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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
novelistID. 26082
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D.C.IIISS ~ダ・カーポIIISS~

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 それから俺達はフラワーズで昼食をとって寮へ帰った。ちなみにそこでバイトしている葵に少しだけサービスをしてもらったのは他の奴らには内緒だ。仕事の関係上、色々接点はあるからな。
 そしてフラワーズを出た俺達は真っすぐ寮へ向かった。
 ちなみに既に学園都市の内部なので魔法を隠す必要はまったくもってない。よって俺はおおっぴらに物体浮遊魔法を使って本を浮かせた運んだ。対してカレンは重いものは何一つ運んでいないのでそのままだ。
「……魔法陣」
「あ、気づいたか?」
 俺は自分の手元に目をやる。その手の平と本の間には、手の平サイズの魔法陣が浮かんでいた。気づかれないようにぎりぎりのサイズの物を浮かばせていたのだが、どうやら無意味だったようだ。
「なんで魔法陣なんかが浮かんでるんですか?」
「だって俺魔法使いじゃないし」
 魔法使いではない。それが意味することはただ一つ。
「魔術師……ですか」
「俺に意図せず付けられた二つ名にあるだろ。<失った魔術師>って。それは俺が魔術師だってところからきてんだよ」
「じゃあ、<失った>ってなんですか?貴方は何を失ったんですか?」
「それが俺の言えないことだ」
 俺はきっぱりと言ってのけた。それ以外に俺は表現する方法を知らない。
「……じゃあ、教えてもらえませんか、それ」
「教えてやるさ。さっきからそう言ってるじゃないか」
「……」
 カレンは黙り込んだ。
「とりあえず、寮に戻ろう。話はそれからだ」
「……はい」
 既に建物は目の前にあった。俺達は扉を開けてエントランスを素通りし、俺の部屋へと向かう。
「ここの寮は異性禁制じゃないでしたっけ」
「生徒会長様の権限を行使してやる」
 つまり強引に押し切るということだ。
「……いいんですか、そんなことして」
「誰かに見つかったら俺が言い訳してやるよ」
 ……ちなみに俺の部屋に着くまでに誰にも会わなかった。きっと大体が休みだからとリゾート島や図書館島、または地上にでも出掛けているのだろう。
 ……まあ、寝てる奴もいるだろうが。
「ほら、ここだ」
 俺はカレンを部屋の前まで案内した。
「ちょっと片付けるから待ってろ」
 そう言って俺はカレンを廊下に待たせ、中を簡単に掃除した。……実際のところ、実験器具などが散乱していたのでなかなかに大変だった。
「どうぞ」
 終わった時点で俺は扉を開けてカレンを招き入れた。
「誰か通ったか?」
「いえ。……ただ、鹿のぬいぐるみみたいなのが歩いていきましたが」
「そりゃシャルルの使い魔……おっと、家族のエトだ。ちなみにトナカイだ」
 ふむ、少し警戒する必要があるかもな。エトはシャルルと意志疎通が出来るような節があるからな。
「そんじゃ、ここでお話しタイムとでも行こうか」
 現在午後二時ちょうど。割と時間がかかったな。大体王宮の図書館で押し問答していたせいだろうが。
「どこまで話してくれるんですか?」
「そりゃ俺が<失った魔術師>なんて呼ばれるようになった経緯全部だ。この本共がここにある理由がそれだからな」
 俺は運んできた本の上にポンと手を置いた。
「ちなみにそれ何の本ですか?」
「禁呪に関する本」
 きっぱりと言ってやる。ここで嘘を吐く必要なんて皆無だ。
「禁呪って……なんでそんな物を……」
「今から話すって」
 俺は部屋の簡易キッチンで湯を沸かし、紅茶を入れる。
「本当は、ティーバックではなくてちゃんと本格的に入れたいんだが……。まあ、我慢してくれ」
「それくらいは、まあ……」
 俺はカレンにカップを渡した。カレンはすんすんと可愛らしく香りを嗜む。
「……ダージリンですか」
「お気に召さなかったかな?」
「いえ、そういうわけでは。……強いて言うならアッサムティーの方が好きです」
「じゃあ、次の機会にはそうしよう」
 その時は次どころか一生続きそうになるなんて思わなかったがな。
「それより、ユーリさん」
 おっと、そういえばそうだった。紅茶を入れていたせいか話が脱線してしまった。
「そうだったな。悪い」
 俺は備え付けの机のそばにある椅子に座る。対してカレンは俺のベッドに座った。
「さて、何から話したもんかな」
 俺は一口紅茶を仰ぐ。
「……カレン、俺今何歳に見える?」
「えっ……と、そうですね……」
 開口一番に問うた質問は、カレンを少し驚かせた。まあ、それはそうだろうな。事情を知らない人間からすれば、俺は二十一くらいと言うだろう。見た目は予科入りたてぐらいの年齢なのだが。
「……そんなこと聞くってことは年ごまかしてるって事ですよね……」
 観点はあっている。というかその通りだよ。
「てことは、もう半世紀くらいは生きてるって解釈でいいですか?」
 おしい。というかまだ遠い。
「……足りないな。それを五倍してくれ」
 俺はあっさりと答えを明かす。流石にカレンは顔を訝しめてしまった。
「流石にそれは信じられませんよ……」
 だろうなぁ……。だけど、事実なんだよなぁ。
「まあ、それを信じてもらう他ないんだよ。気になったならお前の親父さん達にでも確認してくれ」
 カレンはすぐにシェルを取り出したが通じないことに気づいてそれをしまった。
「さて、話を続けるぞ」
 俺は昔話を始めた。長い長い、俺が辿った時間の物語を。