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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 18

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「本当はエナジーは使いたくなかったんだが、付け焼き刃の力じゃ、姉貴には勝てねえ。しかし、まさかこんな初歩的な催眠が効くなんてな。力通眼の弱点は、催眠術だとは……。まあ、確かにちゃんとした精神状態じゃないと、力を読むなんて無理だろうな……」
 ヒナはびくりとした。うなじに切っ先と思われる、冷たい物が触れたからだ。
「催眠ですって……? そんなものいつの間に……」
「落下の瞬間に仕掛けておいたのさ」
 ヒナはまるで気付けなかった。いや、気付いていたのかも知れないが、催眠術によって惑わされ、その存在をすぐに忘れていた。
「あなた……、シン、なの……? 何、このすさまじい力……?」
 背後に立つシンから、恐ろしいまでのエナジーを感じた。これは最早、対峙した相手から逃げるでなく、打ち倒す類の力である。そう、忍が忍ぶ事を止め、忍の理を捨て、生きるか死ぬかの戦いに身を投じた、乱れた存在だ。
「姉貴、勝負はもう付いた。けど、あんたの首はいらない、オレの頼みを聞いてくれるか?」
 ヒナは動くことができなかった。ただ単に、首筋に刃を付けられた位ならば、彼女には対抗する策などいくらでもある。
 しかし、今はそれができない。無闇に何かしようものなら、五体を引き裂かれる気さえした。
「分かったわ……、あたしの負けよ。だから、もうやめて……」
 ヒナは刀をその場に落とし、あっさりと負けを認めた。
 負けを認められたシンは、ヒナの首に突きつけていた剣を下ろし、エナジーも止めた。
 ヒナは拘束から解放されたように、脱力してそのまま崩れ落ちた。そしてそのまま気を失ってしまった。
「おい、姉貴! ……ったく、こっちにゃ時間がねえってのに、仕方ねえな……」
 シンは、気絶した姉を抱きかかえ、数ヶ月ぶりの生家へ向かっていった。