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守るべきもの

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その日のうちに
その場にいた兵士たちにエレンのことが伝えられた

そしてその話を聞いたピクシス司令の命令により

巨人の力を利用したトロスト区奪還作戦が
すぐに決行された

開けられた穴を塞ぐことを目的として
なるべく戦闘を避けて行う作戦ではあったが
それでも多大な犠牲を払った


黄色の煙弾が放たれた時

人類が初めて
巨人に勝利したことを示した

人類が初めて巨人の侵攻を阻止した快挙であったが
それを歓喜するには失った人々の数が
あまりにも多すぎた

「ねぇ、私にできることってなんだと思う?」

「久々に会ったというのに
そんなことばかりなんだな」

「・・・さっきまで
目の前でどんどん仲間が死んでいくような
状況の中にいたんだもん 当たり前でしょ」

ケイは月を見上げる

「人の死を目の当たりにするのは
初めてではなかったけど
やっぱり何回体験しても慣れるものじゃないね」

「・・・当然だろう
だが、慣れたいものでもないだろう」

「そうだね」

「アイツには会っていかないのか?」

「・・・・・・そのことなんだけどさ――――」

ケイはゆっくりと立ち上がる


貴方に会いたくて

ここ数年はそればかり考えて過ごしてきたのに

まさか
自分からそれを延期にすることになるなんてね

ねぇ、貴方の心の中に
私はまだ存在していますか?

私との思い出を
少しでもその胸に秘めて
今日を過ごしていますか?

「そうか・・・」

「これは、私にしかできないことだと思うし
何もしないよりはいいと思うの

たぶんこれからは・・・内部が荒れ始めるから」


作品名:守るべきもの 作家名:葉入