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守るべきもの

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その日の夜

「ケイ・・・眠れないんですか?」

サシャは屋根の上に座っていたケイに話しかける

「サシャ、まだ起きてたの?」

「私も眠れなくて・・・隣いいですか?」

「うん、おいで」

ケイが手招きをする

「ケイはやっぱり調査兵団にいくんですか?」

「・・・そうだよ」

「あんなことが、あったのに?」

ケイはサシャの不安そうな顔を見つめた

「迷ってるんだ」

「・・・はい」

ケイは立ち上がる

「当然じゃない?
だって、あんなに仲間が死んじゃったんだもん
ツライよね

それに、下手したら
次死ぬのは自分かもしれないもんね
調査兵団に入ったら・・・」

「・・・それなのになんで
そんなに真っ直ぐでいられるんですか?

会いたい人がいるって言ってましたが
別に調査兵団に入らなくても
会おうと思えば会えるかもしれないじゃないですか」

サシャの言葉に
ケイは思わず笑ってしまう

「傍にいたいから
守ってあげたいから・・・
私の知らないところで死んでほしくないから
少しでもその人の力になりたいから

守って、あげたいから」

(なんて・・・真っ直ぐなんでしょう
恐怖に染まらない凛とした表情)

「もし私が死ぬのなら
その人の盾になって死にたい・・・
だから、傍に行くの」

ケイの真っ直ぐな言葉に胸を打たれる
自分の中にも
真っ直ぐな信念があれば
こんなにも迷わなくて済むのに

「でも、サシャは迷ってていいよ
サシャは憲兵団になる資格を持ってるんだから
わざわざ寿命を短くする必要はない

・・・それに、サシャにも死んで欲しくないもの」

「・・・でも、でも」

困った表情のサシャ
それも当然だと思う
しかし、意地になって決めるよりも
あと一晩じっくりと考えてほしい

「サシャひとつだけお願い事があるんだ」

「え?」

ケイはサシャの手を引いて
そのまま二人静かに屋根を降りた

ざわっ

何やら今夜の風はざわついている
不穏な空気が流れていた

(何も、なければいいんだけど)

ケイはちらりと視線をずらした

作品名:守るべきもの 作家名:葉入