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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 18

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 玉座の間の外から一部始終を覗いていたアレクスは、少し安心したようにため息を付き、その場から離れた。
 向かう先は、アネモス神殿の二階の広間である。そこはセンチネルが修行に打ち込む場所であった。
 その広間に向かう途中、回廊にてまるで、アレクスが訪れるのを待っていたかのように、センチネルが壁に身を預けて立っていた。
「何とかデュラハン様から、一月の猶予をいただくことができましたよ。これでデュラハン様がお力を高められる前に、打ち倒すことができるのではないですか?」
 アレクスは微笑を携えて訊ねる。
「……貴様の考えは読めん。デュラハンに従うようでいながら、俺のような者に猶予を与えるような真似をする。アレクス、貴様の目的はなんだ?」
 話しかけても無視されるのが当たり前であるセンチネルが、珍しく話に乗ってきた。
「私の目的ですか? 今も昔も変わりませんよ、錬金術の復活です」
「ふん、その目的にデュラハンは余計な存在と言うことか……」
「さあ、どうでしょうね。私は基本的に、誰に対しても敵対するつもりもありませんし、肩入れするつもりはありませんから」
「……誰の味方でもない、と言うことか……」
 センチネルは壁から体を離し、広間へ向かおうとした。
「デュラハン様を、倒す気持ちに、変わりはありませんか? センチネルさん」
 センチネルは振り向くことなく、短く答える。
「……奴は俺の仇敵。必ず倒す」
 センチネルは去っていった。
 アレクスの計画はほぼ順調に進んでいた。一月の猶予を得、デュラハンは人々の絶望する様を楽しむ裏で、センチネルは打倒デュラハンを目的としたままである。
ーー後は、一体誰がデュラハンを倒すか、ですねーー
 アレクスは、広間で両手に剣を持ち、修行を始めたセンチネルを見ながら、思うのだった。