二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
novelistID. 26082
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

D.C.IIISS ~ダ・カーポIIISS~

INDEX|32ページ/46ページ|

次のページ前のページ
 

「……だとしても、俺はお前を巻き込むべきじゃなかったよ……」
 俺は目を閉じた。それは涙を堪えるためだ。俺の、俺自身のミス故にカレンを傷つけてしまった。それが許せなかった。
 刹那、俺の頬に温かいものが触れた。目を開けると、カレンの右手が俺の頬を撫でているのが分かった。
「泣かないで……ください。貴方の……長い人生の中では……私との時間なんて……たった一年です。それを考えれば……どうでもいいことでしょう?」
 どうやら俺は、知らぬ間に涙を流していたらしい。
 だがそんな事よりも大事な事がある。
「そんな事言わないでくれ。俺が生涯で愛した女はお前だけなんだから……」
 カレンは一瞬驚いた顔をして、そして微笑んだ。
「……そっか……ユーリさんの中で……唯一私は……愛されていたんだ……。嬉しいなぁ……」
「ああ……。だから、悲しいこと言うな。お前の事を、忘れるなんて、出来るはずないだろう」
 俺は、涙が止まらなかった。俺の愛した女がこの手から離れて行ってしまう。これが我慢なんて出来るだろうか。……普通なら、出来るはずがないだろう。
「……でも……ユーリさん……また会えます。いつか……遠い未来で」
「かもしれないな。だが、会えるだろうか……?」
「会えます……きっと。私とユーリさんは……また出会って……私はまた……貴方に恋をするんだと思います」
「……だと、いいな」
 その瞬間、俺の中で一つ覚悟が出来た。
「……よし、決めた。俺は生きる。生きて、いつかお前にもう一度会う」
「……期待しないで待ってますよ」
 俺はカレンを抱き寄せ、そして口づけを交わす。
「どこにいたって、見つけて見せるさ。……愛してる、いつまでも、ずっと……」
「はい。必ず迎えに来て下さいね……。私も、愛してます」
 カレンが言葉を発した瞬間、大きな風が吹いた。そして背中の桜の木から桜吹雪が舞い、桜が散った。その散った花びらが全て地面に落ちた時―。