあ、偉大だったんだろうな、おまえやキラさんを逃がして、未来の可能性を残してくれたんだからさ。」
「ほんとにな、シン。・・・・・まあ、残念なのは、死んだことぐらいだ。生きててくれれば、私も学ぶことが山ほどあったんだけどさ。」
「申し訳ありません、カガリ様。」
「謝るな、トダカ。あの場合、あれが正解だ。・・・・それに、父は、ちゃんと自分の考えを受け継いでいるウヅミーズラヴの半数は遺してくれた。それだけでも有り難い。」
 トダカたちも準備には加担していた。だが、当初の計画では、ウヅミも脱出させるつもりだったのだ。だが、それを潔しとせず、ウヅミは全ての責任を背負った。自分の側近たちに、後追いせず、カガリの力になれ、と、命じて逝ったので、トダカたちは後を追えなかった。それまで黙って聞いていたシンのほうに、カガリは視線を向ける。あの戦いの被害を蒙ったのはシンのような子供たちだ。
「シン、ああいう戦い方は今後は避けるつもりだ。だから、オーヴのほうは、私に任せてくれ。おまえはキラのほうを頼むぞ? 」
「わかってるよ。俺がキラさんの暴走は止めてやる。・・・・おまえのように俺は政治は、あんまわかんないけど、俺なりにやってくつもりだからさ。」
 以前にもカガリから謝られた。その時は、なかなか気持ちが収まらなかったが、今は、同じように世界を平和にするという目的があるから、素直に詫びは受け入れられる。やられても負けても最後に勝てばいい、と、キラは言う。シンも、それでいいと思っている。諦めなければ、次はあるのだと、『吉祥富貴』に参加して理解できたからだ。
「おう、頼んだぞ。キラは強いんだが、天然電波だからな。あいつ、唐突に、とんでもないことをやるから、私は、それが怖い。」
「俺も、その意見には賛成。キラさんの思考回路って分析したら、すげぇーんだろーなあ。」
「あれは分析したら、分析を担当した機械とか人間のほうが壊れると思うぞ。」
「あーそれもわかるなあ。・・・・アスハ、明後日は、とーさんがヘヴンズビーチに連れて行ってくれるんだけど、合流できないのか? 」
「それは難しいなあ。昼間は公務があるから、さすがにサボれない。まあ、次回の楽しみにしておくさ。・・・トダカ、それならトレジャアーボートを用意しておこうか? あれのほうが早いだろ? 」
「いえ、それには及びません。途中、途中、綺麗なところも案内するつもりですから。」
「そうだな。あの周辺は、珊瑚礁も綺麗だし、おかんも楽しめるだろう。でも、シン、漁業はやるなよ? あそこらは捕獲禁止地域だからな。」
「当たり前だ。漁業やるなら、おまえんとこの別荘に行くさ。・・・・あ、とーさん、浮き輪がいるよっっ。ねーさんとリジェネは泳げないんだ。」
「じゃあ、明日、それも調達しないといけないな。」
「来年の夏は、私が、おかんに泳ぎも教えてやらないといけないなあ。シン、来年の夏はオーヴへ遠征してこいよ? 」
「そうだな。夏休みに、そういうのもあるといいな。」
 今年はプラントツアーがあるので、夏の予定は、それで塞がっている。来年は、と、カガリとシンで、あれもこれもと予定を上げていく。それをトダカも楽しそうに聞いていた。


作品名:こらぼでほすと 秘密3 作家名:篠義