二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

こらぼでほすと 秘密8

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 

 一箱は、おがくずに埋もれたイセエビだった。うごうごと温度が上がるとおがくずの中でもがく。これ、どうしたらいいかな、と、八戒でも悩む代物だ。
「サルに食わせるっていうなら、このまま保存しとけばいいんじゃね? 生きてるんだから冷やせば寝てるんだろ。」
「ああ、そうか。じゃあ、これ、もう一回、梱包してください。それから・・・適当に冷蔵庫に入るものは積めます。」
 ひとつずつ開けて、冷蔵庫に入りそうなものは積めて、残りは店の冷蔵庫に保管することにした。果物は、かなり熟しているので、明後日まで保つのか微妙なとこだ。
「あいつ、張り切りすぎだろ? 」
「なんでも、あちらの風習で、もてなしは食べきれないほど用意するものらしいです。悟空を想定すれば、こうなります。」
「あーそうか。バカザルの胃袋に一辺に収まらない量ってことなのか。そりゃそうだけどさ。いねぇーっちゅーんだっっ。」
「カガリさんは、そこまで知らないんでしょう。面倒だから、店で食事しちゃいましょうか? 休みで暇にしている人に集まってもらえば、残りは消費できると思うんですが。」
「ダコスタとかハイネとか・・・えーっと、鷹さんは暇かな。虎さんとこは、たぶん留守のはずだ。オーナーは留守だぞ? 」
「あとは、トダカさんとこの関係者さんですね。あちらさんが十人も来てくれれば片付きます。」
「でも、作るの、おまえだぞ? 」
「焼くのと刺身ぐらいの簡単なものなら、大丈夫。どうせ、キラくんたちも一緒だし。爾燕さんがいらっしゃったら、料理人は二人です。」
「おう、兄貴に連絡する。」
 夕食は食べるのだから、時間のあるのに集まってもらえば、なんとか日持ちしないのも片付けられる。そう算段すると、もう一度、アスランとトダカにメールをいれる。あとは、該当しそうな人間に悟浄がメールを一斉配信しておく。これで集まれるものは集まるだろう。



 カリダとの会食を終えて空港に向かっている時に、悟浄からのメールは届いた。
「アスランくん、届いたか? 」
「ええ、届いてます。やはり送ってましたね。」
 カガリのことだから、差し入れは用意したかもしれない、とは思っていたが、帰宅当日に届いたらしい。アスランが、ニールに荷物の話をすると、はい? と、ニールも慌てる。以前、送られて来たのも生半可な量ではなかった。発泡スチロール五箱となると、相当なものだ。たぶん、寺の冷蔵庫と冷凍庫では入りきらない。
「肝心の悟空が帰るのは、明後日だからなあ。」
「入らないから、店の冷蔵庫に保管するそうです。ということで、店に立ち寄って確認して欲しいそうですよ? ママニール。」
「そうだなあ。また、デカイエビとか入ってるだろうし・・・トダカさん、一緒に行って貰っていいですか? 」
「ああ、どうせ、うちからは近いんだ。仕分けてしまえばいいさ。」
 という話をしていたら、空港近くで第二段のメールだ。面倒だから入りきらないのは、食べてしまおうと思う、という八戒のメールだ。トダカのほうには、親衛隊の時間のある人を呼んで欲しいというお願いメールが届く。
「食べきれるのか? 」
「うちのが何人来られるかによるな。とりあえず、アマギに手配してもらおう。八戒くん、ひとりで調理するのは大変だ。」
「あ、なら、爾燕さんたちは? 」
「とりあえず、連絡はいれてみます。・・・人騒がせな差し入れだな。」
「まあ、ヤモメな人間は、暇にしてるだろう。食事なら、大勢でするほうが美味しいさ。」
 最後に、ニールにもメールが届いた。とりあえず、寺の冷蔵庫に詰められるだけは積めてあることと生きたエビは店の冷蔵庫に保管する、という連絡だった。名義が悟空宛だったので、メインと思われるエビだけは、そのまま確保しておくつもりらしい。



 空港に入ると、そのままクルマを出発ロビー近くの道路に停車した。そこには、きちんとカガリのスタッフが待っていて、そこでクルマは引き渡す。荷物だけ取り出して用意されていたカートに載せたら、今度はトダカーズラブのオーヴ組が待っていて、それらを運んでくれる。飛行機もチャーターだからチェックインの必要もないので、そのまま荷物だけ運ばれて、搭乗ゲートまで案内される。途中で、トダカがシンを走らせて、土産になりそうなお菓子を適当に買わせた。チャーター機は待ち時間がない。そのまま搭乗すれば出発だ。
「見送り、ご苦労。」
 トダカが、トダカーズラヴに挨拶すると、一斉に敬礼が返っている。さすが軍人様だなあ、と、感心した。座席に着くと、すかさずリジェネにクスリを飲まされた。
「どうせ、三時間くらいかかるんだもん。お昼寝すればいいよ、ママ。」
「そうだな。」
 毛布を貰って、離陸して、すぐに目を閉じた。ゆったりしたシートなので、長身のニールでも余裕があって寝るのも楽そうだ。となりにはリジェネが陣取って、一緒に目を閉じている。周囲は、一緒に寝ていると思っているが、実はヴェーダとリンクして、数日、おざなりになっていたデータのチェックをしていた。レイは明日には戻る。たぶん、寺に、そのまま顔を出すだろうから、そこで話はするつもりだ。
作品名:こらぼでほすと 秘密8 作家名:篠義