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守るべきもの

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岩で穴を塞いでから
既に2日が経過していた

しかし、遺体の回収はまだ済んでおらず
兵士たちにとって辛い日々が続いていた

「あんなに頑張ったのに・・・
あんなにやったのに・・・全部無駄だったのか?」

コニーが呟いた

皆後悔してる
こんな地獄だと知ってりゃ
兵士なんて選ばなかった

精魂尽き果てた今
頭にあることはそればかりだろう

(かける言葉も見つからない・・・)

ケイは死体が焼かれている炎を見上げた
それだけで、涙が溢れそうになる

「おい、お前ら・・・」

ジャンが立ち上がった

みんなの視線がジャンに集中する

「所属兵科は何にするか決めたか?」

震えていた
自分の中の恐怖と戦いながら
彼は話しているのだろう

「オレは・・・オレは

調査兵団になる」


あぁ、人間って強いんだね

あんな恐怖を体験いした後なのに
こんな苦痛を悲しみを味わったばかりなのに

絶望するばかりじゃない

その後
再び自分の足で立ち上がるんだ

「ジャンは、かっこいいね」

その日の帰り、ケイはジャンと歩いていた

「な、なんだよいきなり・・・」

「いや、なんとなくね
今まではあんまり絡む気にもならなかったけど
今日のジャンは違ったから」

「・・・別に」

ジャンは俯く

「後悔は・・・しない?」

「え?」

「ジャンは6番で卒業したんだよ?
今まで言ってた通り、憲兵団になって
より安全な内地に行くことだってできるのに」

「・・・オレは、嫌なんだよ

誰の物とも知れねぇ骨の燃えカスに
がっかりされたくねぇだけだ」

(マルコのことを、思い出してるのかな)

「ケイ、お前はなんで調査兵団なんだ?」

ジャンも聞き返す

「・・・私の居場所は、あそこにしかないから」

そう答えたケイの表情は
少し悲しそうだった

「まぁ、今も私の居場所があるかなんて
わからないんだけどね・・・」

「ケ、ケイ?」

「でもね、今回のことで思ったんだ
私はみんなに生きていて欲しいって

当たり前のことだけど、そう思った」

びゅうっと冷たい風が吹く

「だからね、みんなを守るために
調査兵団に入りたい

人類が巨人に勝利するための糧になりたい
そう思ったんだ」

その選択は
自身の寿命を縮めかねない選択で
もしかしたら次死ぬのは自分かもしれない

掛けた命がどれだけの糧になるかもわからない

それでも彼女は
笑顔で答えた

作品名:守るべきもの 作家名:葉入