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こらぼでほすと 秘密7

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ご勘弁を、と、一同に土下座されてキラたちも動きを止めた。とりあえず、食べ物を用意して持って来い、と、命じ、さらに携帯端末にデータを保存しているものは携帯端末が後日、壊れるので、と、注意もした。
「はははは・・・大漁だぜ。」
 ハレルヤも、ご機嫌で果物を運んで来た。ティエリアとニールに、差し出している。
「アップルマンゴーだ。これはうめぇーぞ、ティエリア、じじい。」
 ナイフで器用に割れ目を作り、ぐりっと両側を手にして果実を捻ると、綺麗にタネだけが抜ける。後は皮についた果実に適当にナイフを入れると、食べやすくなる。アレハレ単独で放浪している時に試したものだそうだ。
「うん、これは美味い。」
「だろ? 」
 ほれ、と、ティエリアはリジェネにも分けてやる。ニールのほうには、キラがいて、そちらの口にニールが投げ入れている。
「やっぱり、こういうのはオーヴが一番美味しいっっ。」
「特区じゃ見かけないな、これ。」
「高級百貨店に売ってるんですが、特区だと高いです、ママニール。」
「あ、そういうことか。なるほど。これ、持って帰れるかな? アスラン。悟空が好きそうだ。」
「大丈夫です。・・・というか、たぶん、カガリが差し入れをするでしょう。以前の時は入ってませんでしたか? 」
「見てるのかなあ。俺は食ってないな。」
「ねーさんは、自分のより、みんなのばかり用意してるから食いっぱぐれてるんだろ? これ、季節があるから、もしかしたらなかったかもな。」
「なるほど。」
 和やかに食事していると、オーヴ軍のほうから、さらに食事が運ばれてくる。キラとアスランだけだから、そんなには・・・と、ニールは思っていたが、テーブルに大皿を置くと、そこで全員が、トダカの前で土下座だ。
「申し訳ありません。」
「わかったのならいい。私の顔を拝みたいがために、軍の艦船を使うなど言語道断だ。一桁組からの指示か? 」
「いえ、一桁組が午後から挨拶に来られるので、その前に我らで接待を、と。」
 ちょろりと顔を出そうと、一桁組も思っていたらしい。まあ、それぐらいはしょうがない。旧友の元気な顔を見たいのは、どちらも思うことだ。
「私は引退した身だ。オーヴに今後も戻るつもりはないので、きみらに何かをしてやるつもりもない。それに、今回は家族旅行だ。可愛い子供たちとプライベートで楽しんでいるのだから、きみらにもてなされる必要はない。わかったな? 」
「はい、今後二度とお邪魔はいたしません。」
「じゃあ、解散。おまえたちは、あっちで大人しく軍のレクリエーションをやってなさい。」
「承知いたしました。」
 トダカに良いとこ見せたいとやってきた二桁後半組には解散を命じる。これだけ派手に暴れられたら反論もできない。すごすごと二桁後半組は、あちらに戻る。
「さあ、これで、あいつらは来ない。のんびり、昼寝でも楽しもうか? 娘さん。」
「はいはい。」
 強奪したデッキチェアに移動して、トダカとニールはのんびりと昼寝の態勢だ。リジェネがクスリだけは配達したが、それを飲んだら、クースカと速攻で寝ている。
「トダカさんのあだ名って、『ドエス女王様 』とか? 」
 まだ食事しているキラは、こっそりとアスランに耳打ちした。アスランが、あまりにも似合うので、ぐっと詰まった。
「昔、ウヅミーズラブのアイドルだったってアスハは言ってたぜ? キラさん。」
「そーなんだ。僕、それは知らなかったな。トダカさん、若い頃、綺麗だったんだね。」
「写真見たことないからなあ。まあ、顔は男前だと思うけど。」
 シンもトダカと長く一緒に暮らしたことはない。若い頃の写真なんて見たことがないから首を捻る。ティエリアたちは、一足先に海に飛び込んで浮き輪でプカプカ浮いている。
「僕ら、ここから合流するね。まあ、明日には帰るけど。」
「了解っす。旅館の離れなんで寝るとこは一杯あるから大丈夫。」
「それと、明日、出発時間の変更をしておいた。お昼食べてから帰るよ。うちのかーさんとママの顔合わせさせておく。」
「え? 飛行機のシート空いてた? キラさん。連休で混み混みだったぜ? 」
「カガリのプライベートジェットを借りた。あれなら時間の都合がつくからな。・・・俺も、カリダさんからママニールを紹介して欲しいって頼まれてたんだ。ちょうどよかったよ。」
 うちのバカ息子のしつけをしてくれる特区のママが、いつかオーヴに来ることがあったら紹介してちょうだいね、と、アスランはカリダに頼まれていた。昨年後半から慌しいことになっていて、うっかりオーヴにママニールがやってきたのに、それを忘れていたのだ。思い出したのは、前回のオーヴ遠征の帰りだ。
「カリダさんか。俺も久しぶりだな。」
「シンにも逢えるって喜んでたよ、かーさん。」
「なかなか顔出せないんだよなあ。なんか忙しかったし。」
「まあね。去年まではドタバタだったから、僕も、あんまり実家に帰ってなかったもん。」
 ニールへの報告は、里帰りということになっていたが、実際は、ほとんど帰っていない。オーヴの電脳関係の調整やら、MSの整備なんかで忙しかったからだ。
「あれ? ストライクとルージュの搬送しなくていいの? 」
「今回は、完全オーバーホールだから十日ぐらいかかるんだ。だから、引き取りは後日。鷹さんとハイネが仕事でオーヴに来る予定だから、その時に。」
「今のうちに、全機のオーバーホールをやっておくつもりなんだ。おまえの機体も運んでもらうぞ? シン。」
「了解。あ、そうか、順番に、そうやって乗り換えていくってことか。」
「そうそう、キュリオスも、たまに稼動させるつもりだから乗りたいなら乗っていいぞ。」
「やっほーっっ。それはいいなあ。」
 こちらも一息ついたので、ここで全機のオーバーホールをしてもらうことになっている。ここからは、さほど使うことはないと予想しているが、準備だけは怠れない。
「しばらくは、のんびりできるだろう。」
「そう願いたいぜ? アスラン。」
 はぐはぐと空腹を満たすと、キラたちも海に飛び込んだ。透明度の高い海は、浮き輪でプカプカするには最高だ。しばらくすると、昔懐かしい海上用のフロートがついた大型のプロペラ機が入り江に侵入してきた。静々と、こちらに近付いてきて、砂浜近くに停止した。どかどかと降りて来たのは、ウヅミーズラブ一桁組なじじいーずだった。


「お久しゅうございます、キラ様。」
「お疲れ様です、キラ様。」
 みな、口々にぷかぷかしているキラに声をかけてくる。キラも知っている顔ばかりだから、手を振る。
「挨拶したほうがいいか? アスラン。」
「いや、手を振っておけばいいさ。あっちもトダカさんに会いに来ただけだから。」
 五人ばかりの一桁組は、シンが笑顔で手を振ると、振り返して上陸した。トダカーズラブは、デッキチェアから少し離れた場所に、別のテーブルや椅子を用意してタープを設置している。さらに、二桁後半組が、いろいろと運んで来て準備も始めた。
「いいものを飛ばしてきたな? 」
「いいだろ? 年代ものだが、静かに上陸するなら、これに限る。」
 ジェットヘリのほうが早いが騒音が酷い。プロペラ機なら、手前でエンジンを止めて惰性で砂浜付近までつけられる。
作品名:こらぼでほすと 秘密7 作家名:篠義