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銀盤の魔法

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「…でも正直恐れ入ったぜ。俺達のプログラムそのまんまこなすとはな。なんつか、すっげぇ悔しくてむかつくってのもあるんだけど」
頭をがりがりと掻いて、困ったように丸井は呟いた。
「良かったから。ありがとな。俺達の演技さ、大事にしてくれて」
仁王と柳生がつと顔を見合わせて、笑顔になる。
「何らしくなく謙虚なこと云うとるんじゃ。早よ怪我治し」
「そうですよ。穴埋めは出来たとはいえ、出場出来なかった貴方がたのことを思うと胸が…痛みます……ねぇ?うう、いたたたた」
「やぎゅ、やぎゅ。それ多分物理的なもんじゃ。とっとと衣装脱ぎ」
胸を押さえて前かがみになった柳生の背後に回り、仁王がジャケットとシャツを捲くりあげる。
「ちょっ、仁王くん!こんな人前でっ」
「動かんでって。ちょいきつく巻き過ぎたわ。すまんかったなー」
シャツの裾から両腕を突っ込んで中を探っていた仁王の手が目当てのものを見つける。腕をシャツから引き抜くとその手には細長い帯状の布が握られだらだらと続いていたが、やがて残りがまとめて柳生の足元を囲むようにぼとりと落ちた。
「……比呂、乳首透けてる」
丸井の冷静な一言に、柳生が慌てて両手で胸元を隠す。白いシャツの下には豊満なバストが現れていた。
「はは…お、俺の衣装ぴったりなんだな」
「はぁ、まあ…残念ながら。今日だけお借りしましたが…すみません」
なんだか見てはいけないものを見ている気がして、気恥ずかしく視線をそらすジャッカルと、女子の身でありながら体格が彼とそう変わらない事実に再びへこむ柳生が異様な空気を醸し出す。
「んあ?今日だけ?冗談だろぃ」
ポケットからガムを取り出して口に放り込んだ丸井が何故か驚いた声を上げる。
「何が云いたいんじゃ」
「お前ら最終結果見てねーの」
「二位のままでしょうか」
ぱっ、と表情を輝かせて嬉しそうに柳生が応える。減点されつつも、演技終了後は暫定二位という好成績だったことが余程嬉しかったようだ。
「ああそうだぜ。んで、三位までは二週間後の本戦に進むことに」
「……はい?」
「おいおい、知らなかったのかよ」
「……………仁王くん」
「プリッ」
可愛らしく誤魔化そうとしても無駄だ。後ろ頭で腕を組みそっぽを向いている仁王もどうやら知らなかったらしい。
プルプルと怒りに打ち震える柳生を横目に、丸井がにやにやと機嫌良く笑い出す。
「ここまでやらかしたんだろぃ、きっちり取って来いよ。責任と、表彰台をな」



FIN


以下あとがき******


男子ホモカップルかと思いきや男女入れ替わりカップルでした。ペテン師だぁ?何とでもいえ!
アイスダンスシーンは伝わるように書ける自信がないのでカット。雰囲気パラレル小説なのでその辺は勘弁です。
体格が良くて可愛いものが似合わず、でもスケートが好きで、本当はリードする側の紳士になりたい女の子柳生の夢を仁王くんが叶えてあげる少女マンガパラレルのつもりで。
今後大会が進むにつれ女の子であるために人知れず無理な体重制限をしていた仁王くんにガタが来たり柳生の着替えを目撃してしまう赤也とか楽しいイベントが満載な訳ですが多分書かない
作品名:銀盤の魔法 作家名:みぎり